リクエストありがとうございます!
理佐「じゃあね」
山﨑「東京でも頑張ってください!理佐先輩のこと、ずっと応援してます」
理佐「ありがとう、天ちゃん」
「夏鈴のことよろしくね」
山﨑「任せてください」
「ほら、夏鈴ちゃんもなんか言いなよ」
藤吉「.....」
呆れた天ちゃんがぎゅっと握りしめられた夏鈴の手を無理やりこじ開ける。卒業式にあげた第二ボタンが真っ白な掌の上できらりと光った
藤吉「やめて」
理佐「ぎゅーしよっか、夏鈴ちゃん」
藤吉「ん.....」
小さく頷いて夏鈴が一歩近づく
細くて今にも崩れてしまいそうな背中に私はそっと腕をまわした
理佐「ちゃんと食べてちゃんと寝るんだよ?」
藤吉「うん、」
理佐「天ちゃんでも誰でもいいから辛くなる前に周りを頼ること。ね?」
藤吉「.....うん、」
『お待たせ致しました。車内整備が完了しましたので、ご乗車いただけます』
無機質な声がホーム全体に広がる
理佐「じゃあ2人とも元気でね」
山﨑「理佐先輩もお元気で」
窓越しに天ちゃんと目が合う
隣にいる彼女はというと、しゃくりあげるのが聞こえてきそうなほど肩を上下させていた
ポケットからスマホを出してLINEを開く
「そんな顔しないの」
ホームで画面を見た夏鈴が少しだけ顔を上げた。目元も鼻も赤くしてふっ、と笑う
その顔を見て続けて打つ
「絶対迎えに行くからね」
***
それから一年。
私は都会の大学に通っていた。.....通っている、というだけでちゃんと通えているかと言われれば違った
カーテンの隙間から見える空は灰色で、桜はまだ咲いていない
講義の時間になっても体は動かず、結局その日もアパートのベッドに沈みこんだままだった
不定期で届く彼女からのLINE。「げんきですか?」「東京、慣れましたか?」夏鈴の頭には今どんな私が写ってるんだろう。
昼間は大学で忙しいっていうテイで画面を閉じて夜。バイト終わりに朝まで遊んで、次にメッセージを開けたときにはもう何も残っていなかった
理佐「......なにしにこっち来たんだっけ」
偉そうに〝迎えに行くから〟なんて____
枕元のスマホが小さく震える
届いていたのは一本の動画だった
山﨑『はい、いいよ』
藤吉『え....なんて言えばいいの?』
いつもの公園にある桜の木の下でぎこちなく笑う夏鈴の胸元にはピンク色のコサージュが付けられていた
そっか、卒業式.....
山﨑『卒業できた、って』
藤吉『なんて?』
山﨑『卒業出来ました、って』
藤吉『えと......卒業できました』
山﨑『おわり?』
藤吉『えー....あ、理佐さん健康でいてください』
山﨑『だそうでーーす!』
藤吉『恥ず....これでいいの?』
あの頃と何も変わらない笑顔のまま止まった夏鈴をぼーっと見つめる
暗くなりかけた画面にもう一度通知が重なる
「理佐さんに成長したって思ってもらえるように頑張ります」
理佐「誰これ、天ちゃんに書いてもらったでしょ」
変わろうとしてる夏鈴を受け入れられないのが嫌になる。あのままでいてほしい、なんて思ってるわけじゃないのに
***
次の日、
私は数日ぶり、いや、数ヶ月ぶりに夏鈴にメッセージを打とうとしていた
____何があっても夏鈴は夏鈴のままでいてね
____地元で幸せになって
____私よりももっといい人沢山いるから
理佐「ごめんね、夏鈴」
忘れてください 僕なんか
ゼンマイが切れた不良品
Fin.
理佐さんといるときのてんかりんの幼さが大好きで。今も変わってないといいなー
ちなみにBANとかその辺のビジュを想像しながら書いておりました

