リクエストありがとうございます!
※過呼吸表現
あれ、保乃ちゃんいつもと違うかも
って思い始めたのが大体一週間前。そこから〝ドラマあるし忙しいもんね...〟なんて勝手に理由をつけて気付かないふりしてきて今。
違和感が確信に変わった
曲が終わった瞬間、
保乃ちゃんが、ぱたりと膝を折ってしゃがみ込んだ
ダンサーさんの声ですぐに立ち上がるけど、その後も肩が大きく上下して、とても普通の呼吸には見えない
メンバー同士振り確認したりストレッチしたりでスタジオがざわつき始めたのを見計らって保乃ちゃんの横に座る
森田「....保乃ちゃん」
田村「ん?どうしたん?」
森田「最近....大丈夫?」
田村「なにが?全然大丈夫やで」
森田「あの、ほら...保乃ちゃん忙しかけんさ....」
田村「心配してくれたん?ありがとう」
「あ!そんなことよりひいちゃんお弁当食べた?ちゃんと栄養つけなあかんで!」
いつもの、私の大好きな笑顔だった。でも誤魔化してるのはバレバレ
これをどうやって上手く〝休んで〟って言えるかが問題____
松田「これ1個だけ残ってるお弁当だれー?」
もうすぐお昼休憩が終わろうとしている頃、まりながテーブルの上に残ったお弁当を見ながらみんなに呼びかける
周りをぐるっと見回すと保乃ちゃんの姿がない
〝もうすぐ来るんちゃう?〟なんて天ちゃんの声は耳に届かなくて、気づけば携帯だけ持って廊下に出ていた
片っ端から部屋を確認して、非常階段の前に着いた
____流石にいないか
でも、なぜか胸がざわざわして「一応...」という思いがよぎった。ゆっくり取っ手に手をかける
っ....ハァッ....ハァッ.....ハァ....
森田「っ、ほのちゃんっ!?」
信じたくなかった。
でも踊り場で壁に寄りかかって崩れるように座り込んでいたのは紛れもなく保乃ちゃんで、浅く乱れた呼吸も彼女から出たものだった
手すりを掴む余裕もなく、ほとんど転げ落ちるみたいな勢いで階段を駆け下りる
森田「ほのちゃんっ!わかる?」
田村「ひぃ....ちゃ....んッ.....ハァッ....ハァッ...」
森田「大丈夫、ここおるけん一緒呼吸しよう」
田村「こわい....っ、.....しん....じゃう.....やだ....やだ...っ、」
頭が真っ白になった
〝死んじゃう〟
保乃ちゃんの口からそんな言葉が出てくるなんて
いつも笑ってて、欠点なんて一つも見せないような人が、本当にこのままいなくなっちゃうんじゃないかって____
田村「息....くるし....ッ.....ハァッハァッ....ひいちゃ....たすけ、て....ハァッ...ハァ...」
森田「保乃ちゃんこっち見て!息ゆっくり....ふーってして」
私がいくら言ったところで保乃ちゃんの呼吸が落ち着くことはない。むしろもっと音が大きくなって、階段の壁にぶつかって返ってくる
保乃ちゃんの指が私の腕に食いこんで爪が皮膚をえぐるけど、それさえ痛くなくて、ただ保乃ちゃんの命が逃げていくような恐怖だけ
田村「ハァ....はぁ....はぁっ....はぁ...」
森田「大丈夫....大丈夫だから....」
少しだけ、ほんの少しだけ、息の間隔が間延びした
肩の力が抜けて、首ががくんって落ちる
私は慌てて支えて背中をさすり続けた
田村「ひいちゃん....ごめ....ん、」
森田「まだ喋らんで...苦しくなっちゃう...」
田村「手....にぎって....」
夢の中にいるみたいだった
頭がぼーっとして、携帯から聞こえる声で現実に引き戻される
松田『ひかる、保乃ちゃんおった?...もしもし、ひかる?』
森田「まりな....っ」
松田『えっ、どんげした?今どこ?』
森田「ほのちゃん....倒れとって....過呼吸で、非常階段....3階の....いまは...落ち着いたっちゃけど...っ、」
声が途切れ途切れで涙が止まらない
なんとか伝えるとまりなの声がすぐに返ってきた
松田『わかった、すぐ行くからそんままでいてね』
しばらくして、階段を駆け下りてくる足音が聞こえた。天ちゃんはぐったりしてる保乃ちゃんを抱き上げてそのまま救護室に運んだ
松田「ありがとね、ひかる....びっくりしたね」
森田「....うぅっ、.....」
松田「よしよし...ひかるもちょっと休もっか。歩けそう?ゆっくり行くから辛くなったら言って」
少し休んでレッスンに戻ったけど、音が流れても体がついてこない。
非常階段の冷たい空気と、あの呼吸の音だけが頭に残って、何もかもが空っぽだった
…… ᴛᴏ ʙᴇ ᴄᴏɴᴛɪɴᴜᴇᴅ
あ、これで終わらないので。まだ続きます
(書いてて思ったのですが、森田サンの博多弁はいつ出るのでしょうか。楽屋では・・・同期といると・・・ってプロ意識高すぎますよ。訛りくらい聞かせてくれてもいいのに🫣💞)


