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電気を落とした部屋にエアコンの微かな音だけが残る。明日は朝早く起きなきゃいけないのに珍しくなかなか寝付けない
原因は大体わかってる
隣のベッドで眠る唯衣ちゃんが、どこかに行ってしまうような気がして
最近の唯衣ちゃんを見ていると今までにないくらい楽しそうで、嬉しいけど少し寂しくもあった
特別な根拠なんてないけど、今日はそれを強く感じてしまう
武元「.....まっちゃん起きてる?」
松田「うん、どした?」
武元「隣入っていい?」
松田「いいよ」
ベッドが少し軋んで、背中にぴったり体温が重なる。唯衣ちゃんが普段こんなふうに甘えてくることなんてなかった
武元「ごめんな、明日早いのに」
松田「うちも寝られんかったしいいよ」
「唯衣ちゃんも寝られんと?どした?」
武元「.....なんでもない」
そう言いながら唯衣ちゃんは身動ぎして腕に力を込める
やっぱり人の温もりってすごい
少し高めの体温は今まで1ミリも来なかった眠気を誘った
武元「まっちゃん」
松田「んー....?」
武元「テセウスの船わかる?」
松田「テセウスの船?聞いたことあるかも」
武元「船、あるやん?その部品が全部変わって新しくなってもその船は同じ船か、って問題」
松田「へぇ.....」
ぼんやり聞きながら背中越しの温もりに意識が引っ張られる
武元「まっちゃんどう思う?」
松田「同じじゃない?」
「変わったのは部品だけで乗せてる物とかは一緒でしょ?全部繋がってるし」
武元「見た目も違うんやで?」
松田「....うん、同じ」
唯衣ちゃんはなんでそんなこと聞くんだろう
武元「眠くなった?」
松田「んー....よく分かんなくなっちゃった」
武元「そっか」
「じゃあさ、それが唯衣でも同じこと言ってくれる?」
松田「えっ......唯衣ちゃんの中身が変わってもってこと?」
武元「うん」
松田「.....同じでしょ、唯衣ちゃんなんだから」
武元「愛してるよ.....里奈、」
松田「んー.....りなも....」
半分眠りながら適当に返した
レッスン終わりのスタジオ
人がはけたあと呼び止められた
「松田、今から会議室来れる?」
松田「はい」
「武元から話がある」
空調の音だけ聞こえる会議室で背筋を伸ばして座る唯衣ちゃんは、どこか初対面の人のようによそ行きの表情をしていた
武元「次のシングルで、櫻坂46を卒業します」
Fin.
えー、つら
じゃ書くなよって話なんですけども。
〝今が一番楽しくて幸せ〟唯衣ちゃんがそう思える日常がずっと続きますように
とっても素敵なライブでした

