リクエストありがとうございます!
※微嘔吐描写
夜中、ふっと目が覚めた
隣では保乃が静かに寝ている
規則正しい寝息が聞こえて、部屋はやけに静かだ
布団を押しのけてゆっくり上半身を起こす
ここ数日は決まって同じだった
みぞおちの辺りから何かが込み上がってくる感覚で、夜中に目が覚める
藤吉「きもちわる....」
唾を飲んでやり過ごそうとしてキュッ、と喉が閉まる。このまま飲み込んだらそのまま全部戻してしまいそうで
じわっと増えていく唾液をどうすることもできなくて、舌の置き場すら分からなくなる
あ、これだめなやつだ____
反射的に片手で口元を覆ってベッド下のごみ箱を探った
袋が擦れる音がした瞬間、さっきまで何とか抑えていたはずのものが一気に喉の奥までせり上がってくる
藤吉「ぅ、っ....」
胃液と、ほとんど空になったはずのものが乾いた音を立てて袋に落ちる
もう何も出ないはずなのに、波みたいに何度も込み上げてきてその度に喉が勝手に動く
藤吉「.....っ、は.....」
ごみ箱の縁に手をかけたまま力が抜ける
その音でとなりの布団が動いた
田村「かりんちゃん....?」
寝ぼけた声を聞いて後悔する
さっき、少しだけ大丈夫だと思ったあの間にトイレまで行けばよかった
田村「えっ、大丈夫?」
藤吉「....ごめん」
田村「急に気分悪くなったん?」
藤吉「うん....」
田村「お腹痛い?他しんどいとこある?」
藤吉「ただの寝不足だから気にしないで」
田村「大丈夫ちゃうやろ...最近食べへんくなったのもそのせい?....なんで隠してたん?」
責めてるわけじゃないのは分かる
でもその言葉を聞いているのがしんどかった
袋の口をきつく縛って逃げるように寝室を出る
玄関の鏡に映った自分の顔は酷い顔色だった
藤吉「なんでこうなるんだろ....」
分かってる
ストレスだってことくらい
でも言ったってどうにもならない
重い足取りで寝室に戻ると保乃はまだ起きていた
ベッドの上で膝を抱えて私のことを目で追う
藤吉「保乃、寝てていいよ」
「起こしてごめんね」
田村「....明日病院いこ、夏鈴ちゃん」
藤吉「だから大丈夫だって、笑」
田村「おねがい。事務所には保乃が言っておくし一緒に行くから」
藤吉「やめて」
被せるみたいに言ってしまう
保乃が少し驚いた顔をする
藤吉「じゃあさ、『暫く休んでください』って言われたらどうする?」
田村「....」
藤吉「この期間に休める?」
自分でもわかるくらい、声が尖っていく
藤吉「無理でしょ、」
「何言われたって状況変わんないよ」
部屋が静かになる
それから、保乃がゆっくり口を開く
田村「....もし保乃が同じことになったら夏鈴ちゃんは放っておく?」
藤吉「え、?」
田村「食べなくなって、どんどん痩せて、夜中に戻してるって知っても『気にしなくていいよ』とか言える?」
藤吉「それは....ずるいじゃん」
田村「一緒やで。忙しいからって体調誤魔化していい理由にはならへん」
納得はしてる
でも、どうしたらいいかが分からない
こうなったのも、全部自分のせいで。
これを上に伝えたらなんて言われるかなんて考えなくてもわかる
そんな私の気持ちを察したのか保乃はさらに続ける
田村「グループのことはみんなで考える。お仕事も保乃が支える。でも夏鈴ちゃんの身体支えられるのは夏鈴ちゃんだけやろ?」
藤吉「....」
田村「もっと自分の身体大切にして」
「ほら、もう寝よう」と布団を捲られ、とくに何も考えずに布団に横になる
....やっぱり保乃には敵わない
今まで何回もあった
頼りすぎてるって思って、距離置こうとして。
そうすればするほど保乃はもっと近くなって。
もし、保乃がいなくなったら____?
もし、私のそばから離れたら____?
私は少しだけ保乃の方に寄る
すると保乃は何も言わずに肩に手を回してきた
藤吉「ほの....離れないでね」
田村「離れへんよ」
「ずーっと夏鈴ちゃんの隣にいる」
そのまま背中のぬくもりに包まれながら
私はゆっくり眠りに落ちていった
Fin.
最近あまり投稿できておらず申し訳ないです....
春休みに入ったので沢山あげられるように頑張ります💪🏻
【追記】
テーマを期別にしてみました!
よかったら使ってみてください〜



