2店舗を1つとして見たら、、、あれ?俺たちマーケット・リーダーだ!

・・・そうすると戦略がまた変わってくるな。。。」

ぱっと晴れやかな表情を浮かべる店長たち。その眼には「やれそうだ!」という自信がみなぎっていました。大きく頷くK本部長。

マーケティング研修の一コマ。商圏における自社のポジショニングとターゲットを考えていたところです。今回は駅前の商店街に2店舗でホールを運営している会社での話です。

この2店舗はなんと互いに隣接して建っています。築20年を過ぎやや老朽化が進み、300台くらすの小規模店舗ながら、地元密着、ずっと地域のお客様に愛されてきました。

しかし、同じ会社でありながら、今まで2店舗の店長がそれぞれのやり方で営業を行っており、互いの連携はほとんど無し。しかもマーケティングの基本的な考えも理解しておらず、例えば「4Pって何ですか?」という状況。営業スタイルは所謂KKD(勘と経験と度胸!)。今までこうやってきたからこうやってます、そこには理論やセオリーはありません!という典型的な昔のホールさんです。

今回のマーケティング研修では基本的なセオリーを学び実地に活かすという主旨で、研修最後は現場の課題を扱うアクションラーニング方式で進めました。その中で分析を進めていった結果、彼らは自分たちで冒頭のように気づいていったのです。

既に取り組んでらっしゃるところからすると今さらかもしれません。しかし、最後にK営業本部長が仰ってました。

「マーケティングの本を読んでいても、パチンコ業界になかなか応用できなかったんです。ランチェスター戦略も同じです。読んだんですけどね結局それで終わってました。

今回こうやって整理して学べたし、それを共有できたのはすごい大きいですね。」

皆さんにもこういったことは無いでしょうか?

●難しいマーケティングの本を読んでも結局良く分からない

●易しい本を読んでも、内容は分かるけど現場で使えない

●店長それぞれがそれぞれのやり方で経験をもとにやってるだけ

どの企業にご訪問しても同じような声を聞きます。多くのホールはまだまだKKD(勘と経験と度胸!2度目!)による営業を行っている現状かと思います。

私たちは

●マーケティングのセオリーを学んでいただくこと

●学んだことを実際の営業へ落とし込むこと

●仕組みへ落とし込み管理する仕組みを構築すること

●共通言語と共通の仕組みの中で相互に指摘し合える土台をつくること

を重視して取り組んでいます。

今回のマーケティング研修でも店長の皆さんには大きな気づきを得ていただけたかと思います。これから仕組みへの落とし込みを全員参加で行っていきます。オリジナルの最強ツールをもとに結果を出している店長たちの姿が明確に描けそうです。

やってほしい事を評価する?

やってる事を評価する?


とある企業での人事制度設計プロジェクトでのこと、現場の責任者である店長を中心に一般スタッフの評価項目を作っていたところこんな話になりました。


一見なんでも無い問題のように見えます。やってほしい事を業務として振ってる訳ですから、やってほしい事とやってる事は同じになるはずです。

しかし、今回のプロジェクトでは「人事制度を理念の浸透ツールとして設計する」という少々難しい課題があったのです。


こうなると全く別の回答が出てきます。

極端な話、やってほしい事を評価するだけでいいのです。

企業理念の中にある行動指針を評価項目に組み込み、会社としてやって欲しいことを伝えていけばよいのです。


「一般スタッフにとってどうなのか?ということを考えると、やってる仕事をばーっと並べたほうがいいと思う。それで、分かりやすく○×を付けてあげた方が本人の納得が高いと思う。」とプロジェクトメンバーのA店長が主張します。


一方、同じプロジェクトメンバーであるB店長は全く違う視点から主張します。

「あれもこれもと入れていくと、メッセージがボケるし、結局会社の求めるものじゃなくなっていく。しかも、絶対に必要な項目じゃなくなってくるから、ある店長はSついたのに、別の店長はS付かないとかいうことになる。それは評価に入れるべきじゃない。」


A店長は「やってる事を評価してあげたい」のです。それがスタッフの納得を生むと考えています。一方B店長は「会社が求めるものだけを入れればいい」と考えています。


B店長が続けます。

「極論、うちの理念にある「笑顔」だけ、1項目になった時にAさんは多分○×付けられないと思う。」

「それは付けられないよ。納得すると思う?一般スタッフにとってみたら?納得感が高いのはやってる業務だし、それを評価してあげた方がいいでしょ?」とA店長。それに対してB店長がさらに深く突っ込みます。

「でも、キャストにとって本当に納得がある評価というのは、会社の方針にそっているかどうかだよ。それをもとに評価して店長になった方が納得性があるし、それこそがウチの会社での成長だよ。どんなにやっても会社の方針と違うこととやってたら意味が無いでしょ?」

「・・・・・」A店長は黙ってしまいました。B店長が続けます。

「一般スタッフのやってる事とかは極論関係ない。一般的に正しいかどうかも関係ない。そう考えていくと理念だけになっていく。だってそれが会社の求めるものだから。

結局、Aさんは怖いだけですよ。逃げてるだけですよ。でも会社として付けなければいけないとなれば付けなければいけない。そういう評価を僕たちは作っていかないといけない。」

B店長は正論を言ってるだけなのでしょうか?

私は決して正論ではないと思います。私は人事制度を「人を評価するための道具」とか「給与を決定する道具」としては考えていません。

人事制度は「人を成長させる道具」であり、「理念浸透の強力なツール」になると考えています。


多くの経営者に聞かれる質問として「評価が上手くいかないんだよ、どうしたらいいんだ?」というものがあります。

上手くいかない理由にはたくさんありますが、そのひとつに評価の内容が経営者の求めるものと合って無いことが良くあります。

経営者は自分で作った企業理念をみんながやってくれることを望んでいる。しかし、評価項目にそれが入っていない。これでは一貫性が無く、メッセージが伝わりません。多くの企業でやっているのが、「一般的な評価制度」「正しい評価制度」を作ろうとしているのです。


決して間違いとは言いませんが、経営者の求めているものと違っているわけですから、違った内容で評価され、その結果上に上がってくるとなるとやはりおかしな結果になってしまうのです。


最後にA店長が納得し本音を少し言ってくれました。

「確かに。実は、自分の店が大規模店ということもありました。たくさんのスタッフがいて、簡単にかつ納得してくれるためには?と考えてばーっと並べたほうがいいと思ったんです。。。」


会社の向かっていこうとしているところ、経営者の求めているもの、それは理念にあります。それが会社として本当にやって欲しいことであり評価項目として設定すべき内容だと思います。

「『副読本渡して読んどけ。』で終わりは無いやろ。想いを伝えるとか『本気でやっていこうぜ!』とか、そういうのが無いんか?」

理念浸透プロジェクトの席上での常務の発言。シーンとなるプロジェクトメンバー。しばし重々しい空気が流れる・・・。


とある企業の理念浸透プロジェクトでの出来事です。1ヶ月ほど前に企業理念を策定し、全社への浸透を図っていくためにはどうすべきかを討議していたところ、オブザーブとして参加していたA常務から冒頭のような発言があったのです。


それまでプロジェクトメンバーで話をしていたのは、理念の解釈をまとめた副読本を配布し、それをもとに理解を深めていこうというもの。その他にも、プロモーション施策や表彰制度など仕組みの設計も行っていたが、、、議論の方向性が仕組みばかりに意識が向いてしまい、肝心の「熱」の伝達、「想い」の伝達がどこかおざなりになってしまっていたのでした。


成果の公式というものがあります。

「成果=仕組み×運用」

言い換えれば、「成果=マネジメント×リーダーシップ」。

これは人を動かし、組織を動かしていくときに非常に重要な公式だと思います。

例えば、今回の「理念の浸透」。普通、理念の浸透策として考えるものとしては、理念カードやポスター、ハンドブックなど所謂プロモーション施策、他にも朝終礼での唱和、勉強会、表彰制度、理念評価、作文コンクールなど仕組み作りもあります。これが公式で言う「仕組み」であり「マネジメント」です。


しかし、どんなに素晴らしい仕組みを作ったとしてもそれを運用する人のコミットメントがなければ期待通りの成果は上がりません。極端な話、仕組みは100点でも、運用、つまりリーダーシップが0点だと「100×00」、つまり成果は0点となります。


冒頭の常務の言葉はまさしくこのポイントを突いた発言でした。常務の発言が無ければ恐らくいろいろな仕組みを作って満足し終了していたでしょう。

「仏作って魂入れず」

素晴らしい仕組みは出来たけれど魂が入っていない、決意が無い、こんな状況にならないように心がけていきたいと思います。


ちなみに、プロジェクトメンバーはその後「熱唱会をやろう!」という結論を出しました。現場の管理職を一堂に集め、プロジェクトメンバー自らが自分の言葉で語り、「一緒にやっていこう!」と想いを伝える。そして最後には皆で理念を唱和し一致団結して締めようというもの。この熱唱会の企画が決定したとき、メンバーの目は輝いていましたし、そこには常務の求めいた決意や熱があったように見えました。理念浸透の第一歩として、この熱唱会はきっと上手くいく、そう感じた瞬間でした。