こんにちは、訪問ありがとうございます。
今回は、ちょっと数学問題をはさみます。
貧富差の連載記事は。近日中に書きます。
今回の数学の問題のラストにあった問題です。
100点中の5点問題だったみたいです。
中学3年生の中間試験の問題にしては、難しすぎると思いませんか?
100点がどうしても欲しい長男くんは
他の見直しなどを最小限にして
果敢にこの問題に挑戦したようです。
問題
a<b<cを満たす3つの実数a,b,cに対して
xに関する方程式
2(x-b)(x-c)-(x-a)²=0 の2解α、β(α<β)とa,b,cを大小順に並べよ。
彼のやり方は
xの2次方程式とみて、
判別式D>0
という方針にしたようです。
重解ではなく2解なので=なしです。
2x²-2(b+c)x+2bc-(x²-2ax+a²)=0
x²+2(a-b-c)x-a²+2bc=0
D/4=(a-b-c)²-(-a²+2bc)
=a²+b²+c²-2ab+2bc-2ca+a²-2bc
=2a²+b²+c²-2ab-2ca
=(b-a)²+(c-a)²>0
となり、D/4は常に0より大きいですね
α=(-a+b+c)-√D/4
β=(-a+b+c)+√D/4
計算ゴリ押しなら次も試してみるでしょう。
2a²+b²+c²-2ab-2caをaの2次方程式とみて
f(a)=2a²+b²+c²-2ab-2caが常に0より大きいということは
f(a)=2a²+b²+c²-2ab-2ca
は実数解をもたないということになり
判別式が0未満ですね
範囲を限定できるかしら?
とやってみると
f(a)=2a²-2(b+c)a+b²+c²
判別式D/4<0
(b+c)²-2(b²+c²)<0
b²+c²+2bc-2b²-2c²=-b²-c²+2bc<0
b²+c²-2bc>0
(b-c)²>0
これは常に成り立ち、なんの範囲の限定もできず。
あれあれ?!っと。
下記では
a<b<cを満たす3つの実数a,b,cなので
b-a>0
c-b>0
c-a>0
を使います。
では、ちょっと予想たてると
たぶん、大きいβはcより大きいのではないか?
なので、引いてみると
β-c=b-a+√D/4となりこれは0より大きいですね
β>cが成り立つ
D/4
=(b-a)²+(c-a)²
はです。
αとaの大小ですが
α-a=-2a+b+c-√D/4
=(b-a)+(c-a)-√D/4
(b-a)+(c-a)>0
√D/4>0
(b-a)+(c-a)と√D/4をどちらも二乗して大小をくらべると
(b-a)²+(c-a)²+2(b-a)(c-a)
と(b-a)²+(c-a)²では
(b-a)(c-a)>0より前者が大きい
よって
α-a=(b-a)+(c-a)-√D/4>0
α>a
b-α=b-(-a+b+c)+√D/4
=a-c+√D/4
-(c-a)の二乗と√D/4二乗を比べると
(c-a)²
と(b-a)²+(c-a)²
で、後者が大きい
従って、
l-(c-a)l<√D/4
より
b-α>0
ということであり、
b>α
答えは
a<α<b<c<β
これをこのようにして解いたというのですよね。
短い中間試験のなかで良く考えたなと思います。
2(x-b)(x-c)-(x-a)²を
g(x)=2(x-b)(x-c)
h(x)=(x-a)²とすると
g(x)=h(x)のときは図を書くと
上記のようになり
答えはa<α<b<c<β
ですね。
細かいこと書くと、
h(x)は下に凸のグラフで頂点aを過ぎると
単調に増加する。
g(x)も下に凸のグラフで、頂点(b+c)/2までは単調に減少し、
頂点からは単調に増加する。
グラフのように
h(x)の2次の係数は1、g(x)の2次の係数は2であることから
0=h(a)<h(α)より
a<α
α<βより
α<(b+c)/2<β
h(α)>0であり、
=g(α)>g(b)=0
短調減少であるからα>b
h(β)=g(β)>g(c)=0
よってβ>c
大学入試ならこれくらいは書かないといけないかもですね。
先生はこうやって欲しかったのかも。
これは、一橋大学の過去問のようです。
まあでも、時間内にゴリ押しで解けたんなら
かなりの計算力とスピードだと思います。
私、計算ゴリ押しで1時間くらいやってしまいました。