こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

リアルな小児科救急の今回から本編なのですが

 

私(2次病院の小児科専門医)のリアルな気持ちを記事にします。

 

電子カルテで、

救急外来の患者数を確認すると、

そこに患者氏名と年齢がありますから

(受付科は救急外来科)

年齢が小さい子は私の担当って感じです。

 

患者数が20名もたまると

来た患者さんを順番にみている研修医だけでは

終わりっこありませんから

私の出番ですガーン

 

いやいやな気持ちながら、仕方なく行きます。

 

行くと、待ってましたと言わんばかりに

看護師さんが

小児科の受付票(問診票)をどさっとすべて持ってきます。

 

やるとなると、覚悟を決めて

真剣に診療開始します。

 

まずは、電子カルテをあけて、

「受診記録をぱっとみます」

 

これは、

例えば数日内に、小児科外来に受診がないかとか

私を含めて、慢性疾患外来でfollow中の患者さんとかでないか

をcheckします。

 

前回履歴などですぐ確認できます。

 

たとえば、全くの初診の場合は、

単に夜間救急に来た一期一会的な患者さんですから、

 

入院が必要そうでなければ、

速攻で帰ってもらいます。

 

まずね、患者さんが入ってくる状態から私はよく観察します。

 

3歳児くらいの子が母に抱かれて受診したら、

その表情、呼吸の仕方、ぐったり度など、

「結構、見た目で重症度って判断できるんです」

 

ケロッとしていそうな患者さんが

例え40度で受診しても

明らかに苦しそうな様子がなくて、

 

発熱が1日程度なら(問診票に書いてある)

 

もう、診察(聴診やのどをみる)などする前から、

 

ああ、この患者さんは「明日小児科で十分だな」

 

と、患者さんが入室して椅子に座るくらいの間に

 

ぱっと思ってしまいます。

 

それでも、なんか異常がないか

診察をする訳です。

 

もう一つ、私は良心的な方だから、

母が救急外来に何を望むかも尋ねます。

 

熱など何日前からか一応聞いて

咳、鼻などどの程度が聞いて

 

「どの症状が一番気になって受診されたんですか?」

 

咳がひどい

 

といえば、

 

咳止めなんか飲んでも、まあ大して効かないんだけど

 

「肺炎や喘息の音が入ってないため

今は、問題ないので、咳止めを出しておきますね。

明日また、咳がひどければ、明日またかかりつけ医を受診してください」

 

で、解熱剤も忘れずに出しておきます。

解熱剤忘れると、深夜帯に解熱剤が家になかったなんて

救急外来に来る人がいるから、

必ず出すことにしてます。」

 

そして、もう一つ大事なことは、

後で悪くなることがあることを予想して言っておくことです。

 

なんでって、

咳なんかは夜にひどくなるものなんです。

喘息、クループ、咳がひどくてねれない

なんて深夜2時とかに戻ってきたり

咳がひどくて受診する人なんてたくさんいるから、

 

一言、「今は問題ないのですが、咳は夜の方がひどくなることが多いです。

呼吸が苦しそうな状態になってこなければ大丈夫なので、

様子見てください」

 

って言っておくだけで、

帰宅後、咳が出ていても、様子みてくれます。

 

正直、

こんなことくらいで夜間来ないでよ、なんて思いますが

 

診察時間なんて3分もあれば、

これくらいの人は片付きます。

 

体重見て、粉かシロップか好みを聞いて

セットになっている風邪薬から

選びだけで簡単に処方できます。

1日分ですけど。

 

まあ、椅子につくまでに8-9割くらい診断してますからね

残り1-2割を聴診、のど、場合によっては耳の視診などして

問題ないなと、確定するわけです。

 

正直なところ、

初診で救急外来に来た患者さんは

入院が必要、もしくは場合によっては入院かも?

なんて思わなければ、すぐに1日分処方して終わりです。

 

たとえ待ち時間が1時間でも、

入室から、診察室出るまでに

3分もかからないで終わってしまうことが多いです。

 

そんな風で、10人くらいをバババットみて、

小児科患者さんを片付けたら、

医局へ逃げ出します。

 

しばらくしてまた溜まったら見にいくという感じで、

ずっと救急にはいません。

 

外科の先生はほとんど現れず、研修医に見せっぱなしだし、

内科医の先生もずっといる人は少なく

溜まればおりて来るといったことがほとんどです。

 

または、救急車がくるときは

その科の当直医

が必ず呼ばれます。

 

また、次回へ