こんにちは、訪問ありがとうございます

 

前置き

私は小児科はしてないので、

ふだんは、風邪や喘息などで受診される患者さんは

私のクリニックにはいません。

 

以前は、小児科やってた続きで

このあたりの田舎では

食物アレルギーの負荷試験を出来る医師がいないので、

あまりしたくないのですが、

私がちょこちょこと継続してやっています。

 

こんなこと言うと、愚痴になりますが、

小児科医であれば、食物負荷試験をすると

加算が1万円もらえますが、

私が食物負荷試験しても、

小児科医が風邪の患者さんを一人みるよりも

お金になりません。

960円です。

例え、3割負担でも、320円の患者負担です。

 

小児科を標榜していると、小児を見ると手厚い加算が取れるのです。

 

だから、

小児科医でもない内科医が、

小児科を標榜することはよくあります。

 

内科、小児科、皮膚科、アレルギー科

などたった一人の医師が、

だいたい好きに標榜出来るのが日本の医療です。

 

私は現在、小児科を標榜しておりません。

 

ここ最近、調子よく食物負荷試験していて、

ここ半年間でじんましんが数回出たくらいでした。

(追記:そう思っていましたが、実際は違ったようでした)

 

しかし、直近2回連続で、アナフィラキシーの一歩手前まで行って

あら~、なんか、調子よくないわ、、、、と思っていました。

 

負荷試験を年に多いと100件くらいしている私の感覚では

1番多いのは、じんましんです。(当たり前)

 

じんましんは出る直前になると「痒み」が先にでてきます。

負荷試験して、急に、体を書き始めたら、じんましんの前兆のことが多いです。

 

こんなこと書いている成書を見たことないけど、

蕁麻疹の前に痒みが先に出ます。

 

次に多いのは「嘔吐」です。

ほとんど、単発の嘔吐です。

数回でるとやや重症です。

1度だけ経験ありますが、アナフィラキシーとなる重症な消化器症状は

嘔吐が「おぇぇ」「おぇぇ」「おぇぇ」「おぇぇ」「おぇぇ」、、、、と繰り返し

止まらなくなります。その時は、焦って、アドレナリン禁注したらすぐ良くなりました。

 

これを経験しているので、単回の嘔吐や、2~3回の嘔吐はびびらなくなりました。

 

3番目に頻度ですが

重症度が比較的高く、やっかいな症状が

「咳」「喘息発作」などの呼吸器症状です。

 

ウイルス感染など風邪が原因となる「気管支喘息」と比べて

食物アレルギーによる喘息発作は、

私の経験上は吸入や内服に反応して軽快しやすいです。

 

食物アレルギーにおける「喘息発作」は

まず、軽い咳から始まります。

 

これも成書に書いてないんですよね。

 

食べた後に、コンコンと軽い咳をがでていると

「あれ?!」

と思います。

それで5分、10分後には喘息発作(呼気性喘鳴)がでて、

咳が増えてくることが多いです。

 

コンコンした普通の風邪のような咳ならいいですが、

 

のどにくると、吸気性喘鳴がでてきて、

犬、オットセイが吠えるような咳が出てくることがあります。

 

のどが腫れて、呼吸が苦しくなるとアナフィラキシーです。

 

アナフィラキシーには

単一臓器の症状が重症であればアナフィラキシーであるだけでなく、

複数臓器の症状が合わせて出てくると、1つ1つが重症まで行かなくてもアナフィラキシーと

診断する場合があります。

 

臓器症状として「皮膚」⇒じんましん。痒み

「消化器」⇨嘔吐、腹痛

「呼吸器」⇨咳、喘息発作、クループ

などといった感じです。

 

呼吸器症状は軽い、なんでもない咳から、

より重症度の高い「喘息発作」

のどにくると、「クループ」

急速にのどが腫れると、呼吸が出来なくなる恐れがあり、怖いです。

 

「血圧」⇨さがるアナフィラキシーショック

も過去に1例経験しています。

 

私がアナフィラキシーに遭遇するのは年に1回程度ですが、

ここ7-8年では、食物負荷試験のみの経験でした。

10年位前まで遡ると、救急外来でアナフィラキシーを何度か見たことがあります。

(都会の救急病院でしたので、、、)

 

食物負荷試験では、

心の準備ができているのと、

最初はまったく無症状だったのが、

見ている間に症状が進行してくるため

診断が食物アレルギーで間違いがないといえます。

 

長いですが上記が前置きで

 

6/16、外来が終わる30分前に

患者さんもあと3名くらいで

今日ものんびりとおわりそうだなー。

と安心しきってぼけぼけとのんびりやっていて

 

今日も時間通りに、定時に帰るぞ〜

 

なんて思っていたのですが、

 

夕方、保育園に迎えに行ったら、

咳がでて苦しそうな2歳児が来院した。

と受付から、話が入ってきました

 

私、「は?!」

ここは、小児科ではないよ?

咳でくるとかないでしょ〜

と、イラったきたのですが、

なぜ。私の元へやってきた?!

 

(私のクリニックでは、風邪ひいて

微熱があったり、咳や鼻汁がだらだらの児は、

受診しないでくださいとしてあります。

コロナウイルス対策の1つです。)

 

と、一瞬、おいおい、うちにくる患者さんでは無いだろ〜と

思っていましたが、

 

苦しそうな1歳女児を見捨てる訳も行かず、

順番を飛ばしてすぐに呼んでみると

 

ぐったりして、元気がなく

1~2m離れていても、喘鳴が聞こえてきて

ハーハーと呼吸が速そうな、

明らかに調子が悪い女児が現れたのです!

 

一見(数秒で)で、重症度を見極めることが出来るのが、

医師なのです。

 

いや、これ、残り30分しかないし、

小児科でないんだよ、、、、、、、

ええええ!?点滴や入院コースじゃ無いの!?これ!?

コロナなど呼吸器感染だと困るし、

どうして、うちにやってきたのだ~?!

と、一瞬にて平穏な日常がこわされた私は、

「うわわわぁ、きいてないよ〜」

と取り乱しそうになり

 

緊急事態が起こったことを悟りました。

 

次回に続きます。