こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

良い医師の条件って、色々な種類があると思うのですが、

私が考える1番条件は、

 

「患者さんを思いやる気持ち」

だと思うのですよ。

 

患者さんへの思いやりが足りなくて、口がわるい

腕は良い外科医

 

と、

患者さんへの思いやりがあって優しいけれど、

腕は普通の外科医

 

だったならば、

腕は良い方がいいのは当然ですが、

 

圧倒的に人気が出てトラブルが少ないのは

後者です。

 

腕が良くたって、患者さんのことを思いやれずに

好きなように振る舞い好きな手術しかしない外科医より、

 

患者さんの事を思いやって、患者さんに寄り添い

患者さんの望むような手術をしてくれれば、

満足度は高いです。

 

もう、本当に、

患者さんの事を思いやれない馬鹿医者が多くて、

腹が立ちます。

 

でべそ(臍ヘルニア)の赤ちゃんが私のところの来たのです。

2ヶ月の女の子です。

 

看護師のお母さんで、

勤めている二次病院の小児科医には、

 

デベソだからって、問題ないでしょ。

アイドルにでもさせる気なの?

 

なんて言われて、悲しくなったというのです。

これ、実在するからね。こんな事をいう小児科医が、、、

 

1歳まで放っておけば、治りますよ。

と言われたけど

実際は徐々のデベソが大きくなってきていて

心配は募るから

 

母は心配で

他の小児科医に行くと、

何もしないで放っておけば、自然に治る

 

って言われ、ましたと。

 

いやあ、だからだんだんデベソ大きくなってきているのよ!?

放っておけば治るなんて本当なのかしら?

と、不安に思ってくるのは当然です。

 

症状が軽微で、医学的には大きな問題ではないとしても、

「患者さんを思いやる気持ちや、共感する能力」

が低いような医師は、

良い医師とはいえないのです。

 

それで、私のところに来たわけです。

 

まずは、

母親の心配を聞いてあげなさいよ!

ってところです。

 

綿球を出ベソに押し込んで、

出臍を完全にひっこまして

防水テープで蓋をすると、

早ければ1週間

ほとんどの場合は2ヶ月以内で治ります。

 

5%程度はしても治りません。

それは、はっきり言います。

私のいう事を聞けば、絶対大丈夫

なんて事は、言ってはダメです。

絶対はないからです。

 

ただ、もし本当に治らなくても

放っておけば良いと言われたりするより、

やるだけの事はやっておいた方が、

患者さんとの信頼関係は築けますね。

 

実際にデベソも小さい子は、放っておけば自然に治ることも良くあります。

 

デベソが残ってもそれほど問題はないのですが、

臍ヘルニアに「圧迫療法」をしているところと、

そうでないところだけでも、

医師の考え方が透けて見えるというものです。

 

少しでも、患者さんに寄り添える治療を努力する所と

大したことないから、放っておけば大丈夫という考えの所

 

臍にテープ貼っても、まれにかぶれるくらいで害はありません。

 

有益性より有害性の勝る治療法などを

して欲しいと言われたら、

ただ優しくすればいいってわけではないけど。

 

風邪の乳幼児に抗生剤を投与するのは

有益性より有害性が勝るので、

私にはジレンマだった、、、

 

私自身、若い頃よりは

思いやり

共感力

優しさ

など身についてきましたが、

 

私が教わった、

部長先生たち

水野先生や浅井先生といった

大先輩たちにはまだまだ到底知識も、優しさも及びません。

 

本当に、神がかり的に優しい先生いるからね。

 

私が、嫌な顔して見ていた、

夜の救急外来に熱だけで連れてくる、

母子家庭の、夜の仕事をしていると思われる

派手な化粧と、強い香水の匂いを漂わせたお母さんに、

 

笑顔で、また夜中だって良いから

いつだって調子悪い時は連れてきていいからね。

 

といえる程、成長してません。

 

ただ、どうしてそう言えるかは、

当時は理解できなかったですが今は理解できます。

 

日中連れて来られないんです。

シングルで育てるために夜の仕事をしたりして忙しくて。

 

日中に寝てないで午前の外来に連れて行けよって思いましたが、

 

そうやって、家庭の事情で

なかなか昼間に連れて来れなくても、

連れて来れる時間(下手すると未明の4時とか)

診てあげて、いつでもまた連れて来ていいんだよ

って、子供に対してだけでなく、母への優しさと、共感力に

満ちた先生たちだなと尊敬します。

 

あーでも、そういう先生たちってごく稀です。

大半は、こんな時間にこれくらいで連れて来ないでねって

いう医師が多いです。

 

私も、まだまだ、自分を磨いていかないと

いけませんね。