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これまでの記事

その1 発熱

その2 治療が必要な発熱

その3 下痢 嘔吐

その4 気管支喘息

その5 便秘

その6〜8 学校伝染病(保育園、幼稚園の感染症)

 

今回はその9

 

「これって、保育園(幼稚園)に行って良いの?」

第3種感染症についてです

 

よく流行るものに限定しています。

○腸管出血性大腸菌「医師が感染の恐れがないと認めるまで」

大腸菌は、その名の通り、大腸にいる菌です。

だから、食道ー胃ー小腸(十二指腸ー回腸)ー大腸

肝臓ー胆嚢(胆管)ー十二指腸ー膵臓

と繋がっていますので、

ようは、内臓に、大腸菌はいます。

 

肉といえば、筋肉ですが、

筋肉には、大腸菌はいません。

 

ロース、サーロイン、ヒレなどは、本来は菌がいない部位です!

ですが!!!!

生食はすべきではありません。

 

なんと、まな板や包丁が、内臓肉を切った後であれば、

食中毒菌に汚染されているかもしれないからです。

 

例えば、ヒレ肉を焼いて食べようとします。

 

○表面をしっかり焼けば、切った中に血がついていて生であっても

食中毒になることは、ほぼほぼありません。

 

レアステーキは大丈夫です。

 

これが、内臓肉ミンチで作ったハンバーグだとそうはいきません。

中心までしっかり加熱が必要です。

 

基本は75度1分以上です。

(ノロウイルスは85度1分以上)

私は調理温度計を使って確認してます。

 

腸管出血性大腸菌O157

サルモネラ菌

カンピロバクターなどは、

10個から100個程度のごく少量の菌数によっても発症することが分かってきました。

 

菌は、条件次第では、1時間も経たないうちに、2倍になり、

時間が経つごとに4倍になり、8倍になりと

倍々に増えますから危険度は格段に高くなります。

 

夏場のBBQや

暖かい室温で置かれた肉(焼肉屋ですぐに食べない肉)

保存状況が悪くかなり危険度が増えます。

 

⭐️生肉を触った箸やトングで焼いた肉を取るのはNG!

 

⭐️早いものがちみたいな感じでよく焼かずに食べてしまうのはNG!

 

⭐️生肉を手で触ってしまうのはNG

 

⭐️生肉を切った後に野菜を切る時は良く洗う。

私は手順が悪くなっても、野菜を切り終えるまでは肉をまな板で切らないようにしています。

その方がまな板を洗う回数が減りますし、衛生的です。

 

⭐️BBQなどでは、肉を処理するまな板と、野菜を処理するまな板を分けないと、

危険です。

 

⭐️大人より子供は、少量の菌で食中毒を発生します。

 

⭐️衛生的でない、居酒屋でサラダを頼むと、食中毒になることがあります。

我が子はこれで、カンピロバクター腸炎に罹患しました。

腹立たしいです。

 

⭐️焼いた後の肉もなるべく早く食べる事。(BBQ時など)

 

○急性出血性結膜炎「医師が感染の恐れがないと認めるまで」

 

 

 

 急性出血性結膜炎(AHC)は、主としてエンテロウイルス70 (EV70)とコクサッキーウイルスA24変異株(CA24v)の二つのエンテロウイルスによってひきおこされる、激しい出血症状を伴う結膜炎である。

 

時には大流行を引き起こすことがある危険なウイルス感染症です。

大流行がないときには発生の 特別な季節性はみられない。

年齢は広範囲にわたるが、6〜7歳以下、特に1〜4歳に多く、

ときに 20〜30歳代にもやや多くみられている。

 

感染予防には流水下で手指 を石鹸で十分に洗うこと、

タオルなどの共用を避けることが重要であり、

ウイルスで汚染した器具や物品の消毒には、

煮沸と塩素剤(オーヤラックス、家庭用塩 素系漂白剤など)が用いられる。

 

 

第3種その他の感染症

○溶連菌感染症 「適正な抗生剤使用開始後24時間以上を経て全身状態が良くなるまで」

小児の感染症で、抗生剤が必要な細菌性の感染症では最多でしょう。

 

インフルエンザ桿菌b型や、肺炎球菌は、鼻腔にはすみつくことが多いですし、

中耳炎の時に膿を調べれば検出されますが、

所詮は、常在菌。

抗生剤で、全滅させることは不可能で、耐性化が進む一方です。

 

どうしても、増えすぎてしまった場合に、菌量を減らして重症化を予防する必要は

あるでしょうが、

毎回抗生剤を出す、小児科や耳鼻科医は、ただただ、耐性菌を作っているにすぎない。

 

一方で、

溶連菌は、

現時点で、PCG等β-ラクタム系薬に低感受性や耐性を獲得した株は確認されていません。

 

ペニシリン系でもセフェム系でもこれまで耐性化が見つかっていないため、

抗生剤の投与が非常に有効です。

 

耐性化が見つかっていない。

すなわち、より狭域のペニシリン系が第一選択(ただし10日間投与)であり、

第3セフェム系を投与するより、

第二セフェム系や第一セフェム系で十分なのです。

セフェム系は5日間投与。

 

抗生剤内服が苦手でない限りは、

原則ペニシリン系投与が、

これ以上耐性菌を出現させない最善策です。

 

何も考えていない小児科医は

すぐにメイアクト、フロモックスを投与します。

(どちらも第3セフェムで、

常在する「肺炎球菌、インフルエンザ桿菌b型、黄色ぶどう球菌」

の薬剤耐性化を進行させる薬剤です。

効けば何でも良いって訳ではないのです。)

 

もう少し考えて欲しいですね。

(抗生剤は限りある医療資源なのです。)

 

今回はここまでです。

 

次回でたぶん、このシリーズは終わります。