こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

これまでの記事

その1 発熱

その2 治療が必要な発熱

その3 下痢 嘔吐

その4 気管支喘息

その5 便秘

その6 学校伝染病の登園禁止期間

 

今回はその7

 

学校伝染病

感染症についての解説です。

 

 

第1種は、「完全に治癒するまで」は登園は禁止です。

原則として、指定医療機関に入院するため、

主治医が治癒したと

みなせば登園可能です

 

第1種は

新型コロナウイルス

私は、診療経験がないのですが、

簡単にわかっていることのアドバイスを書くと、

遺伝子検査(PCR法のおける

ct値というのがありますが、

何回増幅させたら陽性になったか?

簡単に言えば、

ウイルス量が高いと、ct値がひくい

ウイルス量が少ないとct値が高くなります。

 

オミクロン株に感染した

小児、大人よりct値が低いという調査結果もあり

 

 

5歳未満では、症状が軽くても

排泄するウイルス量が多く、

他人に感染させる力が非常に強いという報告があります。

 

 

 

小児科学会HPには、小児のct値も大人と同様だった

と書いてあるのもありますね。

 

実際に、小児科で新型コロナウイルス感染者を見ている

私の友人の話をきくと、

5歳未満の児が発症すると、本人は軽くても

家族内感染が非常に高率となる

といっています。

 

父や祖母がコロナになって、

2階で隔離生活するのと比べて、

子供がなると、隔離も難しく、

ウイルス排泄も多いと家族内全員が発症してしまうケースが

多々あるそうです。

 

海外では、コロナワクチンを接種すると

重症化が減るだけでなく、

感染時のct値が上がる(ウイルス量が減る)効果も出ているようです。

 

従って、子供にコロナワクチンを打つ理由の1つは、

子供の重症化抑制だけでなく、

感染時のウイルス排泄量を下げる

また、それは発症予防にも成ります。

ことだそうです。

 

ごく簡単に説明すると

※ウイルスが侵入し感染が成立するかどうかは、

ウイルス量>抗体量(などの人の免疫力)

ならば、感染成立します。

 

ウイルス量<抗体量(などの人の免疫力)

であれば、感染成立しない。発症しない。

という事です。

 

子供は症状が軽くても、

周りの人にうつす力が強いのでは大変です。

 

こどもがかかると、日頃面倒をみてもらっている、

祖父、祖母が感染し重症化するかも

知れないからです。

 

第2種感染症

○インフルエンザ「発症後5日かつ、解熱後2日後(幼児3日後)が経過するまで」

今年も去年も激減

インフルエンザは、接触飛沫感染対策で防げる。

(予防接種だけでは防げない)

海外渡航者から日本に持ち込まれて流行する

 

来年もコロナが流行して、渡航制限などと言ってれば、

インフルエンザワクチン接種しなくても大丈夫かも知れません。

 

 

○百日咳「特有に咳が消失するまで、または5日間の適正な抗生剤による治療が終了するまで」

4種混合ワクチンの含まれています。

1〜2歳で通常予防接種を接種するのですが、

年長くらいになると、免疫が減弱して罹りやすくなります。

ワクチン接種後に、免疫が落ちて罹患しても風邪程度ですみやすいのですが、

その家庭に新生児などがいると、

新生児は、重症化しやすく、呼吸が止まってしまう場合もあるので

要注意です。

従って、海外では年長さんの時に、

百日咳ワクチン(実際は3種混合ワクチン)を接種します。

 

日本でも、年長さんでも3種混合ワクチンは推奨されています。

多分、4000円前後で接種できます。

 

百日咳は特有の連続咳嗽や気道狭窄音や

無呼吸発作で疑うことができますが

検査で証明するのは少し難しい菌です

百日咳IgMや百日咳IgA

PT-IgG (百日咳予防接種履歴とも関係)

LAMP法やPCR法で確定(実施施設が限られる)

細菌培養で証明(数週間かかる)

 

適正な抗生剤とは、

マクロライド系が第一選択で

クラリスで十分です。

 

○麻疹「解熱後3日を経過するまで」

ほとんど見かけなくなった感染症

MRワクチンは必ず2回接種すべきです。

 

○風疹「発疹が消失するまで」

ただの風邪のウイルスですが、

風疹は、妊婦さんが妊娠初期に感染すると、

胎児に奇形(先天性心疾患、白内障、難聴など)が発生する

先天性風疹症候群の原因ウイルスです。

 

風疹流行および先天性風疹症候群の 発生抑制に関する緊急提言 平成16年8月

を厚生労働省が出しています。

untitled (nih.go.jp)

 

本人は軽くても、妊婦さんに知らずにうつしてしまって、

その子が奇形児になってしまうと、大変不幸ですので、

予防接種が大切です。

 

 

○おたふくかぜ「耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫れが出現した後5日間を経過して、全身状態が良好になるまで」

 

おたふく風邪は耳下腺、顎下腺、耳下腺が腫れますが、

おたふく風邪だけが、これらを腫れさせるわけではありません。

 

他の風邪のウイルスによって、

腫れることもあるからです。

 

ムンプスIgMを測定し、上昇していれば確定と言えますが、

腫れが治りかけの頃に検査して、それから4〜5日後に結果がわかる。

感染初期は、検査が陽性化しにくいため、

治った頃にしかわからないため、

検査してくれないことが多いです。

 

そのため、おたふく風邪だという

誤診はかなり多いです。

 

有効な治療薬はありません。

 

おたふくかぜは、予防接種で予防して下さい

1歳と年長さんの2回接種が基本です。 1回5000円前後

 

おたふく風邪の予防接種を推奨します (jibika.or.jp)

 

おたふくかぜに自然に罹患すると

治らない難聴になる人は1000人に一人ほどでます。

年間に少なくても150名前後はなっていると考えられています。

無菌性髄膜炎で入院する人もいます。

精巣が2倍以上に腫れてしまう人もいます

 

それらは、予防接種をしておくことで

かなり予防効果があります。

かんがえられています

 

○水痘「全ての発疹が痂皮化するまで」

原因ウイルスは水痘帯状疱疹ウイルスです。

人に住み着くヒトヘルペスウイルス属

 

 

空気感染でうつる非常に小さいウイルスで感染力はかなり強いです。

初めてなると水痘で

神経に潜伏したウイルスが再活性化すると帯状疱疹になります。

免疫機能が弱まると、帯状疱疹が起こるため

50歳以上は帯状疱疹ワクチンを接種すると、痛い帯状疱疹に悩まされる可能性が減ります。

 

1歳未満は母親からの移行抗体で発症しにくいですが、

6か月を過ぎたあたりから移行抗体が減り、水痘になってしまう乳児もいます。

通常は1歳とその半年後くらいに2回 水痘ワクチンを接種します。

 

誰でもうつる簡単な感染症とおもっていると

実はそうではありません。

 

ネフローゼ症候群

白血病患者

など治療により免疫機能が著しく低下しているときにかかると

重症化して死んでしまう小児がいます。(年間20名程度 亡くなっています。)

 

診断:慣れた医師であればすぐに視診で診断可能

 

水痘が流行している施設や家族内での予防については、

患者との接触後できるだけ早く、

少なくとも72時間以内に水痘ワクチンを緊急接種することにより、

 発症の防止、症状の軽症化が期待できます。

 

治療:抗ウイルス薬

 

長くなったので、次回へまた続きます。