こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

幼稚園児や保育園児の保護者さんから

聞かれる相談事についてです。

何回かに分けて書こうと思います。

 

小児科外来でよく聞く1番の悩みは熱ですね。

 

Q1:熱ばかり出るけど、この子の免疫が弱いのですか?

 

答え:集団保育は感染症の巣窟です。

通いはじめたばかりでは、感染症に良くかかります。

数年のうちに感染症に対する免疫ができてきます。

免疫力は感染症を繰り返すうちに強くなるので大丈夫です。

 

私の経験上は

痩せ型の子は、ぽっちゃり型より熱の出る頻度が高い

 

鼻と耳、鼻と目が、つながっているため、

常に緑ぽい鼻水を垂らす子は、高頻度で慢性副鼻腔炎を合併する。

 

はなみずがドロドロだと、中耳炎や、結膜炎(目ヤニがでる)を合併しやすい。

 

ドロドロな鼻は、

好中球などの老廃物が入っているためであり、

それだけで、細菌感染症を示すものではない。

 

⭐️ほとんどの児にとっては、

繰り返す発熱は、集団保育による感染症によるもので、

自然に免疫がついて頻度が減るので心配はありません。

 

下記は、レアケースについてです。

 

中耳炎でもなく、咳も鼻もあまりないのに

発熱を繰り返す場合に、

重要なものの1つに

「尿路感染症」があります。

尿検査しないと診断がつきません。

 

正確な尿検査は導尿によるものが最も良いですが、

クリニックではごく一部の小児科医しかできません。

代用としてパック尿、紙コップに尿を取るという方法がありますが、

白血球が混入し、間違って尿路感染症と診断される偽陽性が

おこりえます。

 

パック尿や紙コップ尿で検査が陰性の場合は、

尿路感染症ではないと診断できます。

 

原因としては、膀胱から腎臓へ尿が逆流する

「膀胱尿管逆流症」があると、

尿路感染症を繰り返しやすくなります。

 

 

咽頭炎、扁桃炎をとくによく繰り返すこの中に

PFAPAという周期性発熱症候群という病気があります。

1〜2ヶ月ごとに咽頭炎?による発熱を繰り返します。

抗生剤など投与して数日で熱がひきますが

実際は、感染症ではなく、自己免疫疾患の一つの場合があります。

残念ながら、熱が出たらすぐに抗生剤を投与するような小児科医では

診断がつきません。

この疾患をしっていて、疑うことができる小児科医のみが

診断可能です。

よく熱を繰り返す子に中にたまにある疾患です。

おおきくなると自然に治癒することが多いです。

 

 

このほかに、若年性リウマチなど、自己免疫性疾患で

発熱する子供もかなり稀ですがいるはいます。

 

 

 

※好中球減少症など、免疫機能がおかしいために発熱しやすい子も

いるはいますが、かなりレアケースであるため

通常は心配いらない。

心配な方はこちら

 

免疫不全を疑う10の兆候

 

それと同じように、

悪性腫瘍などで発熱してくる子がおりますが、

そんな稀なことは、お母さんが心配するのではなく

小児科医がおかしいと思えば検査して調べてくれます。

 

白血病、若年生の肺がん、縦隔悪性リンパ腫、肝芽腫など、

1日外来で100名以上小児科外来をしていて、

土日夜間も365日24時間救急外来を開いている病院で、

年に1名程度は悪性腫瘍の児がみつかりました。

非常に稀です。(数万人に1人程度です)

 

幼稚園児期の長男くんについてです。

幼稚園にいって長男くんもよく熱を出しました。

 

長男くんが熱が出ても、

私は知らんぷりです。

むしろ、熱出して赤い顔して元気ないと、

うるさくなくて余計に可愛い❤️

咳出ても、鼻汁出ても、私は薬は与えません。

 

経口補水液(OSー1)でも飲ませて、お粥でも食べさせて寝かしておけばOKです。

あまり熱があると、ご飯食べないんですよね。

 

夜ぐずって寝てくれないと、困りますガーン

長男くんの事を思ってではなくて、

私が朝まで寝れるように、座薬を入れることもありました。

3時間程度しか効果ないけど、

夜は熱が下がっておとなしく寝ていてくれると助かります。

そうだね、幼稚園にいる間に座薬を5回くらい使ったかもね。

 

咳が出て、鼻が出ていても、

長男くん元気さ、呼吸の仕方で、

小児科医の私は長男くんが大丈夫か分かります🙆‍♂️

 

基本は、聴診もしなければ、薬も飲ませません。

数日もすると、妻が文句を言ってきます。

あんた、医者でしょ。なんとかしなさいよムキー

 

そうすると、聴診して喉見て、大丈夫風邪だわ。

風邪に効く薬ないから〜

とほっとくと、

風邪の症状は透明な鼻から始まりますが、

だんだん、老廃物が混じると鼻汁が粘性を帯びてきます。

そうすると、鼻汁が鼻から外に出ないで、

のどに降りていくと、後鼻漏といって、痰絡みの咳を伴うようになります、

 

喉から下方へ粘り気のある鼻が降りるので

それを排泄しようと強い咳になってきます。

 

咳は交感神経が働いているうちはそうはでませんが、

副交感神経が優位になると、咳が強くなります。

そうです、寝る時に副交感神経が優位になるために

夜に咳がひどくなるのです。

くわえて、鼻からでくるはずの鼻汁は寝ると喉に下りて行きやすくなります。

 

このコンビネーションで、夜間の咳は増えて、

咳き込んで嘔吐したりするようになるのです。

 

すると、妻が、咳き込んでつらそうだから、

薬でも飲ませてやってくれと言い出します。

 

我が家のカーストでは、妻が最上位、その次が長男くん

私が最下層です。

 

ごたくを言っても仕方ないから、

咳止めを次の日にもらってきて飲ませて、

ホクナリンテープを貼ってみました。

 

いや、全く効かないんだけど。

薬飲むのもイヤイヤだし、

飲ませても、全然聞いた感じなし。

 

やっぱ、いらないじゃん!!

私は強くそう思いました。

 

だいたい、後鼻漏や痰は排泄しないと

呼吸する道が、汚れて詰まるだけなんだから、

頑張って咳き込んでもらわないといけないじゃん。

 

風邪薬なんて私は、自分の子には飲ませない!

 

そう決めたのです。

 

で、これまで結局、カースト最上位妻に命令され

飲ませたことはありますが、

飲ませた回数は

小4、中1になった小僧たちに

二人合わせても10回未満です。

 

いらないんです。なくても大丈夫なんです。

 

あんなもの、小児科医が、適当にだしているに過ぎないのです。

小児科医は、風邪薬になんの期待もしていません!

 

まあ、発熱して咳出て、鼻汁出て

辛そうなのはわかります。

幼稚園や保育園が小児科へ行けと言うのもわかります。

 

風邪薬くらい欲しいのもわかります。

 

それでも、あえて言わせて貰えば、

ほとんど効果もなく、不要なものである

と私が思っています。

 

熱出て寝ているのが1番。

休むための熱でもあるし、

免疫細胞も活性化するし、

咳や鼻も、無駄に出ているわけではなくて、

風邪ひいて、ウイルスなどを排泄するために、咳や鼻をだしているんだよね。

鼻汁や咳、熱は体にとって必要な防御反応なんです。

 

私の手によって、長男くんは、

風邪薬、抗生剤(肺炎になったと時のみ)、解熱剤といった

薬にほとんど頼る事なく成長しましたし、

小児科へ受診したことなど1度もありません。

 

次回は治療が必要に発熱疾患についてです。