こんにちは、訪問ありがとうございます。
今回は他の先生の発表を紹介します。
神戸大学大学院医学研究科小児科学分野
こども急性疾患学部門
池田 真理子先生が書かれて、
インタネット上に公表しているのが下記のPDFです。
https://www.med.kobe-u.ac.jp/pediat/pdf/ikeda9.pdf
Fever は「発熱」
phobiaは「恐怖症」
発熱は
保育園や幼稚園に行って入り園児にとっては、
当たり前に起こる症状です。
子供の発熱を
過度に発熱を恐れることを
「熱恐怖症」と言います。
池田真理子先生のPDFから引用しますと、
発熱恐怖症は、
⚫︎こどもの体温を何度も測る(こどもの状態より熱の高さに関心が高い)
⚫︎熱が高いと重症だと思っている
⚫︎熱が高い事が病気だと思っている
⚫︎熱が高いと脳に障害が起きると思っている
⚫︎ねつさましが効かないとパニックになる
🔸熱恐怖症、アンケート調査より(米国)
37、8度以下でも解熱剤を使用した(33%)
→無意味です
🔸熱を下げる座薬を使うために寝ている子供を起こして薬を投与した(85%)
→逆効果です(注1)
🔸薬が切れ熱があがったら使用限度を超えて投与した事がある(30%)
→危険です
注1:熱を下げる効果がないという訳ではなく、
治癒するために必要な睡眠を妨げるのは、
風邪を治りにくくするということ。)
fever phobia is worse than a fever
熱恐怖症は熱そのものより悪いこと
2011年5月
米国小児科雑誌と新聞に警告が掲載されました。
どうしてかというと、
熱が出るのは体に良いことなのです
⚫︎熱は自分の体が病気に気付いたサインです
(特に小さいお子さんほど高熱がでます)
⚫︎熱は自分の体の中の戦士である白血球や酵素を
たくさん作らせ抵抗力を上げます
⚫︎熱は体がウイルスやばい菌をやっつけるための蛋白質(酵素など)の働きを活発にします
⚫︎熱はウイルスや、ばい菌の居心地を悪くします。注2
つまり、(発熱は)理にかなった正しい生体反応なのです!
注2:ウイルスや細菌には、生存や増殖するための最適な温度があり、
高熱が出る事で、最適な温度ではなくなり、増殖しにくくなります。
解熱剤を使うことによるデメリットは
⚫︎本来の病気の重症度が分からなくなる
⚫︎熱を下げても原疾患の治癒には全く役立たない
⚫︎むしろなおりにくくなることがある
⚫︎頻回使用により(副作用)肝障害が起きる 注3
⚫︎熱恐怖症が悪化する
⚫︎院内感染が増える(医療機関受診回数が増える)
⚫︎検査、診察、投薬、、、医療費がかかる
注3 本庄保険金殺人事件では、総合感冒薬とアルコールを大量に飲ませて
アセトアミノフェン(子供に頻用する解熱剤)による肝障害を起こさせています。
今回の内容はほぼ、池田真理子先生が発表している内容からの引用です。
私が以前から繰り返し書いている内容と同じですね。
全ての発熱する病気が安全な訳ではありません。
川崎病、敗血症、癌、重症細菌感染症、、、
など、重症な病気もあります。
しかし、解熱剤を使っても重症な病気は全く治りません。
発熱しているからといって熱を下げるのは意味がほとんどないよって事です。
心配な場合は小児科に診てもらう必要はありますが、
重症な病気でなく
風邪という診断ならば、
その医師の診断があっていれば、
風邪薬も解熱剤も不要なのです。
何故なら、風邪薬は風邪を治す効果がないからです。
どうして、治療効果がない薬を医師が処方するかは、
○風邪薬が不要だと説明するのがめんどくさい
○風邪の風邪薬を出さないと、出す薬がない
→薬をださないと診療した気にならない(医師も患者さんサイドも)
○かぜ薬を出しとくねが1番簡単な診療の終わらせ方だから。
ようは、説明を省いて早く帰ってもらうために
不要な薬をだしている訳です。
どうして、そんなことが言えるかっていうと、
小児科医をしていた頃の私は毎日、そうしていたからです。
時には、文書による説明をしたりしていましたが、
私は、外来の8割くらいは占める風邪の児に
風邪薬を出すのが嫌で、嫌で小児科医をやめる選択をしました。
次回は、
神戸大学大学院医学研究科小児科学分野
こども急性疾患学部門
池田 真理子先生が書かれて、PDFの続きを引用して紹介します。