こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

私が経験した、こんな患者さんは困るというのを紹介します。

 

①意外に多い、点滴信仰の患者さん。

 

熱がちょっと出ただけで、点滴して欲しいとお願いしてくる患者さん

は困りものです。

 

○何故なら、点滴するのに、子供は手間がかかるし

なかには難しい児もいます。

誰でも簡単に出来ません。

 

○点滴すると1時間〜2時間と時間がかかる。

診療時間を超えてしまうこともあります。

 

○なかには、動くと血管からずれて

手に点滴内容が漏れ出て腫れてしまう

こともあります。

 

必要な児にはやりますが、

不必要な児にはなるべくしない方が良いのです。

 

良く行う1号液 200mlの内容は、

約1gの塩

約5gのブドウ糖

200mlの水

が含まれています。

約20kcalの栄養が取れます。

 

たいしたものではないのです。

 

胃腸炎で、嘔吐を繰り返す児などは

少量の点滴でもやったほうが良い場合はあります。

 

お願いされると、

水分やゼリーなど取れるか確認したりしますが、

どうにも元気そうなのに、全く取れてませんとか、

いってきます。

 

中には、お母さんが、

今日この子に点滴が必要なので来ました。

と言ってくる人もいます。

 

私は不要と思いつつ、

なるべくやってあげる様にしていました。

 

でも、日々、嫌なことをさせられるのが、

我慢できなくて小児科医をやめることになったのです、、、

 

②抗生剤が必要ないと説明しているのに

抗生剤を欲しがる保護者さん

 

抗生剤は、細菌に対するものですから、

ウイルスには全く効果がありません。

 

熱があるけれど、元気な児に

中耳炎もなく、肺炎もなく、

今のところは風邪で、ウイルス疾患であるから、

抗生剤はなしで、風邪薬で様子みていきましょう

 

といっても、熱があるから抗生剤をだしてくれとか、

心配だから抗生剤を出して欲しいと

行ってくる人がたくさんいますし、

現実に、熱があれば必ずと言って良いほど

抗生剤を出す小児科医や耳鼻科医が巷には

あふれかえっています。

 

私は、今の段階では不要であるから出せない。

出すことが、かえって耐性菌などを作るから良くない

と説明をしていましたが、

 

私の診療方針に不満であるなら、

他の小児科へ行けば良いのに

と思っていました。

 

できる限り説明して、

抗生剤が不要であることを説明する文章などを

渡していましたが、

なるべく出さない方針の私の元を受診して

意に反して抗生剤を出してくれと言うのは

非常に困った患者さんでした。

 

そういった、説明や嫌なことをさせれるのが

耐えられないと言うことと、

母親の希望に添えないことが、私にとってはストレスでした。

 

欲しいと言う人に出せないというのは、

私にとっては、とても嫌なことだったのです。

 

なるべく保護者さんの心配や希望に沿ってあげたいのですが、

医学的にそれはしない方が良い

と言うこともあるにのは事実です。

 

考えることをやめ、

ただ、「保護者の言うことを聞いているだけ」

「保護者の言うことを聞かずに

自分のしたい様にするだけ」

の方がどんだけ楽か、わかりません。

 

説明して、説明文も渡して、

とできる限りのことをしていました。

 

③心配すぎて、入院させて欲しいという保護者。

 

大きな病院で小児科医をやっていた時は

簡単でした。

 

自分が主治医で入院させれば良かったのですが、

入院計画書

退院サマリー

入院時にクリニカルパス入力

入院時の指示など

やることが増えます。

 

入院患者が同時に5名以上になってくると

点滴の減量を忘れたり、

患者さんの把握が杜撰になってきたりします。

なぜなら、小児科の入院は5日前後が多く、

コロコロ入院、退院を繰り返しているため

患者さんを把握しきれなくなってくるのです。

 

入院施設でない、医院で小児科医をしていた場合は、

入院させるためには、

入院先に電話しなくてはいけません。

 

病棟担当医に電話します。

 

3歳 男児で風邪の疑いの児です。

発熱4日目、血液検査も異常なく、

レントゲンで肺炎もない児ですが、

発熱4日で、熱が下がらず、

比較的、全身状態は保たれていますが、

母親の不安が強いので入院の受け入れは

可能でしょうか?

などと電話します。

 

すると、

検査も問題ないようですし、

入院してもすることがないですが、

そちらで点滴などで通院してもらって

様子見れませんか?

 

などと言ってきます。

 

その場合は、

あまり必要でないと思われる点滴を

(受診だけさせて様子だけみてもダメなので、

受診の理由付けとして点滴する。)

毎日して通院してもらったり、

ウイルス検査を追加して原因を調べたりとします。

 

母が心配で心配で泣いている場合があって、

その子も検査なども異常なかったのですが、

 

私が、

母親が心配で心配で泣いていて、

自宅に帰宅してもこれでは母も安心できないから、

熱が下がるまでで良いから入院をお願いします

と頼み込んだこともあります。

 

逆に肺炎、川崎病、尿路感染症、全身状態が不良など

理由がある時は簡単に入院させることが出来ます。

 

第一子で、20代の若いお母さんや、

逆に高齢出産の第一子などで

心配性なことが多いです。

 

その医師の診療方針に合わない場合は、

医師、保護者ともに嫌な思いをすることになります。

 

医師の人柄、受付、看護師の態度が気に入って

そこを主治医としても、

その主治医の基本的な治療方針と、保護者の希望が合わない場合は、

考え直しても良いのではと思います。