こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

これまでの総まとめです。

(今回でおわり)

 

条件15

登園許可証の有無、

登園禁止の目安がはっきりしている。

 

学校保健安全法施行規則により基準があります。

2種感染症である、

 

溶連菌感染症

登園の基準

「抗生剤開始後24時間経過し解熱し、元気があれば可」

(他人への感染力は、抗生剤内服1日でなくなります)

 

溶連菌感染症は、非常に重要な感染症です。

 

抗生剤が必要な数少ない感染症です。

 

のどで増殖すれば、溶連菌咽頭炎

のどを覗いてみるだけで燃える様に真っ赤になりすぐに分かることもあります。

舌はザラザラしたイチゴの様になったり

体に紅斑が出ることもあります。

 

皮膚で増殖すれば、カサブタがつくタイプの「とびひ」になります

 

足などの小さい傷から溶連菌が増殖すれば、

蜂窩織炎といって、下肢が腫れて熱をもった、

foot infectionになります。(こどもでも)

 

溶連菌感染後に、点状出血斑(紫斑)がでたり、腹痛、関節痛が現れる、

アレルギー性紫斑病(IgA血管炎、ヘノッホシェーンライン紫斑病)

などが起こることもあります。

 

溶連菌は、不十分な治療をされると、

感染して数週間後に

急性糸球体腎炎を引き起こすことがあり、

血尿、高血圧、浮腫(むくみ)がおき、

腎臓を悪くしてしまう場合があります。

 

又、集団保育の場では

しばしば、ピンポン感染と言って、

治っては、また、なっている友達からもらって、

互いにうつし合うなんてことも起きます。

 

乳幼児期の最も重要な感染症の1つといっても

間違いではないでしょう。

 

第一選択薬

ペニシリン系薬剤を10日間内服

 

(次点 セフェム系薬剤を5日間内服)

 

通常は、ペニシリン系薬剤が基本です。

(抗生剤の適正使用の観点から)

 

伝染性紅斑

登園の基準

「症状が軽快し、元気があれば可」

 

りんご病と言われ、ほっぺと、腕、太ももの外側が

網目状に赤くなります。

発疹がでた頃には感染力はほとんどない状況ですが、

妊婦さんがかかると、胎児に悪影響を及ぼすことが

あり危険です。

 

治療方法もなく、ほぼほぼ問題ないウイルス感染症ですが、

ごく稀に、重度の貧血になったり、

血小板が下がって紫斑が出現することがあります。

 

手足口病・ヘルパンギーナ

登園の基準

「症状が軽快し、元気があれば可」

 

多くはエンテロウイルス属で

多数の種類があり、

その時流行する型によって、

発疹の出方や熱の出方が異なり、

種類がたくさんあるため、何回もかかる病気です。

 

ヘルパンギーナは口腔にアフタが出来て、手足に発疹がでないもの

手足口病は手のひらや足の裏にアフタができるものを言いますが、

最初口だけでヘルパンギーナと言われて、後から手足にでたりするので、

厳密にこの二つの疾患を分ける意味はありません。

発疹も手のひらや足の裏だけでなく、

広範囲に手足に出ることもあります。

 

エンテロウイルス属は、腸管に感染するウイルスという

意味であり、下痢なども引き起こすこともあります。

 

便からは1ヶ月近くウイルスが排泄され感染力が持続しますので、

感染予防のために出席停止はほとんど意味がないものである

と言うことも分かっています。

 

治療法はありません。

口腔が痛くて、食べたり飲んだり出来なくなると

入院となる場合もあります。

 

ウイルス性胃腸炎

登園の基準

「嘔吐、下痢がおさまり、通常通り元気で食事が取れれば可」

 

ノロウイルス 感染力強い 潜伏 1日程度

       嘔吐物の処理や下痢から感染

       免疫は出来ません

ロタウイルス 感染力 かかったことない人には強い

       予防接種するか、1度かかかると免疫ができます。

アデノウイルス は下痢の原因にもあります。

上記3つは簡易検査があります。

 

細菌性胃腸炎

 

子供に多いものは

カンピロバクター 加熱が不十分な鶏肉、鶏卵

サルモネラ    加熱が不十分な肉、鶏卵 

感染性大腸菌   加熱が不十分な肉

 

上記は、

焼肉時に生肉と、焼けた肉をとる箸が一緒

生焼けの肉

肉を切って、きちんと洗われていないまな板

スーパーで売っておる、鳥のたたき

などからも感染する恐れがあります。

 

特に鳥のたたきを食べる習慣のある地域では

カンピロバクター腸炎の罹患率が高くなります。

 

カンピロバクターはマクロライド系の抗生剤が有効

 

サルモネラは、自然に治ることも多く、抗生剤が不要な場合も多いですが、

(抗生剤投与により腸内細菌叢が乱れて、治癒が遅くなることもある)

一方で、重症化し、血液中にサルモネラ菌が増えるサルモネラ菌血症

になることもあるので、抗生剤が必要になることもあります。

感染性大腸菌も同様で、抗生剤投与は状況によって行いますが、

基本的には、水分摂取、整腸剤などで軽快します。

 

BBQや焼肉時の生肉の扱いには十分に注意しましょう。

 

※胃腸炎で熱があるからと、

むやみに抗生剤を出されると、

もともと腸に共生している良い菌も殺してしまい、

治りが悪くなることもあります。

 

 

RSウイルス感染症・マイコプラズマ感染症

登園の基準

「熱が下がり、咳、鼻汁が軽快し元気があれば可」

 

RSウイルスは、小さい乳幼児ほどゼロゼロと

呼吸が苦しくなりやすく3ヶ月未満では入院率も高く要注意です。

 

保育園や幼稚園で上の子達がまずかかって、ハナタレ小僧になっても

元気でたいしたことなかったが、

家にいた赤ちゃんがうつされて入院となることも多いです。

 

RSウイルスは感染力が強いため、

赤ちゃんがいる家庭では注意しましょう。

 

マイコプラズマ感染症は、

診断方法により信頼度が全然違います。

 

信頼度とても低い  マイコプラズマ血清診断(採血で調べるもの)

マイコプラズマPA検査などは、非常に信頼度が低い検査で、

以前にかかったことがあるだけで、陽性になりやすい検査です。

1時間程度で結果が出ます。

 

信頼度やや低い

マイコプラズマ抗原検査キット(のどを擦って調べる)

その場で診断ができるキットですが、

キットによっては、かかっていない大人の唾液で試したり、

何も擦らず検査しても、

うっすらと読み取れるほどのラインが出るものがあり、

何度も、そういった(から検査)を試したことがありますが、

私はイマイチ信用していません。

15分程度で結果が出ます。

 

信頼度非常に高い

マイコプラズマLAMP法

感染のごく初期などをのぞき、

きちんと検体が取れていれば信頼度は100%に近いです。

数時間で結果が出ます。

 

通常、マクロライド系の抗生剤で治療します。

効果ない場合はミノマイシンを使用します。

(ミノマイシンは8歳未満には極力投与しないのが原則です。)

 

登園禁止ではないもの

アタマシラミ、水いぼ、とびひ

→他人にうつさないようにすれば、登園禁止ではありません。

(患部を覆うなどは必要になることがあり

 

「とびひ(=伝染性膿痂疹)」は、

ブドウ球菌や溶連菌が原因です。

抗生剤の内服が治療の基本です。

(軟膏はおまけ)

 

アタマシラミ読本(なってしまったら読みましょう)

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/eisei/yomimono/nezukon/atamajirami.files/atamajirami_dokuhon.pdf

 

 

条件16

食物アレルギーに対して、

安易に血液検査をする所は、

食物アレルギーの事をよく分かっていない可能性がある。

※食物アレルギーにおける血液検査の有用性は高くはない※

 

食物アレルギーは食べてみないと分からないことが多いのです。

 

食べる指導をしてくれる医師に診てもらいましょう。

食物アレルギーをよく分かっていない医師ほど、

すぐに除去を勧めてきます。

 

血液検査ででている項目を全て除去しなさいという

極端な医師もいますので、

万一そういった医師にあたってしまった場合は検査結果を持って

他の医院にかかってみてください。

 

こんな事を言っては元も子もないのですが、

小児科に受診して薬を飲ませたから早く治る。

と言うことは、ほとんどありませんが、

肺炎などの細菌感染症、川崎病など、

一部の病気を早く見つけてもらうことができます。

小児科にかかるメリットは、

治療が必要な病気か、そうではない軽症な病気か

診断をつけてもらうことです。

 

小児科受診して、

正しい診断、必要な場合に検査、必要最低限の治療薬

をしてもらうのが良いといえます。

 

薬が必要となる場合

細菌性の感染症

→抗生剤が有効。原則、培養して原因菌を調べる

 

ウイルス感染症

→水痘、ヘルペス、インフルエンザなど一部有効な薬剤あり

 

気管支喘息などアレルギー疾患

→抗アレルギー薬

ただし、治癒するためのものでなく、症状を軽減するもの

定期的な受診が必要となります。

 

皮膚疾患

→ステロイド外用、保湿剤

皮膚はきれいに保ちましょう。

 

糖尿病、甲状腺疾患など内分泌疾患

→インスリン、血糖を下げる薬、ホルモン薬など

絶対必要な類です。

 

てんかん

→血中濃度測定、脳波検査などを適宜行いながら、

内服を欠かさないこと。

 

夜尿症、便秘、その他、希少な疾患などは

特定の薬があります。