こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

各大学の医師国家試験合格率が毎年発表されます。

おおむね90%程度で推移しています。

 

一般にはあまり知られない、医師国家試験合格率と

それに向けた各大学の対応のお話しです。

 

医学部医学科がなぜ、人気かというと

医師国家試験を合格しないと医師になれないわけですが、

医師国家試験を受験するためには、

医学部医学科を卒業しないといけません。

(実際は卒業前に試験があるので、卒業見込みの学生しか

受験できません。)

 

特殊な方法として外国で医師免許をとるなどは

省かせてもらいます。

 

各大学の

医師国家試験合格率を上げる最大の技が、

受かりそうもない学生は、卒業させない。

という大技です!

 

卒業試験で、受かりそうな学生を選抜して

医師国家試験を受験させるのです。

 

4月1日の6年生が130人いたとすると、

受験者を108名などと絞り込んで、合格率を上げます。

 

法律では、在学期間の2倍までしか在学できない決まりがあり

医学部では12年最長で在籍できます。

しかし、多くの大学で同じ学年で留年は1回までと

定めている大学も多く、2回留年すると放校処分(退学)となります。

 

従って、諸刃の剣として

卒業試験を2回目が通らないと

6年生まで行ったのに退学となってしまう医学生がいるのです。

 

単に医師国家試験の合格率がいいからといって安心できません。

 

入学した100人の生徒のうち、何人が6年後に一発で合格できたかが

大学の実力を測る指標となるべきです。

 

もっとも、

良く言われる最も留年率が高いとされる

帝京大学医学部医学科は

ある年では、2年生→3年生で30名留年

卒業試験でも25名程度留年

1年生→6年生までストレートに進学し一発で医師国家試験に合格する割合は50%

の年もあるそうです。

 

そして、そこまでしても、帝京大学医学部医学科の医師国家試験の合格率は

例年、最下位近辺と言われています。

 

私が在籍した地方国立医学部では

私の学年では6年生までに留年したのは、5名でした。

医師国家試験の現役生で不合格者は私の学年では7名でした。

 

100人中88名がストレートに卒業し、そのまま医師になったということです。

一般的な国立大学では多くのところは100名のうち→80~90前後がストレートに医師になります。

 

私立大学では、

留年、卒業試験で学生をバンバン留年させて

合格率をあげようと躍起になっているところもありますので、

単に医師国家試験合格率がよければいい大学というわけではありません。

 

しかも私立大学医学部は

学費が高額 年間500~600万というところも多いですから、

学費の負担も大変ですね。

 

では、実際文部科学省が公表したデータがあります。

たった1年のデータですので、毎年そうとは限りません。

 

各大学医学部の入学状況及び国家試験結果等 (mext.go.jp)

 

合格率が良く、留年率が少ないとされる国公立から見ていきましょう

6年間で卒業できる割合

70~79%の大学は

群馬大学・山梨大学・滋賀医科大学・鳥取大学・徳島大学・高知大学・琉球大学

 

最下位 島根大学67.9%  新卒医師国家試験合格率89.9%

ワースト1位の合格率です。

 

ここに上がっていない国公立大学は80%以上はストレートに卒業し、

新卒医師国家試験は合格率は90%以上となります。

 

島根大学はどうしたのでしょうか? 

たまたま、この学年だけが成績がわるかったのでしょうか?!

私大を合わせても、帝京大学に次ぐNo2の酷さです。

 

私立大学は多いので

 

60-69%をピックアップします。

6年間で卒業できる割合

杏林大学 68.4%    新卒国家試験合格率96.6%

帝京大学 65.0%    新卒国家試験合格率85%

日本大学 68.5%    新卒国家試験合格率99.1%

川崎医科大学65.8%  新卒国家試験合格率99.0%

 

東邦大学は100%    新卒国家試験合格率95%

偏差値のわりにとても優秀です!!

 

偏差値や学費も選ぶ重要な要素の1つですが、

1年で医師が稼げる額は開業医なら平均3000万です。

 

医師として働ける年数はだいたい決まっていますので、

それが留年するとまるっと1年分失われるため、留年や医師国家試験不合格で、

1年無駄にするのは大変もったいないです。

 

大学選びの指標の1つでした。