こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

研修医〜小児科医として学んだ貴重な症例を残しておきます。

 

5〜10年以上前のことなのでやや曖昧です

 

⑨口渇、多飲、多尿のこどもパート2

 

私のいた病院は1型糖尿病キャンプに参加しており、

毎年4〜5名の小児科医がそれに参加していた。

 

2泊3日組と全日程の4泊5日組がある。

小学生から中学生の発症して間もない1型糖尿病参加者と、

キャンプに何度も参加したことがある1型糖尿病の高校生のポストキャンパー

たちが参加している。

 

インスリン注射で、どれだけ血糖が下がるか、

運動するとどれだけ、血糖が下がるか、

低血糖症状はどのような症状かを学ぶためのキャンプで、

普段の運動量の2倍の運動、友達とはしゃぐ

などして、低血糖が続出のキャンプなのです。

インスリン注射に慣れていない児も、

まわりの子供が打っているのをみて、

教えてもらったりして打てるようになります。

人前でこれまでできずに保健室でやっていた児も

ここでは、みんなの中でやれるようになります。

 

そこで若い医師は低血糖症状を覚えて、

1型糖尿病の小学生たちも低血糖を経験して、

自覚症状や対処法を覚えることも大切な経験となります。

 

私は、これが好きで毎年、

といっても3回ほど経験していたのですが、

実際に新規発症の1型糖尿病患者が自分の外来に突然現れた経験はありませんでした。

 

パート1の代理によるミュンヒハウゼン症候群で、

小児科部長と共に一緒に診せてもらったことはあります。

 

私がいた病院でも、何年かに一度来るかどうかでした。

 

ある日、野球をしていて、すごく筋肉質で引き締まった体つきの

中学3年生の男の子が、

口渇、多飲、多尿を主訴に私の外来へ受診しました。

 

時期は夏なのですが

どうもここ1週間くらい

喉が渇いてのどが渇いて仕方ないらしく、

夜も、のどが乾いて何度も起きるし、

やたらとおしっこがでる。

体重も減ってきている

どう考えてもおかしいと言うことであった。

 

夏なので、野球の練習で喉が乾くのは脱水があるかもですが、

夜中も起きるくらいだと言うのです。

 

親は糖尿病じゃないか?

なんて言ってます。

 

採血、尿検査をすると、すぐに糖尿病であることはわかりました。

血液ガスといって、ケトアシドーシスまで想定してなかったので、

1型糖尿病であろうから追加の検査やインスリン導入のために入院が必要だと

いいました。

 

高血糖(随時血糖300以上)、HbA1c高値(10位)、尿ケトン3+

内因性インスリン低値(cペプチド低値)

 

から、強く1型糖尿病が疑われました。

 

(膵臓に対する自己抗体などは未測定、糖尿病が確定するまでは検査にださないため、

いきなりは出していませんでした。)

 

予想に反して、今日は、入院の準備などがあり、

本日からの入院は困る。

なんとか明日からの入院にさせて欲しいと言われ、

私は渋々承諾しました。

 

その後、糖尿病キャンプで仲良くなった美人の薬剤師さん、

病棟看護師、薬剤のオーダーなどの準備をして

ようやく、希望通り現れた、

新規発症1型糖尿病患者をこれから自分が担当できることにワクワクしていました。

 

ところが、翌日朝、入院キャンセルの連絡が入ります。

あちこち糖尿病内科へ電話して、外来でインスリンを導入できる病院を探したから、

そこで見てもらうというのでした、、、ゲロー

 

この時ほど、私はがっかりしたことはありませんでしたガーン

 

長かったので、今回はここまでにします。