こんにちは、訪問ありがとうございます

 

 

小児科診療について、考えてみたいと思います。

 

実は私は、今は小児科外来を行なっておりません。

 

私のブログにある

医師が教える良い小児科の選び方

は、私が追い求めてきた小児科のあり方です。

 

何故かというと、

私が小児科医を辞めたのは、

1つ、小児に風邪薬は不要

1つ、小児の夜間救急外来、日曜休日在宅当番医は負担が大きすぎる

 

ためです。

 

前提

風邪引くとどうして、鼻汁、咳、痰がでるのか?

 

答え

不要なものを排泄するために出ます。

鼻水、痰、咳は生体にとって必要だから出るのです。

 

鼻粘膜などに、

ウイルス、細菌、花粉などの異物が侵入してくれば、

炎症が起きたりして、老廃物がでたり、侵入した異物を体外へ排泄したり、

異物がこれ以上入って来にくいようにします。

それが、鼻詰まりであったり、透明な鼻汁であったり、

時には老廃物などが多い黄色い鼻汁になったりします。

 

集団保育などで周りにウイルスがよくいる環境では、

熱もなく元気で鼻垂れている小僧さんは、

鼻を垂れて身を守っているともいえます。

 

時には蓄膿症といって、頭蓋骨の骨の空洞に、老廃物が溜まってしまう子もいますが、

その場合は耳鼻科で膿、老廃物を排出させる薬を飲みますが、

鼻水ドメは逆効果になるため、やはり不必要です。

 

また、鼻水を抑える薬は、

抗ヒスタミン薬の

第一世代

第二世代

が中心です。

 

風邪薬として、本来は使えるのは第一世代のもののみです。

しかし、第一世代の抗ヒスタミン薬には、

痙攣発作を起こしやすくさせる

眠くなる

といった副反応があります。

例として、

ジフェンヒドラミン

クレマスチン

クロルフェニラミン

があります。

 

第二世代の方がいいかと言えば、

だいたいは副反応が減っていますが、

ケトチフェン(ザジテンなど)

は、痙攣を起こしやすく、眠気がでやすく、

日中の能力低下を起こしやすいので注意が必要です。

(私なら、処方しません)

薬価も高価で、風邪に使って良いことになっていません。

(保険適用の話です)

 

そして、皆さんが思っている通り、

鼻水ドメはほとんど効果がありません。

 

もともと止める必要がない、鼻汁ですから

効果なんていらないけど

痙攣起こしやすくなったりする副反応もあって、

飲む必要があるかといえば、ほとんどないのです。

米国FDAでは乳幼児突然死症候群の原因の一つだから、

2歳未満にはのませない方がいいなんて言っていますね。

 

なんで、小児科医や耳鼻科医が出すかといえば、

患者さんが欲しがるから処方するのだと思います。

鼻が垂れて、息苦しそうだから、ほとんど効果がないとわかっていて出す。

と、こう言う具合です。

 

私は、風邪できた患者さんに、

風邪薬を出すのが嫌で嫌で、仕方ありませんでした。

でも母親は鼻垂れに困って受診してきて、

無駄だから出せないとは言えなくて、いやいや出していたのです。

 

今は、小児科を辞めて、いやな事をしなくていいので、

良かったなと思っています。

 

次回につづきます。