こんにちは、訪問ありがとうございます。

 

これまでの復習から、

絶対条件①

良い小児科は、やたらとたくさんの薬をださない。

悪い小児科は、症状に関係なく沢山の薬を出す。

 

絶対条件②

発熱するたびに、抗生剤をだす小児科は、悪い小児科である。

 

条件①

聴診時間に着目

数秒の短い時間では、呼吸の音は聞き取れない。→聴く気なしです!

10秒以上聴いている場合は、きちんと聴診しようとしている医師です。

 

条件②

発熱時に、首を触っているか (おたふくやリンパ節を確認)

発熱時に耳を見ているか   (中耳炎など)

腹部の触診は、丁寧にさわっているか (肝臓腫大、軟らかさ、痛みの性状など)

 

条件③

エコーをたまにでも行う事があるか? (時間も技術も必要)

 

条件①〜③は、これをしているから、必ず良い小児科と言う訳ではありません。

技術や、能力が左右します。

 

条件④

(ウイルス性疾患んである)突発性発疹を抗生剤投与なしで見れる医師は、

抗生剤の適正使用ができる能力が高い医師です

(抗生剤を投与してしまう医師は、自分の診断を信用できず、

闇雲に抗生剤を投与している医師の可能性があります。)

 

条件⑤

食物負荷試験が出来るところは、大きな病院などで、

入院管理などきちんと勉強してきた医師が多い。

(最新の医療に精通している可能性が高い)

 

条件⑥

気管支喘息発作(主に乳幼児)の説明で、

呼気と吸気の喘鳴の違いを教えてくれる医師は、

気管支喘息に精通し、

きちんと、保護者に説明してくれる良い医師です。

 

今回の本題です。

気管支喘息の内容は主に、6歳未満くらいの

小学校入学前までの小さい児を対象に書いてあります。

 

条件⑦

気管支喘息と診断する場合は、

軽症、中等症、重症、最重症の分類

間欠型、持続型の分類

をきちんと説明している

 

小児気管支喘息治療管理ガイドライン2017

を参考にしています。そろそろ新しいガイドラインを作成中でしょう。

 

最新のガイドラインではなくても、

小児気管支喘息の治療方針は、

発作のでる頻度で治療の強弱を決めています。

 

治療は、急性発作時の治療と

症状がない時に、症状が起こらないようにする治療があります。

 

大事なのは、発作が起こらないようにする毎日の治療です。

発作がどれくらい起きているかで治療が変わります。

 

小児科に毎日診察してもらうわけではないので、

家庭でどれくらい発作が起きているかを知らないと、適切な治療が受けられず、

治療の効果判定が出来ません。

 

だから、家庭での、呼気時のぜいぜいを判断できなくてはいけません。

 

発作の頻度

年に数回→間欠型  その都度の治療でも大丈夫

月に1回→(軽症)持続型  キプレスや、シングレアの定期内服などが必要。

週に1回以上→(中等症、重症)持続型  吸入ステロイド導入が必要という具合です。

現在の治療が行われても、発作頻度が減らなければさらに強い治療にはいります。

 

発作の強度

呼気時にゼイゼイしているが、ピンピンしている  小発作

呼吸時にゼイゼイして、息苦しそう 呼吸回数が増え、努力呼吸している 中発作以上

         (→吸入が効果なければ点滴です。)

呼気時にゼイゼイして、吸気時もゼイゼイ かなり苦しそう  (中から)大発作以上 (入院しそうです、)

呼吸の音があまり聞こえない→呼吸がしにくくなっている、呼吸不全、緊急事態です。

 

努力呼吸とは、

気管支喘息発作とは、空気の通り道が狭くなるとおこることから、

息を吐きにくい

吸いにくいと言った事が起きます。

頑張って呼吸すると、

 

鼻がフガフガする(鼻翼呼吸)

肩で息をする

お腹の動きが派手

肋骨のあたりやのどあたりが凹んで呼吸している

数メートル離れて耳をすますと、ゼロゼロとした呼吸が聞こえる

寝ていられない(座って呼吸したがる)

呼吸がやたら早い

などが、苦しい証拠です。

 

発作の強度で、その都度の治療の強さが変わります、

 

発作の頻度が間欠型のタイプでも

その都度の発作が強ければ、その発作を起こさない強い治療が必要になります。

 

あくまでガイドラインは

小児科一般のアレルギーに強くない先生が用いる治療方針で、

そこに書いてある方針どおりに実際は診療するとは限りません。

専門の先生はガイドラインを超えた治療を行いますし、

 

多くの一般的な小児科では、ガイドラインを熟読してマスターしているわけではなく、

昔ながらの我流での治療が当たり前に行われています。

 

気管支喘息治療で大事なことは、

保護者が、こどもの喘息発作が分かり、

発作の頻度が分かり、

発作の強さがわかることです。

 

気管支喘息発作の十分な説明ができない所は、

発作の頻度などをきちんと把握できず

きちんとした管理が無理なのです。

 

気管支喘息の本当の主治医は母親であると、

私は思っております。

 

症状がなくても、

発作を起こさないために、

毎日の内服や吸入を欠かさずにすること、

吸入をきちんとさせる事が

大切です。

 

ちなみに、amazonなどで安い聴診器を数千円で買うことも可能です。

 

聴診器で自分が聴診してみれば、

医師の診察時間が適切か、ちゃんと聞いてくれているかも

わかるようになりますし、

子供の喘息発作が、簡単に聞こえるようになります。

 

かえって診察室で泣きじゃくるより、

家で保護者が聴いた方が良く聴き取れるかも知れません。