こんにちは、先ずは前回の復習。

 

絶対条件①

良い小児科は、やたらとたくさんの薬をださない。

悪い小児科は、症状に関係なく沢山の薬を出す。

 

絶対条件②

発熱するたびに、抗生剤をだす小児科は、悪い小児科である。

 

条件①

聴診時間に着目

数秒の短い時間では、呼吸の音は聞き取れない。→聴く気なしです!

10秒以上聴いている場合は、きちんと聴診しようとしている医師です。

 

 

解説

呼吸は、正常では1分間に20回程度です。すなわち、1回の呼吸で、3秒近くかかります。

呼吸は、息を吸うときの音と、息を吐く時の音がありますが、

より重要なのは、息を吐く時の音です。

吸気時の音と呼気時の音を何箇所かで聴こうと思いましと、

10秒くらいはかるくかかります。

加えて、まずは、心音を数秒は聞きますから、

聴診時間が数秒など、ポンポンと短い医師は、きちんと聴診していません。

儀式的に聴いている振りをしているだけです。

発熱時や肺炎などの児は呼吸数が1分で60回と増えることがあります。

それはそれでおかしいので、その場合も良く聴診しなければなりません。

 

泣いている児は、声が大きくて呼吸の音が殆ど聞こえないため、

聴いたフリをする場合は何処でもよくあります。

診察時に泣かない工夫を、医師側、母親側も必要です。

 

条件②

発熱時に、首を触っているか

発熱時に耳を見ているか

腹部の触診は、丁寧にさわっているか

 

発熱時に、頸部のリンパ節が腫れていないか。

川崎病や、おたふくかぜ、頸部の膿瘍などが確認できます。

肝臓腫大などがないか。

 

小児科といえども、鼻がだらだらだと、中耳炎を合併しやすいので、

耳もcheckするのが一般的です。

 

あちこち見たり触ったりするには、

熱の原因が何処からきているか、

重症感染症や重大な病気は隠れていないかを探しているのです。

 

条件③

エコーをたまにでも行う事があるか?

 

腹部エコーや心臓のエコーを行える医師は、能力が高い(可能性がある)

そして、忙しくても気になった時に時間をかけて診察するという良心があります。

 

エコーがないという理由でしないのは、

エコーをする気がないから準備していないか、

エコーを使いこなす自信がないから置いていないだけです。

要は能力が低いから置いていないのです。

だからといって、置いてあれば、能力が高いという証明にはなりません。

したフリをする医師がいますからね。

 

私は前日に他院に腹痛でかかった児が、便秘と帰されたが、

腹痛が続くため受診し、腹部を触ると肝臓の肥大に気付き、エコーをすると、

肝臓と脾臓の腫大がみつかり、頸部リンパ節の腫れ、よく探すと点状の出血斑があり、

白血病を疑って、採血の結果、白血病と分かった事があります。

当然母親は、前日にいかに適当に見られたかを実感したでしょう。

 

いい加減な医師は、聴診にしろ、腹部の触診にしろいい加減に素早く済ませるということをします。

きちんとみているのではなく、見ているフリをするのです。

そして、決まったいつも通りの薬を出してきます。

 

今回はここまでとします。

 

おまけ

医師はカルテに記載しますが、

カルテに記載されている内容が正しいかは、医療裁判になっても争われません。

カルテに書いてあるかどうかは大事です。

 

いい加減な医師の、記載も

たとえば、聴診上は、呼吸音が清、心音は整とかいてあれば、

肺炎が次の日に見つかっても、その時は肺炎の音はしなかった。と認められます。

 

腹部エコーで、後日に肝臓腫瘍が見つかっても、

しばらく前に腹部エコーして見つからなくても、

異常なしと書いてあれば、

エコーまでしたが、その時は発見できなかった。

だから、それは仕方がないとみなされます。

 

したけど能力が低いから発見出来なかった。この医師は能力が低いとは

裁判では認められないのです。

 

したフリして、正常だとカルテに記載することは、

その時点では正常だったと、裁判でも認めてもらえるのです。

これを覆すことはなかなかできません。

診察したフリのなんちゃって医師にご注意です。