11月3日は、初・東京ドームの日
先日リニューアルされた、[Perfume Official Global Site]改め、[
Perfume Global Lab]は、2010年の東京ドーム公演から始まっています。
Perfumeのテクノロジーとのコラボレーションは、この公演から始まったというのが、一般的な認識なのでしょう。
僕は、関監督のアナログ(レトロ)臭のするテクノロジーもすごく好きなのですが、それはさておき、
8年前の、この公演を振り返ると、Perfumeにとって、とても重要なターニングポイントとなる公演だったことが分かります。
・ひとつ目は、真鍋大渡さん(Rhizomatiks)が、Team Perfumeに参加したということ。
その後の、Perfume×technologyという方向性は、大渡さんなしには考えられませんからね。
・もうひとつは、東京ドームでも(つまりはどんな舞台でも)、バックダンサーやバックバンドを付けずに、3人でやり切ると決めたこと。
替えが効かない、3人しかいない。
そのことを、改めてメンバーもスタッフも意識したのは、その後、Perfumeが長く続いて行くうえで、とても重要だったのではないかと思います。
・さらに加えれば、デビュー5年目(ブレイクして2~3年)で、前年にアリーナツアーまでしかしていない、22~23歳のガールズグループが、1日だけとはいえ、東京ドーム公演を成功させたということ。
少しずつ大きなステージを目指してきたPerfumeにとっても、多くのアイドルやバンドにとっても、東京ドームはハコとしての最終目標に位置する最大級のライブ会場です。
そのドーム公演を成功させたことは、大きな自信になったと同時に、目標を見失うことにもなりました。
だからこそ、その後、活動のモチベーションを海外進出に見出し、レーベル移籍にも繋がっていったのですから、東京ドーム公演が2010年でなかったら、海外進出も、もっと遅れていたかもしれません。
・もうひとつは、MIKIKO先生の演出振付家としての知名度と社会的な評価を高めたこと。
このライブが、2011年の第15回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門、審査委員会推薦作品となったことで、俗な言い方ですが、PerfumeのみならずMIKIKO先生にアーティストとしての箔が付いたのは間違いありません。
経歴にこの受賞歴があることで、その後の活動がしやすくなったと同時に、受賞歴を汚すような作品を出せなくなったとも考えられます。
【第15回文化庁メディア芸術祭・公式サイトのコメント】
テクノポップユニットPerfumeの、東京ドームワンマンライブにおけるパフォーマンス作品。5万人の観客を前に、バックダンサーもバンドも一切付けずにメンバー3人だけでステージを構築すべく、舞台演出に総合演出兼振付家のMIKIKOをはじめ、映像作家の関和亮、メディアアーティストの真鍋大度や石橋素らが参加。特殊装置による風船爆破や3Dカメラ、画像解析を用いた映像生成など、世界でも有数の最先端のテクノロジーとアイディアを用いたかつてないステージを創造した。
この作品の作者名義は、
MIKIKO+Perfume
となっており、僕はこの表記だけで感動してしまいます。
(当時の知名度だけを考えれば、Perfumeだけでも、Perfume+MIKIKOでも違和感はありませんでした。)
このドーム公演が、2013年のドームツアーに繋がり、巨大な会場の演出経験が、リオオリンピック閉会式の五輪旗の引き継ぎ式(Flag Handover Ceremony)の芸術パートの担当に抜擢された理由にもなっていましたし、本番の総合演出と演舞振付に活かされていったのですから、MIKIKO先生にとってもターニングポイントのひとつだと思います。
先生の成長や進化は、演出振付を委ねているPerfumeに直接影響を及ぼしているはずで、8年前の33歳という若さでドーム公演を演出できたことが、どれほどの経験値を先生に与え、その後のPerfumeの活動に影響を与えたのか計り知れません。
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11月3日は、初・東京ドームの日。
書き始めたら、長くなってしまいました。(笑)
久しぶりに、DVD見てみましょうか。
(Blu-ray買ってない・・・)
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おまけ:
2011年の第15回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門の、審査委員会推薦作品には、Perfume関連の、もうひとつの作品が選ばれています。
NATURAL BEAUTY BASIC 2010 秋冬キャンペーン
【第15回文化庁メディア芸術祭・公式サイトのコメント】
ファッションブランド・NATURAL BEAUTY BASICの一連のキャンペーン企画。テクノポップユニット・Perfumeの楽曲『ねぇ』を採用し、NATURAL BEAUTY BASICのアイテムに身を包んだ彼女らが、ファッションモデルの「ポージング」を取り入れたダンスを披露。TV CMでは、3人がそれぞれの分身と共に踊るパターンが、Webサイトでは3人が一緒に踊るパターンが公開された。異なるアルゴリズムを用いて制作されたダンスのバリエーションは、キャンペーンを超えて話題となった。
Perfumeには、クリエーターの素材・器としての面白みがある。
公にそれを認めてもらったような気がしました。
そして、演者と音楽と振付。
メンバーと中田ヤスタカ氏とMIKIKO先生。
その基本構造は変わらないのに、様々なクリエーターの力を借りて、変化していくところも魅力ですね。