昨日お昼に
彼からメッセージが届いた

「フキを煮たから
 おすそ分けするよ。」



この前
電話でお喋りをしていた時

彼が
山菜採りに行きたいなぁ
と言っていた



「行ってきたんだね。
 頂くよ~。
 ありがとう☆
 夜、そっち行くね。」

そう返信した



受け取りを夜にしたのは
彼にアップルパイを
作りたかったからだ



返信したあと
私は早速
リンゴを買いに出かけた

けれど
アップルパイに最適な
紅玉がない…



リンゴ売り場の前で
しばらく悩んで
紅玉に一番近そうな
王林を2つ買った



紅玉の酸味が好き

シャキシャキが美味しい

シナモンが効いてると
尚更美味い



彼が言っていた
その言葉を思い出しながら

リンゴを
シャキシャキ感が残る程度に
軽く煮詰めて
シナモンを多めに入れた



今回は型を使わずに
自分で成形をして
クッキングシートを敷いて
そのまま焼いた



彼の好みの味かどうかは
もちろん
私にはわからない

なので
もしも違った場合…
迷惑にならないように…

試作の時よりも
一回り小さいサイズにした





パイが上手に焼き上がって
彼に会える嬉しさもあって

私はウキウキしながら
彼の家へ向かった



「お店の方から入って来てね。
 鍵、開いてるから。」

そう言われたので
いつものように
お店のドアを開けた



「こんばんは。
 ちゃんと元気にしてたかい?」



久しぶりに彼の姿を見て
生の声を聞いて
何だか照れ臭くなった



「こんばんは。
 ちゃんと元気だったよ?(笑)」

「そっか!
 やこちゃんは
 いつも元気だもんね(笑)」





彼は
店内の掃除をしていたようだ

床も
ワックス掛けをしたらしく
ビカピカになっていた



「ちょっと待っててね?
 洗い物、済ませちゃうから。」

「うん!」



私はカウンター席に座り

アップルパイを
隣の椅子に置いて

彼から見えないように
こっそり隠しておいた



いや…

私が何かを持って来たことは
間違いなく
バレバレだけれど…(笑)