父の死と母の難病をきっかけに

穏やかだった実家での生活が

大きく変わりました。

 

父を亡くして生きる気力を失った母は

難病を発症してから10年後に

1年間の入院生活を経て寝たきりとなりました。

 

入院中は色々な病院をたらい回しにされて

最後に入院した療養型病院では

 

院長や看護部長から

寝たきりの母を入院させていると

病院が赤字になるからと言われて

追い出されるような形で退院したのでした。

 

母の入院中も

私は惨めな気持ちで一杯でした。

 

きっと父がいてくれたら

もっと違う対応をされたのではないだろうか。

 

私たちはなんて弱い立場なんだろう

そんなことを思いながら

母を守ることで必死の毎日だったのです。

 

 

退院した母は

完全に寝たきり状態となり

自宅で在宅介護をすることになりました。

 

私の妹は、

車でも片道30分の場所に住んでいましたが

母の介護にノータッチだったので

 

私たち姉妹の仲は険悪になっていき

疎遠になりつつありました。

 

遂に私は妹に文句を言ったのです。

 

「ママの介護の手伝いをして欲しい。

月に1度でも良いから手伝いに来て!」

 

すると妹は

「私には家族がいるのよ。

娘や息子は試験や受験があるので

家を空けることは出来ないわ。

でも、お姉ちゃんたちが近くに住んでいたら

手伝いに行けるわよ。

横浜に引っ越して来たら?」

 

横浜に引っ越し?

 

寝たきりの母と二人で

実家を捨てて?

 

そんなこと出来るわけない。

 

何より母がこの家を出ることを

承知するはずがありません。

 

私は頭を抱えました。

 

続きます