あけましておめでとうございます。
先日の日曜日に、患者様、若い先生方向けに甲状腺眼症勉強会が開催され、発表してきました。
私の演題は、、、
眼窩骨減圧術と眼窩脂肪減圧術
― 眼球突出に対する最適な外科的アプローチは何か?ー
というわけで、せっかくスライド作成したので、まとめを載せてみようと思います☺️
甲状腺眼症の眼球突出の治療に対しては、眼窩骨減圧と眼窩脂肪減圧があります。
骨減圧は名前の通り、眼窩(眼球のお部屋)のまわりの骨を削る術式です。
眼球のまわりの骨を削る(骨折させる)と、眼窩の内容物がお部屋から外にでるので、眼球が凹むというわけです。
基本的に3つあって、内壁、下壁、外壁の骨をそれぞれ削ります。
より眼球を凹ましたい場合は、これらを組み合わせて(内壁+下壁+外壁など)削ります。
これは内壁減圧術前後のCTです。左が術後です。
CTは骨の撮影に適していて、白いのが骨です。
鼻側のうすい骨が切除されているのがわかります。
眼窩の筋肉、脂肪が一部飛び出している、→ 言い換えれば、減圧されています。目が凹んでいます。
骨減圧は減圧効果は高いのです。
しかし合併症として術後、複視 = 二重に見えるが問題となります。
内壁と外壁をバランスよく削って、複視を抑えるなども工夫されていますが、術後複視の確率は高い傾向にあります。
また、侵襲が大きい、時間がかかる、ダウンタイムが長い、病態と関係のない骨を削る??、髄液漏、何より骨を削るのが怖い。。。
などのデメリットもあります。
そこで、我々は減圧術のパラダイムシフトとして、
脂肪減圧術をメインに行っています。
当院では日帰り全身麻酔で施行しているので、短時間で施行可能、入院の必要もなく社会復帰も早いです。
Richter DF et al. Plast Reconstr Surg. 2007
さて脂肪減圧術は、間接的に骨を削るのではなく、直接眼球の奥の脂肪を除去して、眼球を凹まします。
上図のように、眼球の下側に脂肪が多いので、下側からメインに除去しています。
メリットは、
1️⃣定量性がある。これにつきる!!
これは、脂肪を1.1cc切除すれば、眼球が1.0mm凹むというデータです。
これは、術後どれくらい凹ましたいか、術後の改善量の予測が可能です。
つまりそれぞれの患者様に適した減圧が可能です。いつも術前では、できるだけ発症前の状態に近づけることを念頭に置いています。
骨減圧はどれくらい削るという調整はできないです😭
2️⃣下の三白眼の改善
瞳孔中心から下眼瞼までの距離をMRD-2と呼ぶのですが、術前後で短くなっています。
つまり術後の下三白眼が改善していますね。
3️⃣瞳孔間距離の改善
眼窩脂肪を下方の内側(鼻側)からしっかり抜くことで瞳孔間距離(左右の瞳の距離)を縮めることが可能です。
甲状腺眼症では、外側に向けて眼球は突出していきます。
瞳孔間距離を縮めることは整容面で非常にプラスとなります。
脂肪減圧の合併症としては、
軽度散瞳(瞳がひらいてしまう)、視力障害、視野障害、複視などがあります。
しかし複視は骨減圧と比較すると、非常に低いです。
3/105 cases (2.8%) Liao et al 2008
1/75 cases (1.3%) Kashima et al 2023 ASOPRS
また複視がでたとしても、経過とともに改善してくる症例が多いです。
視力障害、視野障害も1.0%未満です。
脂肪のまわりには、血管、神経、筋肉などの組織が密集していますが、顕微鏡で確認しながら減圧しています。
最近のトピックとして、顔面全体の整容面に配慮して、
眼窩脂肪減圧に加えて、下眼瞼脂肪移植(クマの改善)+ Buccal fat除去(頬のフェイスラインの脂肪)
も同時に行っています。
甲状腺眼症は脂肪に炎症が起こるので、下眼瞼の脂肪、さらには頬の脂肪も出てくる印象があります。
というわけで、骨減圧と脂肪減圧の比較まとめです。
このように眼窩脂肪減圧は、非常に有効な方法で、当院では第一選択にしています。
ただ、骨減圧も必要な場面はあります。併用していくことは大事です。
甲状腺眼症でお困り、何か聞きたいなど、お気軽にお問い合わせくだいね☺️
今日もよろしくお願いします!!
P.S. 日曜日は打ち上げでお好み焼きを食べにいきました。
大阪にいると、なかなか逆に食べに行くことが少ないですが、
久々に美味しかったです😋
粉もん文化は最高ですね!!ブログ書いてたらたこ焼き食べたくなってきた〜











