うそばかりつく夫

 

 

泣く泣く持ち家を手放し

古いけれど家賃が安い家を見つけて、移り住んでからのこと

 

 

夫は、サラ金からお金を借りるのが限界になったのか

借金をすることなく

しばらくはまじめに働いているようでした

 

 

下の子が3歳になるころ

私は、少しでも高い給料を得るため

工場を辞め、違う会社で働き始めました

 

 

しかしながら、生活は相変わらずで

サラ金の支払いに追われる日々でした

 

 

光熱費や電話代の支払いも滞りがちで

翌月払いが当たり前の自転車操業状態

 

 

そんなある日、夫が

「今、会社のお金を立替えているんだけど

お金が振り込まれたらすぐに返すから、○○円貸してほしい」

 

 

そう言ってきたのです

 

 

確かに当時の夫の仕事は、お金を立替えることがあったので

その言葉を信じて、生活費の中から工面して渡したのです

 

 

ところが、振り込まれる期日になっても、お金を返さず

夫は次の言い訳をして、先へ先へと伸ばすのです

 

 

結局

立替え話は真っ赤なうそで

お金欲しさに

新しい手口で

生活費を狙ってきたことが判明

 

 

またしても

のんきな私は、夫の口車にまんまと騙されてしまったのです!

 

 

ただでさえ家計は火の車

当然すっからかんになって、生活できなくなり

夫の両親を巻き込んで、もめにもめるということが続きました

 

 

なぜ夫はうそばかりつくのかと

一時期考えたことがあります

 

 

 

夫は、小さいころに母親を亡くして、寂しく育ったようです

教師をしていた父親は、ほどなくして再婚し、妹が生まれました

新しい母親は夫に無関心で、夫は孤立状態

両親の愛情は妹の方に・・・

 

 

さらに

小さいころから教師の息子という目で、世間から監視され

やんちゃする年頃になると

ちょっとしたことでも父親の耳に入ってしまうという日々

 

 

厳格な父親には

教師の息子が不良になるなんてもってのほか

絶対にNGだったのでしょう

 

 

家に帰ると

怒り狂った父親に、ボコボコにされ

血だらけになるのはしょっちゅうだったと聞きました

継母は、かばってくれず、殴られるのをただ見ているだけ・・・

 

 

父親は、家の中でも権力絶大

逆らってはいけない存在

親が納得する答えを探し出して言わなければ、殴られるので

うそをつくしかなかったのでしょう

 

 

暴力でねじ伏せられながら育った子供は

平気でうそをつくようになると

何かの本で読んだことがあります


 

 

思えば夫も、不幸な星の下に生まれたようです

 

 

まぁ・・

私もですが・・・あせるあせるあせる

 

 

前世でよほど悪いことをしたのでしょう

そんなふうに

自分を納得させてみたりもしました・・・あせるあせるあせる

 

 

思えば

私が働けば働くほどに、夫はダメになっていった気がします

 

 

では

働かない方が良かったのか⁉

 

 

いやいや

どっちにころんだとしても、たいして変わりはありません

 

 

 

どうすれば良かったのかなんて・・・

今更考えたところで、後の祭りですショボーン

 

 

 

 

 

 

つづく