じいさんは
死ぬほど酒が好きだ!
若い頃から毎晩飲んでいたらしく、私は子供の頃飲んでいないじいさんを夜を見たことがない。
それも飲んだらたちが悪い、とにかく飲んで暴れる。外面のいいタイプみたいなので、外では楽しく愉快に飲んでるみたいだけど、家に帰ると人が変わったみたいに家族にいばり散らす!破壊、暴力は当たり前。
家族にとってはとんでもない迷惑な酔っ払いとなってしまいます。
これを地元の言葉で、「やまいもをほる」と言います。あ、地元は九州宮﨑!です。
どーも宮﨑特有の方言みたいなんですが、山芋は地下深くいろんな物に絡みながら成長していきます。山芋を掘った方ならわかるとおもいますが、左回りに巻きながらいろんな木の根っこに絡んで、本当に折れずに取るのは大変なんです。酔っ払いもそれと同じ。
酔った勢いで、いろんな人に絡んで迷惑かける。そこから「やまいもをほる」となったのだと思います。
宮﨑弁で書けば「やまいもをほいよらすがぁ」です!
じいさんはこりもせず、やまいもを毎晩ほっておられるのです!
じいさんは当時建設会社で働いており、5時に終わると会社の仲間と軽く?飲んで帰って来るのだけど、毎晩軽くでは終わらず泥酔状態でお戻りになるのです。
だいたい夜の8時過ぎぐらい。当時親父の妹(その頃は独身でしたが)家から少し離れた交差点で、じいさんが歩いて帰ってくるのを待っているんです。帰って来るじいさんを見つけると、そのまま家まで走って帰ってきて、家族にじいさんの酔っ払い状況を伝えます。
「やばい!今日は、電柱を抱きしめよった」酔っ払いレベルA!じいさんはふらふらしながら、電信柱と恋しながら帰宅進行中。
家族は一気に部屋の片付け。さすがににちゃぶ台はないけど投げられないように、テーブルの上の醤油とかコップを片付け、その他凶器となりそうな物を見えない場所へ移動。ゴジラの上陸に恐怖に怯える市民と迎える自衛隊状態。
「帰ったぞぉ!」
この一言で戦闘準備!
「おかえりなさい、今日もご苦労さまでした」とばあさんが答えると
「なんやぁ!もどってきたとが悪いとやぁ?」と
早くも絡んでくるじいさん
「そんな事はないですよ、仕事疲れたでしょう?食事にしますか、お風呂にしますか?」
するとじいさん
「なんやぁ!お酒にきまっとろうが、飲んで帰ってきたとにもんくあるとかぁ?いつもぐじぐし言いやがって!」
ばあさんの「そんな事はゆうとらんでしょ!そげん声あげなくてもわかりますよ!」
この一言で戦闘開始!
一気にボルテージマックスのじいさん、玄関にあった仕事道具のスコップを握ると、玄関の床に叩きつける!「もんくあるとかぁ!」
その瞬間、ばあさんと親父の妹は風呂場に逃げる!風呂場には内側から鍵かけられるんで、とりあえずの籠城!
流石にそのドア破壊したら修理にお金かかるのわかるので、じいさんはドアの前で声をはりあげるばかり!
後は疲れてねてしまうのを待つしかない。
ガーガーいびき書き始めたら、戦いは終了。
毎晩こんなの続いたら家族は大変。親父は結婚と同時に家を出たので直接被害に合うことはないけど、それでも警察が絡んでくると、身元引受人になるのはいつもの事。でもじいさんは酒冷めると小心者で警察の前でだと、仔犬のようになっちゃう!
申し訳ない、申し訳ない、とひら謝りするのだけどその場逃れの言い訳。夜にはまたゴジラへと変貌致します。