パキラとピレア | もっと文章描きたい私の世界

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 赤ちゃんの葉っぱだと思っていたパキラちゃんの新芽がたった半月ほどで乳児から高校生くらいにまで成長した事に若干の恐怖すら覚える中、隣の先客ピレアちゃんはなんとも心細い。





 パキラちゃんはよちよちしていたのは数日の事、肉眼で見えるのではないかというくらいのスピードでむくむく大きくなって、もう大人の葉と見た目は変わらない。でも触ってみるとまだまだやわやわしていて、多感な思春期を思わせる。


 色も若々しい鮮やかな緑で艶もあり、お肌ぷりぷりのティーンエイジャーよろしく青春を謳歌している。


 一方ピレアちゃん。


 水はやる、日に当てて光合成もさせる、温度も高くも低くもなく、他の植物と同じようにしているのに、背の下半分は葉が弱って仕方ない。




 割と初期から居る方の子で、買ったそのときよりも背自体はだいぶ伸びた。それがまずいのだろうか。高さばかり出て栄養がうまく回らないのか。根が鉢に対して多過ぎるのか、水やりをするとあっという間に吸収する。パキラよりも、右隣のドラセナよりも、気付いたときには残りの水の量に差がある。


 下の方はほとんど裸だ。上へ上へ伸びていって、自分の下の方は置き去りかのような情けない姿になった。ならせた張本人の私は今から手のかけようが分からない。



 ただ、それでも可愛いのだ。見ていて癒される景色である事は確かだから、元気でいて欲しい。元気でいてもらう為には、私がお手入れしないといけない。ひょろひょろしている姿も面白くってなかなかいいけれど、健康でない。


 思い切って剪定してしまおうか。でもそれにしては上の方の葉が美しいのだ。もっと地上の星を見ようよ、空ばかり見ていないで。と、いう気持ちで、茎を短く切るときがいずれは来そうだ。


 せっかくうちに来てくれたのだから長生きして欲しいものである。私が君たちを選んだのだから。