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 栗について


「栗」と一言で言ってもとても多くの種類が存在します


今日は栗についての基本情報をご紹介したいと思います




掲載したお菓子の本文はコチラ↓


世界4大栗


├和栗
├西洋栗
├アメリカ栗
└中国栗

和栗

├原産地:日本
├サイズ:大きく風味が良い
├甘み:やや少ない
├渋皮:剥がれにくい
├果肉:割れやすい
├果肉の色:黄色
└品種:早生・晩生合わせて100種以上
※古くから朝鮮半島などのユーラシア大陸東部にも自生しており、産地が日本ではない和栗も市場に流通している

西洋栗

├原産地:南東欧または西アジア

├サイズ:日本栗よりやや小さい

├渋皮:剥きやすい

├果肉:しまっているが、粘り気は少ない

※病気や害虫に弱いため、日本国内ではあまり栽培されていない


アメリカ栗

├原産地:北米
├別名:アメリカンチェスナット
├渋皮:剥きやすい
├果肉:粉質で甘味が多く、クリ属の中でも香気に優れる
└果実の品質が良く、木材としても優れた品種
※1904年にニューヨークから発生した「焼き枯れ病(胴枯病)」で壊滅し、市場では殆ど流通していない
※病気に弱く日本国内での栽培は困難

中国栗

├原産地:中国華北地方
├サイズ:やや小型
├渋皮:剥きやすい (タンニンによって実に密着しない)
└果肉:しまって割れにくく、甘みが強い
※炒ったものを焼き栗として食べるのが定番で、硬いため調理には向かない
※栗の害虫であるクリタマバチの被害を受けやすく、哲西栗などの一部を除けば日本国内ではあまり栽培されていない

つまり、
和栗=国産とは限らないということですね

riberaでは地元兵庫県の農家さんの栗を100%使用しているため、利便上「国産和栗」ではなく「和栗」だけ、もしくは「兵庫県産和栗」と表記します

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栗とは?

├日本語:栗
├フランス語:Châtaigne (Marron) ※1
├英語:Chestnut
├ブナ目 ブナ科 クリ属
├収穫時期:8〜10月 (品種により異なる)
├イガが皮、鬼皮が果肉、渋皮と中身は
├日本では茨城、熊本などが主な産地
栗といえば丹波栗といわれるが生産数は国内全体の1%ほどなため希少

※1
フランスでは、マロン=マロニエの木の実
マロニエ=トチノキ (ムクロジ科トチノキ属の落葉広葉樹)
→日本の「栗」とは別物

マロニエの実は食用ではない
フランスでは食用の栗は「Châtaigne (シャテーニュ) 」と呼ぶ

しかし、フランスならではの曖昧さが有る…

フランス人と日本人の会話でこんなことが有ったとか……
フ:(マロニエを指して) マロンだよ
日:マロングラッセのマロン
フ:マロンは食べられないよ、食べるのはシャテーニュだよ
日:(1粒の大きな栗を指して) じゃあ、これはシャテーニュっていうんだね
フ:それはマロンだよ
日:え、これも食べられないの??
フ:食べられるよ
日:…どういうこと????

マロンはマロニエだと前述しましたが、「イガの中に大きな実が1つ入っているもの」も指すのです

マロニエ = マロン (食用ではない)
シャテーニュ
├イガに複数の実 = シャテーニュ (食用)
└イガに1つの実 = マロン (食用)

曖昧なフランスらしい表現ですね


そして、
和栗はマロンとは言わないのが本来は正しい、ということです

正しくはChâtaigneもしくはChestnut
ただし、前述した「世界4大栗」に書いた通り日本では西洋栗やアメリカ栗はほとんど作られていないので、フランス人やアメリカ人が言うChâtaigneやChestnutとは厳密には品種が違います

和栗を使用してマロンと名付けているのは和製フランス語みたいなものです💧
※アメリカでマロンは食用ザリガニ😂

日本人は格好良いと思うからか?何でもカタカナ外国語にしたがりますが、和栗をマロンと呼ぶのはちょっと軽率なので、ぜひ「和栗」「」と正しく呼んで下さい


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栄養素

ビタミンB1 (チアミン):糖質やアミノ酸の代謝に関わる

ビタミンCが豊富:ジャガイモと同じようにでんぷん質に包まれているため、加熱しても壊れにくい

カリウムが豊富:身体からナトリウムを排出する

タンニン (ポリフェノールの一種):強い抗酸化作用により、老化の防止やガンの予防になる


選び方

✽鬼皮 (外側の硬い皮) に張りツヤがある

✽鬼皮の茶色が濃い

✽指で押してもブヨブヨせず、しっかり固い

✽白いブツブツがついていない

✽穴が開いていない

✽座 (底の部分) に黒っぽい箇所がない

✽座がベタベタしていない


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和栗の品種

※↑pic:茨城県ポータルサイトより

(収穫の早い順)

丹沢

早生栗の代表的な品種
├8月下旬〜9月下旬
├産地は主に熊本、茨城など
├生産量が多く、9月初旬に販売されている栗の大半を占める (栗全体で見ると筑波に次いで多く作られ、全体の17%を占める)
├「乙宗」と「大正早生」を交配して品種改良された品質 (1959年に「くり農林1号」として農林認定)
├やや大粒 (約20~25g)
├表面の艶が鈍く光る
├裂果が多い
├肉質は粉質で粘りがなく、加熱するとホクホクになる
└甘味と香りは優しく、利平などに比べると弱い

国見

├早生種

├8月下旬〜10月上旬

├「丹沢」と「石鎚」を交配して品種改良された品種 (1983年に品種登録)
├粒は比較的大きい (約25g前後)
├甘味や風味が少なく、やや粉っぽい
├粘質で蒸してもホクホク感があまりない
└甘露煮などの加工用として使われることが多い

筑波

├中生種

├9月中旬~10月中旬 (成熟期は9月下旬頃)

├日本で生産量が一番多い (多収性と安定した品質の良さから)
├産地は主に熊本、茨城など
├「岸根」と「芳養玉」を交配して品種改良した品種 (1959年に「くり農林3号」として農林認定)
├やや大粒 (約20~25g)
├果頂部がやや尖り、先の周囲が粉を吹いたように白くなっているものが多い
├果肉は淡黄色甘味が有る
├栗らしい香りも強い
├加工用としても、そのまま茹でても美味しい
└貯蔵性が良い


銀寄

├中生種

├9月下旬~10月中旬 (筑波と同じ時期に市場に出回る)

丹波栗 (ブランド) の代表的な品種
├産地は主に愛媛、熊本、兵庫
├江戸時代中期 1753年から歴史を持つ
├大阪府豊能郡歌垣村倉垣 (現 豊能郡能勢町) 原産
├江戸時代後期の大飢饉の際に高値で飛ぶように売れ、多くの銀札 (当時の紙幣) を集めたことが名前の由来とされている
├以前は「銀由」「銀善」などとも呼ばれていたが現在は銀寄で統一されている
├粒が大きい (20~25g)
├他の栗に比べどっしりとした扁平な形
├ツヤがある
├座 (底) の部分との境界が太くくっきりしている
甘味が強く風味も豊か非常に品質が高い
├風に弱いため落実することがあり収穫量が安定しない
├貯蔵性がやや劣る
├美味しさは栗の中でトップクラス
渋皮煮などに向く

利平

├中生種 (遅くまで収穫することもある)

├9月中旬~10月下旬

├美味しいが収穫量が少ないことから幻の栗と呼ばれることもある
├原産地は岐阜県山県郡大桑村 (現 山県市)
├産地は主に埼玉、熊本、東京など
├生み出した土田家の家号「利平治」から付けられたとされている
├極めて異例の日本グリと中国グリを交配させた一代雑種 (1950年に登録) 
├ふっくらと丸い形 (20~25g前後)
├果頂部に産毛が沢山見られる
├光沢のある暗褐色 (色が濃く、深煎りのコーヒー豆のような色) で外見が美しい
├鬼皮はとても固く剥きにくい
├渋皮は比較的剥きやすい
粉質で食感が良い
甘みが強い
├茹で栗、蒸し栗にしたら利平に叶うものはいないと言われるほどの高品質
├肉質は固く脆い
└加工にはあまり向かないが、香りがしっかりとある品種なので渋皮煮にしても美味しい

石鎚

├晩生種

├10月上旬〜11月上旬

├収穫量は多い (風害に強い)

├「岸根」と「笠原早生」を交配されて改良された (1968年に品種登録)
├渋皮は剥きやすい
├赤褐色で光沢があり美しい
├やや大きい (25g前後)
├肉質は粉質甘味も香りもある
煮くずれが少ないので加工用原料としても適している
├渋皮煮にも向く
└貯蔵性が良い

岸根 (がんね)

├晩生種 (最も遅くまで楽しむ事ができる)
├10月上旬~11月上旬 (秋の気温が平年より低いと完熟しないため品質が落ちることもある)
├原産地は山口県坂上村 (現 岩国市美和町坂上地区)
├平家の落ち武者が大字岸根の白瀧山に城を築き、その山麓に自生していた栗の木に広島県から取り寄せた穂木を接ぎ木し、その方法を近隣の農民に伝授したのが起源とされている
├産地は主に山口、愛媛、茨城など
├他に類を見ない優良品種として国の推奨品種に指定され、広く知られるようになった
├「筑波」や同じ晩生種の「石鎚」の母親
├実はとても大きい (30g前後)
粉質で品質がよく甘味がある
├加熱すると崩れやすい
└貯蔵性が良い

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100種以上ある和栗の中から、代表的なものをご紹介しました

それぞれの甘みや肉質の特徴、加工への向き不向きを知ることで、そのまま食べるものや製菓などで加工する際に選ぶ基準になり、1ランクアップの仕上がりが期待できます

ぜひ参考にしてみてください


本日も最後までお読み下さりありがとうございます🙇❤️



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