オッペンハイマー | 白馬の王子様に乗って・・・

白馬の王子様に乗って・・・

16年連れ添った愛馬やっくるとのブログです。
これからは、映画のレビューを綴っていきたいと思います。

土曜日に鑑賞。

ノーラン監督らしく、時間軸が行ったり来たりして、

カラーであったりモノクロであったり。

私がきちんと理解できていない部分もあるので、

久しぶりにパンフレットを読み込んだ。

 

お話は・・・

 

解説

「ダークナイト」「TENET テネット」などの大作を送り出してきたクリストファー・ノーラン監督が、原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画。2006年ピュリッツァー賞を受賞した、カイ・バードとマーティン・J・シャーウィンによるノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描く。

第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。

オッペンハイマー役はノーラン作品常連の俳優キリアン・マーフィ。妻キティをエミリー・ブラント、原子力委員会議長のルイス・ストロースをロバート・ダウニー・Jr.が演じたほか、マット・デイモン、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ラミ・マレック、ケネス・ブラナーら豪華キャストが共演。撮影は「インターステラー」以降のノーラン作品を手がけているホイテ・バン・ホイテマ、音楽は「TENET テネット」のルドウィグ・ゴランソン。

第96回アカデミー賞では同年度最多となる13部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、編集賞、撮影賞、作曲賞の7部門で受賞を果たした。

2023年製作/180分/R15+/アメリカ
原題:Oppenheimer
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2024年3月29日

映画.comより

 

私は広島に生まれ、広島で育った。

原爆の父と言われるオッペンハイマーの映画を

観ないわけにはいかなかった。

 

オッペンハイマーはユダヤ人。

第二次世界大戦中であり、

ナチスに核開発を先行させてはいけないという思いが

強かったのは理解できる。

マンハッタン計画とは

第二次世界大戦中に米軍が進めた原子爆弾製造計画。

ナチスドイツが原爆を開発する恐れがあると

亡命科学者から警告を受けたルーズベルト大統領が

極秘裏に命じ、イギリスと協力して1942年夏から

グローヴス准将を責任者として計画が進み、

その開発を行ったのがロスアラモス研究所だった。

 

マンハッタン計画には多くの科学者が集められ、

原爆の開発を進めていくわけだが、

彼らは原爆装置を爆破させた時、ほんのわずかではあるが、

大気が発火し地球全体を破壊させる可能性があると

気付きながら計画を進め、ボタンを押した。

それがトリニティ実験。

マンハッタン計画の一部であり、

1945年7月16日にロスアラモスで行われた人類初の核実験だ。

この映画に、広島・長崎の惨状をは描かれていないが、

トリニティ実験での核の炎と爆発音は描かれている。

この実験に立ち会った人々は、

この爆弾がどれほどの惨状を招くかを

想像できなかったはずがないと私は思う。

何故、2度までも日本に核爆弾を落とさねばいけなかったのか???

これを決めたのは、科学者ではなく政治家であるわけだが、

2度の原爆に狂喜した市井の人々がいた。

 

この日を境に、

人類は核兵器の恐怖と共に生きていかなければいけなくなったというのに。

 

今、第三次世界大戦が起きてもおかしくない状況であり、

トルーマンが使ったように、

各国の中枢を預かる政治家の中に、

核のボタンを押す人間が出てくるかもしれない。

私達は真剣に、戦争について、核について

考えなければいけない。。。

 

これがこの作品の肝であると思うが、

天才科学者オッペンハイマーの科学への探求と

のちに敵対する政治家ストローズの人間臭いというか、

人の怨念との対比が巧妙であったと思う。

途中、聴聞会と公聴会が交錯され、

判り難いところもあったが、

これがノーラン監督の真骨頂だろう。

 

登場人物が多く、その名前を覚えるのが大変なのだが、

もう一度観てみると、よく理解できるような気がする。

 

世界の恒久平和を願う。