PERFECT DAYS | 白馬の王子様に乗って・・・

白馬の王子様に乗って・・・

16年連れ添った愛馬やっくるとのブログです。
これからは、映画のレビューを綴っていきたいと思います。

12/31 映画を観ようということになり、

妹家族と母が『PERFECT DAYS』を観たいと言う。

私はひとりでも観に行くつもりだったから、

勿怪の幸いなのだけど、

「ほんまにええんじゃね。」と念を押す(笑)

内容を知っていたわけではないけれど、

大衆受けする作品でもないと思っていた。

 

お話は・・・

 

「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。

東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダースが、東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いた。共演に新人・中野有紗のほか、田中泯、柄本時生、石川さゆり、三浦友和ら。カンヌ国際映画祭では男優賞とあわせ、キリスト教関連の団体から、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。

2023年製作/124分/G/日本
配給:ビターズ・エンド

映画comより引用

 

一年を締めくくるに相応しい作品だった。

まるで自分を観ているようだった。

毎日同じ時間に起きて、同じ時間に出勤。

同じ弁当を作って、同じ仕事をする。

同じ時間に帰って、同じ時間に寝る。

 

でも、同じ日は一日もない。

同じ仕事をしているようでも、

その日の患者さんの検査結果によって

Dr.への連絡は違っていて、

どうすることが臨床貢献出来るのか?を

常に考えている。

患者さんの病態は刻々と変化しているのだ。

 

同じ道の行き帰り、

川沿いの遊歩道を歩いて通勤。

渡り鳥の到来、美しい夕焼け、桜並木

そっと写真を撮ってみる。

 

夜は積読になりがちな本を

ベットに横たわって読みながら寝落ち。

寝落ちは一緒だわ(笑)

 

違うのはカセットテープ。

流石に、私はもう持っていない。

カセットデッキがないし、

お気に入りのカセットテープはデッキに絡まってしまい破損。

主人公平山のように、きちんと巻き上げないといけなかったね。

それにしても主人公平山が所持しているカセットテープ、

そこから流れてくる音楽のセンスの良いこと。

これは監督ヴィム・ヴェンダースのセンスの賜物だということね。

 

いつもの晩御飯を食べている時に、

プロ野球のTVの映像が出てくるのだが、

それはカープ対巨人で後楽園で丸が打ったシーンだった。

金にものを言わせて・・・

こんなこともこの監督は知っているのかと驚いた。

 

質素ではあるが、掃除が行き届き

きちんと整理された部屋、

部屋に置いてある木への気配り、

主人公がそのなりの教育を受けた人物であることは

容易に想像できる。

何らかの過去があるのではないかと思わせる。

姪が訪ねて来たことで、裕福な妹と再会し、

彼の人生に何かがあったことがわかる。

 

デジタルの時代に、アナログを感じさせる作品。

日々の豊かさを描いているように思う。

そう思っていた時に、能登半島地震が起きた。

非日常・・・

レビューが書けなくなった。

 

しかし、少し時間が経ち、

やはり日常を大切に生きていくしかないのではないのかと思う。

日々の豊かさに感謝して、一生懸命生きていく。

 

2024年。

悲惨な元旦から始まったが、

日常の豊かさを自然の美しさを感じて生きていきたいと思う。

 

HPを見てからUPしようと思ったが、

ビデオを全部見てからだとUP出来そうにないので、

思ったままを書いてみた。

 

木漏れ日を感じることが出来るヴィム・ヴェンダース監督と

表情だけで演じきった役所広司が素晴らしい。

 

そして東京のトイレ、

独創性があり、魅力的でした。