new and old wars | ヤカオラン=とうきょう学生グループのブログ

new and old wars

木曜日担当のあんべです音符

更新が金曜日になって申し訳ないですガーン

今日はゼミの発表だったんで、昨日は必死にレジュメ作りしてました

そして無事に今日発表が終わったんで、今はのんびり読書タイム~チョキ


私の所属しているゼミのテーマが『民族紛争と平和構築』でして、今回題材の本はメアリー・カルドーの『新戦争論 グローバル時代の組織的暴力』

カルドー曰わく、『1980~1990年代にかけて、特にアフリカや東欧において新しいタイプの組織的暴力が拡大し、この組織的暴力を新しい戦争と定義している。』新しい戦争の具体例を出すと、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、ユーゴスラビア紛争など、一般的に民族紛争とか内戦と言われているものだ。
以前までの戦争、世界大戦などのことを旧い戦争とカルドーはいうが、旧い戦争は地政学上または、イデオロギー上の目的に基づいているのに対し、新しい戦争は目標はアイデンティティ・ポリティクスに置いてる。ちなみにアイデンティティ・ポリティクスとは民族、氏族、宗教であれ特定のアイデンティティに基づく権力を追求する考えだ。

そして新しい戦争は現代のグローバル化時代の一つの側面でもある。っというのも、グローバリゼーシェンの文脈の中で、かつてのイデオロギー的あるいは領域的亀裂が包囲的、普遍主義的、あるいは多文化的な価値観に基づくコスモポリタニズムと、自習団中心主義的なアイデンティティに基づく政治との間で顕著になりつつある政治的亀裂に取って代わられようとしているのだ。

この亀裂がグローバルなプロセスに加わっている人々(=NGOや国際機関など)とグローバルなプロセスから排除された人々(=物乞いする人、地雷などの犠牲者など貧困層)の間にあるのだ。
以上を、アフガニスタンを例にして話してみると、イスラム原理主義者、過激派、タリバンは自習団中心主義的なアイデンティティ・ポリティクスを目標に戦っており、一方、RAWA(アフガニスタン女性革命協会)は平和主義的なコスモポリタニストである。

そしてタリバンのような自習団中心主義者とRAWAのようなコスモポリタニズムの間で暴力が生まれている。アフガンで起きている紛争も一見民族紛争、宗教戦争だが、民族vs民族ではなく、民族(アイデンティティ・ポリティクス)vsコスモポリタニストなのだと認識できる。このように戦争のパターンを新たに概念化し直すことが戦争解決に役立つのだ。