久しぶりの羽田空港。朝もやの中、第1ターミナルの展望デッキに足を踏み入れた瞬間、懐かしさと期待感が胸に込み上げてきた。カメラバッグの中で眠っていたレンズたちが、今日という日を待ちわびていたかのように、私の手の中で小さく震えている気がした。

空港に着くまでの道のりは、まるで昔の記憶を辿るようだった。電車を降りて、人混みをかき分けながら歩く familiar な道。しかし、久しぶりの訪問ゆえか、いつもと少し違う景色に目が留まる。新しくなったサインボード、リニューアルされた店舗。時の流れを感じずにはいられない。

展望デッキに到着すると、すでに何人かのカメラマンたちが三脚を立て、レンズを空に向けていた。彼らの真剣な眼差しを見て、自分も負けじと機材のセッティングを始める。カメラボディにレンズを装着し、設定を確認する。その一連の動作が、まるで体が覚えていたかのように自然に行えることに、少し安堵する[2]。

朝日が徐々に昇り、滑走路の向こうに広がる東京湾が輝き始めた。その光景に見とれていると、管制塔からの無線が聞こえてきた。まもなく、今日最初の離陸機が滑走路に向かうという。

心臓の鼓動が早くなる。ファインダーを覗き、フォーカスを合わせる。そして、待つ。

突然、エンジン音が轟き、JALのエアバスA350が滑走路に姿を現した。その優美な機体が、朝日に照らされて輝いている。シャッターチャンスを逃すまいと、指に力が入る。

A350が滑走を始めると、周りのカメラマンたちも一斉にシャッターを切り始めた。カシャカシャという音が、まるで拍手のように響く。私も負けじとシャッターを連射する。

機体が地面から離れる瞬間。その一瞬を捉えようと、全神経を集中させた。そして――カシャッ。

ファインダーから目を離すと、A350はすでに空高く舞い上がっていた。青空を背景に、白い機体が輝いている。まるで大空への挨拶をするかのように、翼を小刻みに揺らしながら。

その光景を見ていると、なぜか胸が熱くなった。久しぶりに撮影した飛行機の写真。それは単なる被写体以上の意味を持っているように感じられた。

人々の夢や希望を乗せて飛び立つ飛行機。その姿を写真に収めることは、ある意味で夢を形にすることなのかもしれない。そう思うと、改めてこの趣味の素晴らしさを実感した[1]。

朝のフライトラッシュが過ぎ去り、一息つくために空港内のカフェに向かった。窓際の席に座り、先ほど撮影した写真をカメラの液晶で確認する。思いのほか良い写真が撮れていて、思わず顔がほころぶ。

コーヒーを飲みながら、ふと周りを見渡すと、同じようにカメラを持った人々が休憩をとっている姿が目に入った。皆、同じ趣味を持つ仲間なのだと思うと、なんだか嬉しくなる。

カフェを出て、今度は第2ターミナルの展望デッキに向かった。ここからは、また違った角度で飛行機を撮影できる。到着する飛行機を狙おうと決め、ポジションを確保する[4]。

待っている間、隣にいた若いカメラマンと会話を交わした。彼は最新のカメラとレンズを使いこなし、驚くほど高度な技術を持っていた。その姿を見て、飛行機撮影の世界がますます進化していることを実感する[3]。

彼との会話の中で、飛行機撮影の魅力について改めて考えさせられた。それは単に美しい機体を撮影するだけでなく、その瞬間の空気感、光の具合、そして何より飛行機が象徴する人々の想いを一枚の写真に収めることなのだと。

午後になると、空港の雰囲気が少し変わった。出発便が増え、展望デッキにも人が増えてきた。家族連れや恋人同士が、飛び立つ飛行機を見送っている。その光景を見ていると、飛行機が人々の生活にいかに密接に関わっているかを改めて感じた。

夕暮れ時、最後の撮影に挑戦することにした。沈みゆく太陽を背景に、シルエットになった飛行機を撮影するのが目標だ。タイミングと光の加減が難しいが、何度か試すうちに納得のいく一枚が撮れた。

空が紫色に染まり始めたころ、今日の撮影を終えることにした。カメラバッグをしまいながら、今日一日の出来事を振り返る。久しぶりの飛行機撮影は、予想以上に充実したものだった。

帰り道、電車の中でふと思った。飛行機撮影は、単なる趣味以上のものだと。それは、人々の夢や希望、そして時代の流れを切り取る営みなのだと。そう考えると、また次はいつ羽田空港に来ようかと、早くも心が躍る。

家に帰り、パソコンに今日撮影した写真を取り込んだ。画面に映し出される一枚一枚の写真を見ながら、今日の思い出が蘇ってくる。そして、ふと気づいた。これらの写真は、単なる飛行機の記録ではなく、私自身の成長の記録でもあるのだと。

技術の向上はもちろん、飛行機や空港を見る目、そして写真を通して伝えたいことも、少しずつ変化している。それは、この趣味と共に歩んできた時間の証なのかもしれない。

明日からまた日常に戻る。しかし、今日撮影した写真を見るたびに、きっと心が躍るだろう。そして、次はどんな写真が撮れるだろうかと、期待に胸を膨らませるに違いない。

飛行機撮影という趣味は、私に多くのものを与えてくれた。技術や知識はもちろん、同じ趣味を持つ仲間との出会い、そして何より、夢を追い続ける大切さを教えてくれた。

これからも、カメラを手に羽田空港に足を運ぶだろう。そして、空に向かって飛び立つ飛行機たちの姿を、心を込めて一枚一枚撮影していくのだろう。

その先に何が待っているかは分からない。しかし、きっと素晴らしい景色が広がっているはずだ。それを信じて、これからも飛行機撮影の旅を続けていきたい。

最後に、今日撮影したJALのエアバスA350の写真を見つめながら、静かに目を閉じた。耳の奥で、かすかにエンジン音が響いている気がした。そう、これが私の「飛行機撮影」という旅の、新たな一歩の始まりなのだ[5]。

Citations:
[1] https://ontrip.jal.co.jp/people/17334235
[2] https://www.epson.jp/katsuyou/photo/article/ito01/
[3] https://tokyo-haneda.com/photo_contest/index.html
[4] https://superimpend63.rssing.com/chan-52564556/latest.php
[5] https://4travel.jp/travelogue/10204966