グリーンインフラとは?

グリーンインフラとは、自然の持つ多様な機能を活用して、地域課題の解決や生活環境の向上を目指す考え方や手法です。具体的には、公園、緑地、雨水庭、ビオトープ、屋上緑化など、様々な形態で実現することができます。

従来のインフラである「グレーインフラ」(コンクリートや鋼材で作られた道路、ダム、下水道など)に対して、グリーンインフラは「生態系インフラ」とも呼ばれ、生態系サービスと呼ばれる自然の恩恵を活用する点が特徴です。

グリーンインフラの主な効果

  • 雨水の貯留・浸透:洪水対策や地下水涵養に効果があります。
  • ヒートアイランド対策: 緑地や樹木は日陰を作り、建物の熱を吸収することで、都市の気温上昇を抑えます。
  • 生物多様性の保全: 生態系を再生し、様々な動植物の生息場所を提供します。
  • 市民の憩いの場: 公園や緑地は、市民の健康増進やリフレッシュ効果をもたらします。

グリーンインフラの具体例

  • 雨水庭: 雨水を貯めて、ゆっくりと地下に浸透させる庭です。
  • ビオトープ: 小さな生態系を人工的に作り、生物多様性を保全します。
  • 屋上緑化: ビルなどの屋上に緑地を造成することで、ヒートアイランド対策や断熱効果を期待できます。
  • グリーンカーテン: つる性の植物を壁面などに這わせ、日差しを遮ることで、室内の温度上昇を抑えます。

グリーンインフラの推進状況

近年、地球温暖化や都市化に伴う様々な課題に対して、グリーンインフラへの注目が高まっています。国土交通省では、**「グリーンインフラ戦略」**を策定し、官民一体でグリーンインフラの普及に取り組んでいます。

また、自治体でも独自の取り組みを進めており、助成金制度などを設けてグリーンインフラの導入を支援しているところもあります。

グリーンインフラの課題

グリーンインフラは、多くのメリットがありますが、課題もあります。

  • 初期費用: グレーインフラに比べて初期費用が高くなる場合があります。
  • 土地の確保: 都市部では、十分な土地を確保することが難しい場合があります。
  • 維持管理: 定期的なメンテナンスが必要となります。

まとめ

グリーンインフラは、持続可能な社会の実現に向けて、重要な役割を果たすことが期待されています。課題もありますが、官民一体となって取り組むことで、様々な地域課題の解決に貢献していくでしょう。