2023年10月21日から11月4日にかけて、東京ビッグサイトで開催されたジャパンモビリティショー2023。私は、自動車評論家として、このイベントを毎回欠かさず取材している。

今年のショーは、電動化が大きなテーマとなった。各メーカーが、次世代の電動化技術を搭載したコンセプトカーや市販モデルを続々と発表し、会場を沸かせた。

その中でも、特に印象に残ったのは、トヨタの「bZ4X」だ。この車は、トヨタが初めて量産するBEV(バッテリーEV)であり、その完成度の高さに驚かされた。

bZ4Xは、スタイリッシュなデザインと、広々とした室内空間が特徴だ。また、トヨタが独自に開発した高性能なバッテリーを搭載しており、航続距離は500km以上を実現している。

さらに、bZ4Xには、トヨタが開発した最新のADAS(先進運転支援システム)が搭載されている。このシステムは、高速道路での自動運転を可能にするなど、将来のモビリティのあり方を示唆するものである。

他にも、日産の「アリア」、ホンダの「e」、マツダの「MX-30 EV」など、各メーカーから魅力的なBEVが発表された。これらの車は、今後の日本の自動車業界をけん引していく存在になるだろう。

一方で、ガソリン車やディーゼル車の姿もまだまだ健在だった。トヨタは、次世代のガソリンエンジンを搭載した「GR86」や「BRZ」を発表し、スバルは、水平対向エンジンを搭載した「WRX STI」を発表するなど、スポーツカーへのこだわりをアピールした。

また、マツダは、新世代のSKYACTIV-Xエンジンを搭載した「MAZDA3」を発表し、トヨタは、ハイブリッド車の新たな技術を搭載した「MIRAI」を発表した。

このように、ジャパンモビリティショー2023は、電動化が進む一方で、ガソリン車やディーゼル車の存在感も健在であるという、日本の自動車業界の現状を映し出したイベントであった。

今後の自動車業界は、電動化がさらに進むと予想される。しかし、ガソリン車やディーゼル車が完全になくなることはないだろう。さまざまな選択肢が用意された中で、消費者が自分に合った車を選ぶ時代が、これから到来するのかもしれない。