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大林宣彦監督作品 『HOUSE ハウス』 
DVDを買ったので、30年ぶりに見てみた。いやー、凄いね。トンデモ映画ってこういった作品を言うんだ。

大林監督と言えば、尾道三部作がある。その中でも特に『さびしんぼう』が好きで、これを見て富田靖子さんのファンになった。
そういったイメージで『HOUSE ハウス』を見た。
前半は、大林監督得意の少女映画ワールドが展開。しかも、少女の同性愛、少女と父親の近親相姦を連想させるような撮り方が続く。お父さんの恋人役である鰐淵晴子さんの撮り方もおかしい。前半を見ただけで「狂ってる」って感じてしまう。
物語は、少女たちが夏休みを過ごすために訪れた家が、少女たちを食べちゃうってホラー映画。
当時上映された時は、日本版が『HOUSE』で、海外作品が『家』だった。
少女たちが次々と死んでいくのだが、そこも傑作だ!生首が「ファンタ~」と叫びながら大場久美子さん(ファンタ役)のお尻に噛みついたり、下半身パンティー姿の神保美喜さんがカンフーアクションで戦い、最後は電球の傘に喰われ下半身だけになっても戦ったり、無駄なヌードシーンがあったり、とにかく爆笑の連続。
先生役の尾崎紀世彦さんも最高だ。少女たちを助けるのかと思ったらバナナになっちゃうし、とにかく物語のセオリーを全てぶっ壊している。
この作品を芸人が作ったら「あいつはお笑いセンスが無い」ってボロカスに言われるだろうけど、名監督が撮ってるってのが凄いんだ。ホラー映画には数々の巨匠たちがいるが、ある意味その人たちを超えてるね。見終わってからも思い出し笑いが続いたもんね。いやー、本当に素晴らしいよ。今、これを作ったら映画会社、クライアント、出演者、全員から怒られて二度と映画作らせてもらえなくなるよ。バカ映画、トンデモ映画のトップクラスだね。今年も沢山映画見たけど『HOUSE ハウス』がトップかな?
映画はこうでなきゃいけないとか、ストーリー展開とか、そんなもん関係無いんだ。バカを徹底的にやり高速で突っ走る。中途半端は駄目。それがこの映画には詰まっている。

いゃ~、楽しかったな。大林監督、素敵な時間をありがとうございました。

HOUSE [DVD]