大学生の時のことです。
就職活動を目前に控えていたとき、父親が癌にかかりました。
僕がその事実を伝えられたのは父親からでした。病院での検査中は大学の講義に出ており、講義が終わり病院に向かいました。すると、父親からその事実を笑顔で伝えられました。
だけどその笑顔が本当の笑顔でないことくらいはすぐに分かりました。普段から冗談を言って人を笑かすのが好きな父親が、無理にそのいつものテンションで伝えようとしたのが分かると辛くて仕方なかったのを今でも覚えています。
後に僕と母親は、医者から余命半年を告げられました。半年があんなにも短かく感じたのは生まれてはじめての経験でした。
しかし、その後は父親も体力の限界がきて、三ヶ月後になくなりました。息をひきとる瞬間その場で立ち会っていた僕は本当に頭の中が真っ白になりました。
父親の死後から一週間くらいたったときのことでした。父親の生命保険が解約されていた事実を知りました。どうも父親が入院する一ヶ月程前に勝手に解約していたとのことです。
そして、家族に内緒でつくっていた借金の山がありました。もともと交通事故などで、多額の借金を抱えていたことは知っていましたが、それに加えて数百万円もの借金をしていたことなど誰も知りませんでした。
自己破産すれば借金は全てなくなるが、担保とされた家を失うということは考えられませんでした。
僕と兄が選んだ道は借金を返していくことでした。
当時大学生だった僕は大学を辞めて働こうとしましたが、すでに働いていた兄から『あと少しだし辞めるな。俺がどうにかする。』と、言われました。
とはいえども、兄も収入が多かった訳ではないので、僕も死ぬほどバイトをして2人で返していきました。結果、四年半という月日をかけて父親の借金を返すことができました。
その過程の中で、お金のない、借金に追われる生活を経験し、『絶対にいつかお金持ちになって人より良い暮らしをしてやる。』と決意が固まりました。
ここから[お金稼ぎ]へのチャレンジが始まったのです。