作家の五木寛之氏の「下山の思想」(幻冬舎新書)には、民(たみ)という漢字の語源が書かれていた。
それを参照すると、
「漢字源」によれば、民(たみ)という漢字は、
〈目を針で刺すさまを描いたもので、目を針で突いて見えなくした奴隷をあらわす。
(中略)物のわからない多くの人々、支配下におかれる人々の意〉ということだそうだ。
実に残酷な意味を含む漢字であるが、民、民衆、大衆を統治するときは、
彼らに真実を明かさず、意識を半眠り状態にしておけば、
不満も反乱も極小化できてまことに都合がいいという話である。
つまり大衆愚民化こそ統治原理の重要な基本路線ということになる。
偽書と言われる「シオン長老の議定書」第13議定には、
人々を日々の生活にあくせく追い込み、その追い詰められた心理を束の間解放するために、
3S(スポーツ、セックス、スクリーン)にうつつを抜かさせるようにいざなう、と言うように、
国民を衆愚化させ、真実に目が行かないように仕向けるというようなことが書かれている。
偽書だろうが、真書だろうが、世界はこの通りのことが起きている。
映像メディアは、無声映画からトーキー映画に変わり、
テレビ、インターネット、スマートフォンなど多岐に発展してきた。
スクリーンはテレビやスマホの普及でほぼ全国民に浸透している。
携帯の契約数はついに日本総人口を1%超えている。この電波スクリーンは、
毎日の食事と同じようにごく当たり前にわれわれの日常に入り込んでいる。