どこも似たりよったりだな |   ~狩人達の酒場~

  ~狩人達の酒場~

様々なことを書いてきましたが、当初の意図とは移りかわり、なんでもありの情報ブログ化してきました。まさに野次馬のごときブログです。いずれはいろんなハンター達の情報交換の場所をいずれは作りたいと思います。(ハンター×ハンター参照)

全文
http://www.asahi.com/national/update/0720/OSK200807200025.html


午前0時10分、運転手の40歳代の男性は、岡山県のパーキングエリアに寄った。3分100円のシャワーを浴びるためだ。運転中、ずっと目が充血していた。

「最後に家に帰ったとは……、記憶になかねえ」。シャワーから戻り、苦笑した。数えてみると熊本の自宅を出て13日目、ずっと車中泊だ。

男性の車は「傭車(ようしゃ)」と呼ばれる。季節で物流量は大きく変わり、運送会社は運べない荷物を同業者に流す。車両が足りないと、2次下請けに回り、これが4次、5次……と続く。もっぱら、これら下請け荷物を運ぶのが傭車だ。

午前2時、広島県内を走行中に突然蛇行し、車体がきしんだ。男性がしきりに目をしばたかせる。最寄りのサービスエリアに入り、運転席後部の1畳ほどのスペースに倒れ込んだ。「運転中の記憶がない。危なかった。寝るわ、1時間だけ」。

働き始めてから、すでに20時間。前夜は常備薬の精神安定剤を飲んで寝たという。

エンジンを切った車内は蒸し暑い。冷房をつけたいが、デジタルタコグラフが搭載されており、速度やエンジンの回転数などがメモリーカードに記録される。いつ走っていつ休んだのか、仮眠中はエンジンを切ったのか。グラフに打ち出され、「急発進・急加速」など16項目で5段階評価と点数がつけられる。

国は「エコドライブ管理システム」と名づけ、3年前から総額80億円の補助金を出して導入を進めてきた。「エコに反対するもんはおらんやろうけど、助手席にずっと社長が乗っとるようなもんで気分悪かよね」。エアコンをつけたまま仮眠し、給料から8千円を引かれたこともあった。

起きたのは4時間後の午前6時だった。「まだ、寝足りんね」。だるそうにハンドルを握った。

関門橋の白い鉄塔が見えてきた。「今日の仕事の連絡なかったねえ。あぶれちまったかなあ」。九州を目前に、次の仕事を心配した。

「連続運転は最長4時間」「最大拘束は1日16時間」――。国の労働基準に照らすと違反だらけだが、「違反なしじゃ、食っていかれん」。

運転手歴15年。高校を出て入った会社が倒産し、友人に誘われた。当初500万円あった年収は、ここ数年で300万円台まで落ちた。

給料は歩合制で、東京行きは1往復6万円。月に6往復はしたい。「5往復じゃあ、家族が食べておしまい」。ため息をついて、久しぶりの熊本の自宅へ向かった。


コメント

大分では半分の教員が不正をし、職を得て、そして手にした給与で、こういった人たちの労働の対価を消費していっています。

昨日だったか、高速でトラックが追突事故を起こしましたが、こういう背景がなければ起こらない事故はかなりあると思います。事故が起きれば、それはマクロ的に損失なわけで、そこは何故か考慮されない様な経済システム。

これと同じようなのが、NHKスペシャルでやっていた高速バスウィラーのドキュメントです。
動画:NHKスペシャル『高速ツアーバス 格安競争の裏で』
http://video.google.com/videoplay?docid=-7978300445495351803

日本の貿易黒字が、こういう労働事情によって生み出され、アメリカに流れていき、日本の為に使われていない現実。この国は幕末に開国し、貿易をして不均衡公益により富が流出、物価が上がった時の構図と何も変わっちゃいない。


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