核分裂は爆弾だが、核融合は未来エネルギー |   ~狩人達の酒場~

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2008/5/23   <荒田吉明・阪大名誉教授が常温核融合の公開実験に成功されました! >

 文化勲章受賞者で大阪大学名誉教授の荒田吉明先生が、本日2008/5/22(木)に固体内核融合(つまり常温核融合)

の公開実験に成功されました。簡単に速報としてお伝えします。歴史的な成果といえます。


 毎日、朝日、日経、日刊工業新聞、NHKなどマスコミも多数参加する中で行われた。


まず荒田記念館(大阪大学、吹田キャンパス)で40分ほど前段説明があった。これまで荒田先生の固体内核融合にい

たる道のりなどが説明される。

 次に、先端科学イノベーションセンターのインキュベーション棟C棟3Fにある荒田先生の実験室に皆が移動。

そこでHe4の検出と、熱エネルギーの測定が行われた。実験室は大勢の人でごったがえしの状態であった。

高分解能質量分析装置のモニターには、He4発生のスペクトルピークが明確に示されていた。

   D(2)+ D(2)=He(4) + エネルギー   ------①

                ここで()内は質量数


 He(4)の検出こそ、固体内でD(重水素)とDの核融合が起こったことを示す決定的な証拠である。

実験室の外には①式が貼られていた。


 発生熱エネルギーに対応する温度差データも出力されていたが、核融合のみの余剰分がいくら出たかは後から詳しく

解析しないとわからないだろう(化学熱を差し引かなければならないため)。


 実験後、荒田記念館に戻り、主にマスコミ関係者による質疑応答があった(我々一般人も一緒にいた)。

記者の方々から積極的に質問が出た。難しい分野であるためか、とんちんかんな質問も含めて、何度も食い下がるよう

に質問されていた。


 常温核融合の権威である高橋亮人博士(大阪大学特任教授)から「今回の結果は、ヘリウムがはっきり検出された

きれいなデータであったこと」が伝えられ、Congratulations!と高橋先生。拍手が沸いた。


 あとで高橋先生に聞くと、①は正確ではないだろう、つまりく左辺は2個のDでなく、本当は四つのDが反応に関わって

いるはずとのことであった。それは、重水素がパラジウム内で正四面体の頂点に配置されたときのみ4個のDが中心点

に向かって凝集し核融合が起こることを示唆する高橋理論による(TSCモデル理論)。理論面はまだまだ難しい状態で

あり、「しかし、たしかに起こっている!」と結果の方が先行しているのが常温核融合である。


 今回の実験を簡単にいうと、パラジウム合金微細粉末に重水素D2ガスを高密度に充填 する。熱も何も加えずに充填

するのである。その後、合金微細粉末の内部に侵入した重水素DがHe(4)に変化し、そのとき熱エネルギーが発生する

という実験である。


 非常にシンプルな実験系である。

熱もなにも加えずに重水素を充填されるだけなので、シンプルであり解析がしやすい利点がある。疑義が減る。

D2ガスとHe(4)の質量の差はわずかであるが、高分解能の質量分析装置でその差を捕らえることができる。今回、大きな

He(4)ピークのすぐ右横にD2の小ピークが出ているスペクトルを見ることができた。


 これまで世界中で多くの人により、常温核融合現象が確かに起こっていることが実証されてきた。しかし、公開実験と

いうところに、今回は大きな意味があると思う。

先生は1958年に熱核融合の公開実験に成功。50年後(2008)に今度は常温核融合の公開実験にまた成功された。

HotとCold の二つを成功されたわけで、歴史に残る偉業と言えよう。


「新エネルギー創生研究所」の創設を荒田先生は計画されている。早期の実現を希望しつつ、今回は本当に成功、

おめでとうごさいました。