ウルトラマンレオ第5話:泣くな!おまえは男の子 | 赤いてるてる坊主

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ウルトラマンと円盤生物を愛するブニョグ

第5話予告
恐るべき怪獣カネドラスの攻撃を前に

ゲンの苦悩は深まる
父亡きトオルへの愛か、カネドラスとの対決か
壮烈なる空中戦に迎え撃つMACの危機が迫る
急げレオ!地球の危機を護る者は誰だ!
さぁ、みんなで観よう!



ウルトラマンレオ第5話
『泣くな!おまえは男の子』
脚本:阿井文瓶 監督:東条昭平 特撮監督: ―
カネドラス 登場
放映日:1974(昭和49)/05/10


出演者 スタッフ

第4話:男と男の誓い






■悩めるトオル

スポーツセンターのメンバーは親子でピクニックに来ていた。
しかし、父を亡くしたばかりで母も既にいないトオルには苦痛でさえあった。

第1~4話までに設定の説明、レオ/ゲンの紹介、ダンの苦悩などを見せ、本作では父を亡くしたトオルのキャラクター描写に力が入ります。
ここまでがレオの物語を作る上で最重要なポイントと言えるでしょう。

第1~4話の脚本をメインライターの田口成光氏が担当、3話と4話に足りなかったトオルの描写を本作でサブの阿井文瓶氏が担当します。物語の序盤を第5話までかけて丁寧に構成しているなという印象です。
なお本作と次作も特撮監督のクレジットがありません。本編の東条昭平監督が兼任しているのか?

 

 

すっかり元気を無くしているトオルに対し、妹のカオルは意外と元気です。
(トオルの心情に重点を置きたかったのでカオルの描写は抑えたかったという理由もあるかも?)
カオルにはお兄ちゃん=トオルがいるので寂しさも幾らか紛れているのかも知れません。しかし、トオルくんは自身がお兄ちゃんなので甘えたり頼ったりする存在がいません。


百子はカオルの母に、ゲンはトオルの父になると声を掛けるが、怪獣出現の報せを受け出動することになったゲンはトオルを傷つけてしまった…。





■凶剣怪獣カネドラス

頭部の大きな角と腕の小さな翼のようなものが特徴的なカネドラス。
MAC対カネドラスの戦闘シーンには「深紅の若獅子」(M1T3)が流れます。基本的にはレオの戦闘シーンに流れる曲なので珍しい使用例ですが、このシーンにも合っていて盛り上がります。

カネドラスの必殺技は頭の角を飛ばす攻撃です。

 

アイスラッガーやん!

 

 

マッキー2号、3号を撃墜したカネドラスは空へ飛び去った。ゲンはトオルを気にかけたため合流が遅れ間に合わず。
本作は物語冒頭に怪獣が登場しながらレオが戦わないパターンの一発目に当たります。他のウルトラシリーズではさして珍しくはありませんが、初期のレオでは珍しいと言えます。

レオ初期の怪獣や星人は物語の構造上「ゲンが特訓して敵を倒す」という「乗り越えるべき障害」としての役割が強調されます。
姿形に如何にも凶悪そうな特徴(主に刃物)があったり、MACがヤラレ役を演じたり、レオが一度敗れることで、「強い敵」としての印象は十分残ります。
その反面、例えば怪獣が地面から出現するとか宇宙から飛来すると言ったお馴染みの演出が省かれてしまう事が多く、星人も言葉を喋ったり人間に化けたりもしないため、キャラクターとしての個性は薄くなりがちです。

正直物足りなさは否めませんが、没個性化してしまで役割に徹した彼らが愛しくも感じます。





■奇妙な特訓機械

ダンがゲンに言った
「トオルに対するお前の気持ちはよくわかる。しかしお前が遅れたために何百人ものトオルができたかもしれんのだ」
という台詞は重いです。
レオ初期は怪獣や星人が暴れると確実に死人が出るという事実を感じさせるシーンが多いです。


そして実際にカネドラスを見ていないゲンはカネドラスに見立てた機械相手に特訓を開始した。

「ダンが考案し、大村の作った奇妙な機械」とナレーションに言われてしまうほど本当に奇妙なもの。

 

それにしてもダンが考案しながらMACに作らせなかったのは何故か?ゲンが怪獣相手に特訓していると知られると怪しまれる?スポーツセンターの仲間に怪しまれてないのか?こんなものを作り上げてしまう大村は何者なのか?謎は尽きない…w


夜通し特訓に励むがトオルに何もしてやれないことが虚しいゲン、跳び箱の練習に身が入らないトオル。ゲンはトオルを救うことができるのか?
そんな折、月の裏側に姿を隠していたカネドラスが再び飛来してきた。





■カネドラス接近

大村さんと猛が生徒たちに避難を促すが、投げやりに跳び箱の練習を続けるトオルは逃げようとしない。特訓が完成していないゲンも残る。
特訓中、偶然にも大村が真剣白刃取りを披露!これがカネドラス攻略のヒントに…。

近くでカネドラスとMACが交戦する危険な状況で、「俺なんか怪獣に殺されてしまえばいい」と自暴自棄なトオルにゲンはビンタをする。

冒頭のいじけているシーンもですが、トオル役の新井つねひろ氏は目の演技が光ります。後のエピソードでも発揮されるので注目してみてください。


そこへトオルを心配したカオルが戻ってきた。カネドラスの炎からカオルを守るため夢思わず飛び出すトオル!「俺なんか怪獣に殺されてしまえ」と言っていた彼が怪獣から妹を守ろうとしている!
熱くて泣けるこの場面をBGM「M7」が彩ります。「深紅の若獅子」をローテンポにアレンジした曲です。レオは泣かせるBGMが充実しています。


車の中へ逃げ込んだトオルカオル兄妹にカネドラスが迫り、ゲンはレオに変身する!






■父の声

レオはカネドラスの攻撃から兄妹を庇い、耐え続ける。トオルの耳に父の声が聴こえてくる。

「トオルはお父さんの子だろう?ただそれだけかな?
カオルのお兄さんじゃなかったのかな?
お父さんがいなくて寂しいからといって
それを忘れてやしないか?
甘えたり、拗ねたりする前に、
カオルのお兄さんだってことを思い出してみるんだよ」


声優業もされていた二見忠男氏の語り掛けは情感があって味わい深いです。
BGM「M51」の優しい曲調が父の愛情を引き立ててくれます。





■空中真剣白刃取り!

トオルの声援を受け、立ち上がるレオ。反撃開始と同時にかかる主題歌が最高に盛り上げます!イントロの前半をカットした編集も見事!

レオはカネドラスの角を空中で真剣白刃取りして投げ返し、目に突き刺し、チョップを手刀にする必殺技「ハンドスライサー」でカネドラスを真っ二つ!
師匠であるセブンと同じような技を攻略したのは意味で師匠越えの第一歩かもしれません。

 

 

「ハンドスライサー」は打撃技ではレオキックの次に使用数が高く、痛め技にもトドメの一撃にも使える便利な技です。レオらしくて好き♪




■跳び箱

すっかり明るさを取り戻したトオル。ゲン、カオル、ダン、大村が見守る中、ついに跳び箱も克服!

この場面は和みますね。
お兄ちゃんはりきり過ぎちゃってごめんなさいと話す出来た妹のカオル、様子を見に来て声援まで送るダン、はしゃぐ大村、成功したトオルを抱きかかえるゲン。何もかもが微笑ましいです。

個人的に、本作のように締めにBGM「M50T2」を使用するパターンが好きです。平和で爽やかな余韻を残してくれます。





■その他メモ

・タイトルバックはBGM+効果音、「ウルトラマンレオ!」の掛け声はサブタイトル画面。
・冒頭「静かな湖畔」を歌う場面があるが、静かな湖畔のアレンジ曲(M60)が作られていたにも関わらず未使用に終わる。

・本作からゲンの道着が黒色に変わる。

・マッキーのコクピットから飛び出したトオルを追うゲンや大村を目視する赤石の主観カットをカメラ前にコクピットパーツを設置することで表現。
・レオがトオルカオル兄妹の隠れる車を庇う場面、本編シーンでは車の窓の向こうの赤い大きな布でレオが守っていることを表現。

・変身ポーズは両手をクロスして左拳を突き出すタイプ、掛け声は「レオーーーッ!」

・カネドラスの攻撃に耐えるレオの生々しい呻き声は本作と次回のみ使用された。

 


<第5話ゲスト>

梅田兄妹の父:二見忠男

<必殺技>
真剣白刃取り、ハンドスライサー

<MACメカ>
2号、3号

<MAC隊員>
黒田、青島、赤石、白川、桃井

<スポーツクラブ>
トオル、カオル、百子、猛、大村





 

やじるし

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