ウルトラ怪獣アートワークスにデザイナー名が記載されていないのでまとめてみた【帰マン編】 | 赤いてるてる坊主

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ウルトラマンと円盤生物を愛するブニョグ


2月18日発売の『ウルトラ怪獣アートワークス1971-1980』を購入しました。

 

この本は帰ってきたウルトラマン、エース、タロウ、レオ、80、グレート、パワードの怪獣・ウルトラマン・防衛隊関連のデザイン画を収録したA4サイズの画集です。

現在円谷プロに保管されている画稿のみ扱われています。

そのため過去の資料に収録されながら今回は未収録の画稿もありますが、第二期ウルトラ以降のデザイン画を大きめのカラー写真で大量に収めた貴重な一冊です。

該当作品のファンは絶対に買うべきですよ!

 

一つ残念なのは「公平性や未確認情報の混乱を避けるため、最低限の説明にとどめ」(あとがき)という方針に基づき、デザインの担当者名が記載されていないこと。

理解はできますし画稿に記載された署名で判別可能なものもありますが、ちょっと不便です…。

 

そこで僕の所持している数少ない資料をチェックし、デザイナーをまとめてみることにしました。

 

ただし、資料が全て正しいとは限らない(資料によって情報が異なる場合がある)ことを断っておきます。

 

「あの資料ではこうなっていた」という情報や、明らかな間違いのご指摘などがあれば助かります。

 

 

 

 

 

 


帰ってきたウルトラマン

(1971-1972年)

 

IMG_5492.JPG

 


池谷仙克(いけや のりよし)
タッコング(1,2)、ザザーン&アーストロン(1)、サドラ(3)、キングザウルス三世(4)、グドン&ツインテール(5,6)、ゴルバゴス(7)、ダンガー(9)、ステゴン(10)、モグネズン(11)、シュガロン(12)、キングマイマイ幼虫・成虫(32)
本編美術、全体の構成、隊員の装備、作戦室など

 

高橋昭彦(たかはし あきひこ)
※現在は井口昭彦(いぐち あきひこ)名義
オクスター(30)、プリズ魔(35)、ナックル星人(37,38)、バルダック星人(39)、スノーゴン&ブラック星人(40)、ビルガモ&バルタン星人Jr.(41)、パラゴン&ストラ星人(42)、コダイゴン&グロテス星人(43)、グラナダス&ケンタウルス星人(44)、ロボネズ&メシエ星雲人(45)、レッドキラー&ズール星人(46)、フェミゴン(47)、ヤメタランス&ササヒラー(48)、ミステラー星人善&悪(49)、キング・ボックル(50)
特撮美術、マットアロー1号、2号、ジャイロ、基地など

 

大沢(澤)哲三(おおさわ てつぞう)
マットシュート、マットサブ、スペースアロー、本編関係の小物など


熊谷 健(くまがい けん)
シーモンス&シーゴラス(13,14)、エレドータス(15)、テロチルス(16,17)、ベムスター(18)、マグネドン(20)、ビーコン(21)、ザニカ(23)、バキューモン(23)、クプクプ(24)、キングストロン(24)、ザゴラス(25)、ノコギリン(26)、ムルチ(33)、ブラックキング(38)


利光貞三(としみつ ていぞう)
サータン(19)

※t.toshiという署名からこの説が濃厚とされる


末安昌美or末安正博
ゴキネズラ(22)

※資料によって異なる


米谷佳晃(よねたに かこう)
グロンケン(27)、バリケーン(28)、ヤドカリン(29)、プルーマ&ゼラン星人(31)、レオゴン(34)※原案:小林晉一郎


作者不明
ウルトラマン、ゴーストロン(8)、ドラキュラス(36)、ゼットン二代目&バット星人(51)

 

 

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作者不明について―

 

ウルトラマンに関しては時代によって情報が二転三転しています。

池谷氏や高橋氏の説もありましたがお二人ともこれを否定。

当初は初代ウルトラマンを踏襲する予定だったが、デザインがそのままでは新規契約に支障をきたすと判断され、ウルトラマンの商品化用三面図に末安正博氏(当時の営業課長)が二重線を付け足したとする資料もありました。

最近の資料では「TBSサイドで決定したもので特定のデザイナーによるものではない」となっているようです。(twitter情報)

 

怪獣は時期的にゴーストロン=池谷氏、ドラキュラス=高橋氏or熊谷氏or米谷氏、ゼットン二代目&バット星人=高橋氏、のような気はしますが全く違う人物である可能性も否定できません。

 

デットンも不明ですが、テレスドン着ぐるみの流用怪獣なのでデザイン画は元から存在しないと思われます。

 

 

 

 

僕が確認できたのはここまでです。

 

各デザイン担当者についても解説を入れるべきかもしれませんが、偉大な方々ばかりですので僕なんかが書くのはおこがましいですw

是非、検索して調べるなり、書籍を入手してインタビューを読むなりしてほしいです。

今回参考にした資料は記事の最後に記載しました。

特に池谷氏や高橋(井口)氏のお話は興味深い内容ばかりですよ。

 

池谷氏は昨年10月25日にお亡くなりになりました。昨年12月に出版された『特撮秘宝vol.5』の追悼特集もおすすめです。

 

改めて、池谷氏のご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

エース以降の作品も記事を書くつもりですが、わりと忙しいのでゆっくりやろうと思います。

 

 

 

【参考資料】
ウルトラ怪獣アートワークス1971-1980(出版ワークス)

語れ!ウルトラ怪獣(KKベストセラーズ)

大人のウルトラマン大図鑑 第二期ウルトラマンシリーズ編(マガジンハウス)

帰ってきたウルトラマン大全(白石雅彦/双葉社)

帰ってきた帰ってきたウルトラマン(辰巳出版)

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