早いもので、もう3月も半ばに差し掛かりました。

 

先週は雪も降る寒さでしたが、今週は春の陽気。

 

桜の開花の便りも聞こえてきそうですね。

 

さて早春の天候が冴えない時期、読書なんていかがでしょうか。

 

今回ご紹介するのは、こちらの作品です。

 

 

 

 

 

『魔女と過ごした七日間』

東野圭吾 著作

 

やじおんガイド:☆☆☆(魔女シリーズは軽めかなぁ)

 

〜帯から〜

その夏、信じられない事ばかり起きた。

AIによる監視システムが強化された日本。

指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事が殺された。

「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」

不思議な女性・円華に導かれ、

父を亡くした少年の冒険が始まる。

 

 

『ラプラスの魔女」以来読む、魔女シリーズです。

 

確か、もう1作あったと思うんですが、そちらは未読なんです。

 

しかもこの作品も1年近く積読本でした。

 

やれやれ・・・

 

ようやく読了となりました。

 

まずはやじおんガイドから。

 

今回は星3つとしました。

 

次にストーリーですが、簡単だけど帯解説が的を得ているので基本的に委ねましょう。

 

この物語は『ラプラスの魔女』に登場した円華が脇をガッチリと固めてます。

 

主人公は殺された元刑事の息子、陸真です。

 

この物語の日本は少し先の時代なのでしょうか。

 

ちょっとSFチックな感じです。

 

そうだなぁ、10年程度先かな。そんな印象です。

 

全ての物理法則を瞬時に計算し、事象を操るエクスチェットの円華と、

 

中学3年生の陸真が父親を殺した犯人に迫っていきます。

 

もちろん警察も動きますが、この頃の警察はAIと監視カメラ、

 

そしてDNA解析が主軸の捜査となってます。

 

そんなところがSF然とさせている要因です。

 

犯人探しの冒険は怖いもの知らずの円華によって核心へと向かうんですが、

 

陸真の心情はよく描けていると思います。

 

円華の正体は未だ全容が見えないまま。

 

恐らく次回作へと繋げるためでしょう。

 

時折東野さんは、息抜き作品的なものを執筆するイメージがありますが、

(あくまで個人的な印象です)

 

このシリーズもそうなのかな、と感じました。

 

それが星を3つにした理由です。

 

物語そのものは適度な疾走感があって、どんどん読み進めていけます。

 

読者を置いてけぼりにもしてない感じがしましたが、

 

ラストの展開だけは唐突すぎるかな、と思いました。

 

いきなりホンボシが登場して、事件を白日の元に晒しながら、

 

彼らを亡き者にしようとします。

 

サスペンスの常套手段とも言えますが、ちょっと唐突すぎるかなぁ。

 

イメージとしては、ドアを開けたら全て解明、という感じ。

 

これ以上はネタバレになるので控えますが、

 

もう少し、丁寧さが欲しかった気がします。

 

それで星3つです。

 

理工系の東野圭吾さんらしさは全開です。

 

色々と専門的知識が必要そうなアイテムが散りばめられてますが、

 

説明も必要最小限で簡素、でも判りやすい。

 

ここはかなり重要なポイントです。

 

作家さんの専門分野だと、説明が長すぎて、その分野の理解は深まるけど、

 

肝心の物語が薄くなるものが多々ありますので。

 

ちょっと肩の力を抜いて、陸真と一緒に魔女と冒険を楽しむ。

 

そんな読み方が似合う作品かなと、感じました。

 

 

さて次の作品ですが、久しぶりに医療モノを読もうと思ってます。