今週の天気は初夏のような気温かと思えば、真冬に戻る。

 

たった1週間で季節をいくつも行き来するなんて、

 

本当にどうかしてますよね。

 

こんな時は体調を崩しやすいので、部屋で静かに読書というものいいものです。

 

さて今回も引き続き、誉田作品です。

 

ご紹介するのは、こちらの作品です。

 

 

 

 

 

『マリスアングル』

誉田哲也 著作

 

やじおんガイド:☆☆☆☆(やっぱり姫川シリーズは面白い)

 

〜帯裏から〜

角度にこそ力があるんだ

塞がれた窓、防音壁、追加錠・・・

監禁目的の改築が施された民家で男性死体が発見された。

警視庁捜査一課殺人班十一係主任、姫川玲子が特捜に入るも、

現場は証拠が隠滅されていて糸口はない。

犯人はなんの目的で死体を放置したのか?

玲子の天性の勘と閃き、そして久江の心に寄り添う聞き込みで捜査が進展すると、

思いもよらない人物が浮かび上がってきてー

「真実なんてものに、なんの価値があるんだよ」

魚住久江が合流し、姫川班が鮮烈な進化を遂げるシリーズ第10作!

 

 

久しぶりの姫川玲子シリーズです。

 

多分4年くらい前に読んだ『背中の蜘蛛』以来かな。

 

確か連作短編が出てたかと思いますが、そちらは読んでいないので、

 

本当に久しぶりの姫川シリーズです。

 

ちょうど読みたいなぁって思っていたので、楽しみました。

 

まずはやじおんガイドから。

 

今回は星4つとしました。

 

安定の姫川シリーズといったところでしょうか。

 

次にストーリーですが、こちらはいつものように帯裏解説に委ねます。

 

さて今回から魚住久江巡査部長が姫川班に合流します。

 

ストロベリーナイト事件以降、様々な難事件を解決しながらも傷付いた姫川班。

 

一度は解体され、ようやく落ち着きを取り戻した感があります。

 

かつての仲間である菊田も健在。

 

その他の面々はそれぞれの場所に散ってますが、

 

本作では何人かがちょこっと顔を出してます。

 

ガンテツこと勝俣、玲子ちゃん大好き意外な活躍を見せる井岡。

 

玲子の良き理解者の今泉警視など。

 

読んでいると懐かしく、そしてドラマの配役のイメージで蘇ります。

 

もう、観れないですよね・・・

 

ちょっと思い出に浸ってしまいましたが、

 

今回の事件もちょっと変わってます。

 

当初はなんの変哲もない死後2週間の男性に他殺体が発見されたことに端を発します。

 

でも発見された場所が異様。

 

空き家の中は監禁目的に改築されている。

 

でも何かがおかしい。

 

死体の身元がわからない。

 

そんな事件に姫川班が臨場するわけです。

 

そして事件は意外な方向へと向かい始める。

 

いくつものピースを散りばめ、それがうまく噛み合わないまま。

 

わずかな糸口を手繰ると見えてくる背景。

 

それは・・・

 

その背景がまた、外交問題なんですよねぇ。

 

最近の誉田作品は、

 

特に隣国の半島や対岸の大国絡みの外交問題を背景にするのが多い気がします。

 

もちろん、その問題そのものに大きく関わるという事件でないんですが。

 

姫川シリーズの特徴として、節や章の終わりに描かれる心の声。

 

姫川だったり、菊田だったり、魚住だったり。

 

それが時にクスッと笑えたり、ちょっとナーバスだったり。

 

それがとても人間味があって、好きなんです。

 

ちょっとだけネタバレすると、玲子は恋をしてます。

 

少女時代に暴行され、それが警察官を志すきっかけにもなった玲子。

 

その傷が癒えることはないけれど、少しずつ前に進んでいるということでしょうか。

 

そんな玲子とは違うキャラの久江もまた、すごくいい味出してます。

 

もしかしたら、最強のバディになるのではないでしょうか。

 

これからが楽しみです。

 

さて星を一つ減らしたのは、先述の背景。

 

やっぱり事件の背景、というよりきっかけのひとつとしては大きすぎるかな。

 

それ位ですね、不満点は。

 

今回もあまりグロテスクなシーンは多くありませんが、とっても嫌な性描写はあります。

 

直接的な表現でないですが、本当にやるせないです。

 

少し捻りが効いた事件は面白いし、ピースがはまり出してからは、

 

ページを捲る手が休めなくなりました。

 

姫川シリーズファンの方はもとより、サスペンスファンにお奨めできる作品です。

 

 

さて次はどうしようかなぁ。

 

サスペンスが続いたから、ちょっとヒューマンドラマでほっこりしようかな。

 

それとももう1冊残っているサスペンスを先に読むか。

 

ちょっと考えますね。