古い町並みが保存されているとは言うものの、
それなりに改修などは必要でして、一見して新しいとわかる民家も多く、
また、もう誰も住まなくなっているのか、荒れ放題の古民家も散在しています。
所々に掲げてある看板の中にも味わい深いものもありまして。
煙草店、酒屋、牛乳店などはわかるものの、
「創業明治十五年山直」って一体何の店なんでしょう。
入り口は閉まっているし。
道行く人に尋ねてみると、どうもうどんなどを出す大衆食堂のようです。
さらに続けて「あの野球選手山口哲治さんの実家なのよ。」
山口哲治？
知らへんな～。
と思って、帰ってきて調べてみると、
「智弁学園高校エースとして、1977年の春・夏連続で甲子園に出場。春はベスト4入り、夏は3回戦敗退の結果を残している。その年のドラフト会議で、近鉄バッファローズから2位で指名を受け、プロ入りした」
そういえばなんとなく記憶にあるような。
こんな道しるべがあったので、道を右に折れて坂を下って行きました。
途中に大正時代の吉野川の写真が掲示してあって、
随分栄えていたようです。
船着場、どんなんだろうと思っていたのですが、
今は船着場はないようです。
川端の堤防を上流のほうに向かって少し歩いて新町通りの方を眺めると、
なにやら石碑とふるい民家が目に入ったので、
また新町通りへもどることに。
そこには松倉公園があって、石碑と見えていたのは松倉重政の顕彰碑でした。
平成20年に建てられたということです。
後ろの古民家の二階部分は新町通りの他の民家とは全く様相が異なりますね。
公園で座っていた町の人によると、「柳川守」さんの親戚の家だとか。
柳川守ってだれ？
これまた帰ってきて調べると、昭和28年17歳の時にNHK・毎日コンクール
（現日本音楽コンクール）の第一特賞を得、20歳の時にパリ音楽院に留学、
僅か一年で首席で卒業されたとか。
CDが無いかAmazonで検索したのですが、ヒットしませんでした。
公園内には「新町通」のことを書いた石碑が。
文章は五條市出身の児童文学家「川村たかし」さんが、
そしてその揮毫は彼の娘さん「川村優理」さんです。
川村たかしさんといえば、小学校の時の感想文の課題で
「山へゆく牛」や「北へ行く旅人たち」を読んだことがあります。
新十津川村物語のシリーズですね。
十津川村の住人が北海道に移住し様々な困難を経て「新十津川村」を作って行きます。現在も北海道に新十津川村がありますね。
再びこのような道しるべがあり、「まちなみ伝承館」も。
ここは明治時代に建築された民家を改修整備してつくられた施設です。
中に入ると新町通りの歴史や文化に関する資料が展示され、
また、映像も流れています。
有料ですが（市外者は400円/時間、市内者は半額）和室で休息することもでき、
一番奥の六畳の和室からは中庭を見ることもできるそうです。
