乳房再建・・・それは突然決まった。

術前化学療法のTCH療法が、順調に終了し、4回目の抗がん剤投与から3週間後の受診時のことだった。

MRI画像を見ながら主治医がおっしゃった。
「しこりがすごく小さくなってるよ。これなら再建手術もできる。やってみますか?」

私は、当時、乳がん情報は、あえて避けてきた。
だから同時再建手術のこともよくわかっていなかった。
ただ、その頃、インプラント手術をして、外見はほとんど術前と変わらない人たちの写真集が話題になった。
とてもきれいで「いいなあ」って思っていた。

しかし、その手術とは異なる施術だ。見かけも違うだろうな。どうしよう・・・と一瞬困った。
その時、主治医の背後で話を聞いていてくれた、ママ友看護師が、私にサインを送るかのように
大きくうなずいた。
私は「そうかあ・・・じゃあトライしてみようか!」とすぐに心は決まった。

・・・・・その12日後の1月中旬、朝9時から、手術が行われた。

手術室に一歩入った時、手術スタッフがにこやかにお出迎えしてくださった。
「確認のため、お名前を」と言われ思わず、結婚前の旧姓でフルネームを言ってしまった(*v.v)。
自覚はなかったが、かなり緊張していたらしい。
私の天然パワーで、よけいに和やかムードになってよかった。

手術台に寝かされ、さあ麻酔を!って時まで、主治医の姿を見なかった。
私は、前日主治医との確認事項を寝る前に・・・と思い、急いで伝えた。
「あの、もしリンパ転移が消えていたらリンパは取らないでくださいね。センチネルリンパ生検をやってから
決めてくださいね。」・・・この場におよんで、心配症な私は、そんなことを言った。

「わかりました」と言ってくれた若い先生の言葉の後、すぐに眠りについてしまった。

目覚めたのは、手術から30分ほど経ってからだろうか。
朝?夜?なんだかよっく寝たなあ・・・

それもそのはずだ。10時間以上眠っていた。

術後、執刀医から主人が説明を受けた。
執刀医は乳がんを採るのは、主治医。その後、タッチ交代して、再建は形成外科の先生。

主治医からは、リンパ転移が残っていたので採ったことの説明があったそうだ。

形成の先生は、開口一番「奥さん、何かスポーツしてました?」と逆に質問してきたそうだ。

どういうことかというと・・・
ガンを採るのは時間的にも順調に進み、3,4時間(主人がよく覚えていない)
しかし、その後の再建に6時間か、それ以上の時間を費やした。
その原因が、私の背中のお肉の質にあった、らしい。

手術前、再建用のお肉はどこのを使うか、ということになり、成形の先生に診察していただいた。
私は、数年前に卵巣のう腫の腹腔鏡手術を受け、小さな傷がお腹にあった。
私は気にならないほどの傷だったのだが、成形の先生はとにかく外見にこだわりがある。
で、背中のお肉に決まった。

その背中のお肉が、ものすごい硬くて筋肉がアスリート並みだったという。
・・・私、スポーツってほとんどやってないんだけど、当時通っていた30分筋トレの効果なのか!?

で、血管が100本以上も通っていて、その血管を切ってつなげるのに、ものすごい時間を要した。
あと、気力と体力も!!
お肉を移動しては、寝ている私をみんなで座らせて左右のバランスも見ていたらしい。
想像すると、恥ずかしい(//・_・//)

とにかく形成の先生チームが、「うわっあせる」ってびっくりした、と思われる血管も丹念につなげていただき
ようやく無事手術は終了した。

今、私の右胸乳中央部、直径約10センチの円形部分は、日に焼けた背中の皮膚で覆われている。
そして、背中、というよりウエストと肩の中程には、斜めに20センチほどの傷が通っている。
かなり太めの。

私の同時再建手術、全摘してからの再建だったから、術後もかなりの体への負担はある。
背中のお肉と皮膚を採って、ギュッと縫い合わせたわけだから、いつも背中をわしづかみにされている
感覚がある。
傷の縫い直し手術も1時間ほどの部分麻酔だが、2回受けた。

肝心の左右のバランスはなんとか同じかな?と思うが乳房外側に膨らみがあり、二の腕にあたってしまう。

私自身、受けてよかったのかな?と考えてしまうこともないわけでなない。

でも、手術時、根気良く血管をつなげてくださった先生の姿を想像するたび、よくやってくださった、と今でも感謝している。



私の再建手術、これはたくさんの中の1人の例ですが、これから同時再建を考えている方の
参考にしていただけたら幸いですコスモス