日本経済新聞社の記事から引用
ビジネス・司法がわかる
久保利 英明 氏

私は昨年4月25日の本欄第17回で「ライブドア事件とは何だったのか」と題する論稿を発表した。「この事件の本質が浮かび上がって総括が可能になるまでは今しばらくの日時が必要であろう」「いくつか披露したい事項もあるが、又の機会に譲ることとしたい」とも記述した。

 しかし、ドッグイヤーとは恐ろしいもので、数年はかかると思われた総括の機会が、事件が始まってわずか1年でやってきたのである。東京地検特捜部の捜査が開始されるやいなや、せきを切ったように、ライブドアの暗部が報道され始めた。特捜部の容疑事実を前提にすれば、この事件の本質は複合的な手法を用いた証券詐欺事件であり、ライブドアは裁判所や国民が期待したいかなるIT(情報技術)と放送とのシナジーも示さず、フジテレビからせしめた資金で直接関連があるとも思われないM&Aを展開する「グリーンメーラー」に過ぎなかったのである。

ニッポン放送取締役を辞めた重大理由のポイント

 私は昨年3月末に、ライブドアが過半数を取得したとの発表を受けて、ニッポン放送の社外取締役を辞任した際、ライブドアのコンプライアンスと自社の株主に対する誠実なガバナンスがないことを重大な理由の1つとして指摘した。

 そのポイントは3つあった。

 第1は、立会外取引の利用によって、2月8日の早朝、わずか28分間で6件の取引により29.6%のニッポン放送株式を取得し、35%の大株主として登場したことは証券取引法27条の2に違反するという指摘である。事前の合意なしにこのような離れ業が実現できるはずがない。こんなインチキで過半数を制せられては、その支配下で取締役をやっていられない。当時、堀江氏自身、「奇跡」とまで言っていた。最近になって、与謝野金融大臣も直感的にこの不自然さを感じたとコメントしているが当然である。

 第2は、この2月8日の早朝の800億円に及ぶMSCB(転換価格修正条項付き転換社債)の発行を決めた取締役会の決議が、株式の稀釈化と株価の低落を招きかねないにもかかわらず、ライブドア株主の被る損害について全く考慮していないのはコーポレート・ガバナンスの欠如以外の何者でもないこと。コーポレート・ガバナンスに体を張ってきた私としてはそんな支配株主の下で取締役は出来ない。

 第3は、株式分割を利用して株価を高騰させる株価操縦的手法の濫用への不信である。03年5月から1年ほどの間に株式分割を10分割、100分割、10分割と3度繰り返して、株式数を1万倍にふくらませた。当時は株式分割を行うと新株券が印刷されて株主の手元に届くまでは、株券を保有している株主しか売却できなかったので、売り物が少なくなり、株価が高騰し易い。従って100倍という分割を行っても1株の値が100分の1になるなどと言うことは、需給バランスが崩れているため、あり得ない。ライブドアの時価総額は、100分割をした03年11月19日の1094億円から、ピーク時の04年1月20日には9353億円へと8倍超に急増している。このような手法は明らかに株式分割を取引の需給バランスを逼迫させ株価高騰の手段化とするもので違法の誹りを免れない。

ライブドア事件の戦犯は

 では、何が「トリックスター」堀江貴文被疑者を育てたのか。

 <責任1 東京証券取引所>

 今ごろになって、ライブドアの利用した立会外取引は違法性の疑いがある、とか、巨大な株式分割を認めたのは間違いだったという声が聞こえてくるが、東京証券取引所の責任は決して軽くはない。もし、「ToSTNeT-1」を利用した立会外取引を認めるのであれば、それが事前合意によらずして、いかに可能であったかの検証と情報開示が常になされなければならなかった。そのようなけん制の制度を欠いた規制緩和は強いものが勝ちとなる「ジャングル資本主義」でしかない。1万分割にしたところで、当時から批判があったのに東証が5倍を超える株式分割の自粛を求めたのは05年3月になってからであり、新株券が手元に届かなくても売却が出来るようになったのは今年の1月からである。売買単位ベースではライブドアの取引が東証全取引の45%、マザース市場の9割以上を占めるに至った結果システムダウンの原因の1つとなったことも自業自得と言えなくもない。

 <責任2 マスコミ>

 マスコミ各社は総ざんげと思ったら、たった1年前のことなのに、深刻にこの問題を捉えているメディアは少ないようである。いつも時流に乗り、流れに従って、風が変わった、潮の満ち干とともに論調を変えているのはお見事と言うほかない。1年前、今問われているようなライブドアのいかがわしさを指摘したために、解説者としてお呼びがかからなくなった評論家を私は何人も知っている。今になって金融行政を叩き、証券取引等監視委員会を批判するのなら、1年前に特段の調査もせずに「違法ではない」と発言した金融大臣をなぜ批判しなかったのか。こんな粉飾企業のトップを持ち上げて走り回った点では、公認しなかった自民党、党首が会って推薦を止めた民主党の方がまだましだ。1年前の記事を読んでもほとんどが的はずれ。ライブドアの広報戦略にまんまと乗せられていることが今読み返すとよく分かる。その点では磯崎哲也会計士や中山龍太郎弁護士のブログの方が遙に問題の本質を突いていた。

 <責任3 裁判所>

 悪を見抜く力がない点では裁判官もマスコミと良い勝負だ。フジテレビがTOB(株式公開買い付け)をニッポン放送にかけた後で、なぜライブドアがTOBによらずして35%を取得し乗っ取りに出てきたのか。奇跡と本人が認める取引が事前の合意なしになぜ成立したのか、なぜ放送スポンサーも、出演タレントも、従業員も、4人の社外取締役までが、企業価値が下がるからと抵抗したのか。本質を見抜ける人物なら皆、何時の日か、こうした事態があることを予測できたであろう。

 それでも、ライブドアがグリーンメーラーで、多くのニッポン放送株主がフジテレビのTOBに応じたから、まだ良かった。もし本当に、フジ・サンケイグループがその傘下に入れられていたら、各社の損害と社会的損失は計り知れないものがあったであろう。

特捜部登場と証券取引等監視委員会の強化

 この国は、コンプライアンスとガバナンスを本気で行おうとするときは、結局のところ東京地検特捜部の登場を待つしかないようだ。政界の浄化ばかりではない。1982年から開始された総会屋の撲滅すら、1997年の特捜による第一勧銀、四大証券のトップの逮捕、起訴まで完遂できなかった。日本の中枢企業が裏で癒着していたからである。

 しかし、このことは決して日本の証券市場のガバナンスにとって喜ばしいことではない。

 資本主義国家にとって最重要インフラである証券市場が、犯罪者によってかき乱されていても、その者が刑事手続きによって処罰されるまで、それ以外の規制が機能しないと言うことは国家の中枢管理機構が空洞化しているに等しい。その意味では証券取引等監視委員会を批判することは正当である。

 ただ、SEC(米証券取引委員会)と同様の権限を与えることでは目的は達成できない。捜査権限など米国を越えるものも既に持っているのだ。問題はそれを発揮させる人と予算である。法律家の人数と予算を米国SEC並みにすれば問題は解決する。米国証券市場の復活は、サーベンス・オクスリー法404条の力だけではなく、601条の成果である。601条はSECの歳出予算を3億ドル増額して7億7600万ドルとし、その内1億ドルを200人以上の新規職員採用に充当すると規定している。

 省庁に義務を定めたら、予算がセットなのは当然だからである。思い切った人材投入と予算の激増こそが、我が国においても、今取るべき施策である。小さな政府とは小さな行政のことである。この委員会は行政ではない。準司法的機関である。行政からカネを取り上げても、司法に配分しなければ、違法行為は後を絶たない。米国に学ぶべきことは、証券取引等監視委員会に200人の法律家の採用義務を課し、120億円(1億ドル)の予算増額を認める事である。そうすれば、組織の変更や権限規定など無駄な議論である。幸い、前2回にわたってこのコラムに書いたように、弁護士大量増員の時代がやってきた。正義感と職務の魅力から応募者は引きも切らないはずである。


ページを整理整頓して、このブログサイトの体裁を整えたいのですが、もう夜も更けてきたことだし明日の作業にさせていただきます。


昨年暮れから5つのブログサイトを作ってきて、多少狂気のようなものを感じないわけではないのですが、僕の精神はいたって快活で面白いぐらいです。


この感覚は、初めてホームページを作ったときとは少し異なり、とても動的な感じです。


ホームページはどっしりとして当時の感覚では動的だったのですが、ブログはこまねずみのように動的で、侍と忍者のような違いがあると思います。


では、今夜はこんなところで、皆様おやすみなさい。


明日は一気に、なかなかのページに成長させるつもりです。


と書いて、なかなかブログの方針が見つけ出せず、今日(2006年2月9日)にタイトルやそのほかを少しいじって、更新することが出来ました。


インターネットを見る上でのリテラシー向上に、少しでも寄与できればいいかと考えたら更新することが出来ました。


これからどうなるかわかりませんが・・・しばらく手探り状態です。

「ヤフーブログは遅いが、タダだから」というタイトルが気に入って、ヤフーでブログを開設しようとしたら断られた。


で、アメーバで開設したというわけです。


ヤフーのブログを開こうとすると、ISDN以前のダイヤル接続アップの時代を思わせるような信じられない遅さなのですが、ヤフー関係者の人はどう考えているのでしょうね?


恥ずかしくないのかな、あんなに遅くて・・・。


この記事から、このブログサイトは始まります。