森鷗外 供 /鷗外著

 ダイソーで買った森鷗外の短編集。もう買って二、三年経つが冬休みにようやく読んだ。
 収録されているのは山椒大夫、舞姫、高瀬舟、阿部一族の四編。
 どれも面白かった。
 山椒大夫は日本版「母をたずねて三千里」。幼い姉弟が生き別れた母を探すために奮闘する。姉は弟の脱出を助けるために、最終的に自害してしまう。
 弟は貴人に運よく拾われ、出世した後に母と再会する。母は盲目になり、すっかり落ちぶれていたのだった。
 舞姫は著者の自伝的作品らしい。留学先のドイツで女優と恋仲になり、妊娠させるが、本人は帰国するために彼女を捨てる。捨てられた彼女は狂人となってしまう話。
 非常に切ない、いたたまれない話だった。
 高瀬舟は現代で言う所の安楽死の話。病気を苦にして自殺しようとする弟の自殺を手助けした兄の話。
 阿部一族は江戸時代に藩主が交代する時に起こった内紛の話。藩主が死ぬ時に中心は後追いで切腹する風習が有った。阿部一族は能力を認められながらも切腹が認められない。そこから一族挙げて藩に逆らい皆討ち死にする。
 どれも面白かった。樋口一葉よりは余程読みやすい。
 近代の文豪も読んでみると面白い。