クルド人 もうひとつの中東問題  川上洋一著

 中東でたまにその名前が出るクルド人。彼らの事を全く知らないので買った。
 この本ではフセイン政権がまだ存続している頃までのクルド人の歴史が紹介されている。いまではイラクのクルド人を巡る状況は激変していることだろう。
 クルド人は領土を持たない最大の民族と言われる。彼らは五カ国くらいの領土にまたがって存在している。
 その中で一番多いのはトルコ国内のクルド人だと言う。
 また、ドイツへ移住したトルコ人の中にもクルド人が居ると言う。90年代はドイツや欧州各地でトルコに関係する施設を襲撃するテロ事件を起こした。トルコで行われているクルド民族弾圧への抗議のためだ。
 フセイン政権の頃からキルクーク油田の帰属が問題になっていたが、現在でも解決していない。
 クルド人の中にも様々な集団が有り、未だに一致団結できていない。その原因は様々。そもそも山地に点在する部族社会だったという事がある。そのため、クルド人全体での視野を持った指導者は現れなかった。また、トルコやイラク、イランなど外国からの支援を当てにしているため、彼らに操られてクルド人同士で争ってしまう。
 クルド民族に独立が有るのかどうか、私が生きている間はなさそうだ。