上海の顔役たち 著沈寂 訳林弘

・顔役
その土地、または仲間うちで、顔を知られていて勢力のある人。ボス。「町の―」

 俺の感覚ではやくざと同義なのだが、この本も中国やくざの本だ。
 三人の親分、杜月笙、黄金栄、張嘯林について書かれている。黄金栄が親ほど年長なのだが、最後に生き残ったのは彼だという皮肉。そして、三人とも最後は恵まれない最後だ。張嘯林に至っては戦時中漢奸として暗殺されてしまう。
 中国人が書いた本なので、日本軍に対しての記述は厳しい。それにしても南京で何十万人も死んだのだろうか?
 そして、やくざと役人が結託して庶民から金を搾り取るのはいつの時代も同じだと思った。
 途中残念だったのは、蒋介石政府と日本政府が物品の密貿易から和平へ進もうとして失敗したこと。南京の傀儡政府が潰したらしいが、傀儡政府にしてみれば和平が成ったとたんに用済みにされるからだろう。