<日時>2024年4月10日(水)

<会場>銀座 王子ホール

<プログラム>
河村尚子が贈る音楽の旅 Vol.1
~フランス音楽とジャポニズム~ 

・メシアン:前奏曲集より 第1番 「鳩」
・ドビュッシー:映像Ⅰ
  1、水面への反射

  2、ラモーへのオマージュ

  3、動き
・ナディア・ブーランジェ:新生活に向けて
・矢代秋雄:ピアノ・ソナタ(1961)
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・ドビュッシー:映像Ⅱ
  1、木漏れ日の鐘

  2、そして寺院だった場所に月が降りる
  3、黄金の魚
・武満 徹:雨の樹素描Ⅱ
  ~オリヴィエ・メシアンの追憶に~
・メシアン:前奏曲集より

   第5番 「計り知れない夢の音」
・ラヴェル:ソナチネ 嬰ヘ短調

(アンコール)
・フォーレ:  即興曲 84-5
・ドビュッシー:月の光

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河村尚子さんのピアノは2年前に初めて聴いて
凄まじい集中力とテクニックで、

音楽の奥深くに入っていくような

表現の幅の広さと深さに大変驚いた。

その時は、シューベルトのピアノソナタだったのだけれど
こんな演奏は生涯に何度も聴けないと思うほど感じ入った。

今回は~フランス音楽とジャポニズム~

というテーマで
河村さんは4歳からドイツで育ったので、

フランス音楽の響きに憧れて
ご自身がフランスの響きに浸ってみたかった

とおっしゃる。

ドビュッシーはパリ万博で日本を知って憧れ、浮世絵などを収集していて

河村さんは『映像』はスピリチュアルな曲と言われていた。

矢代秋雄さんは、パリでメシアンや

ナディア・ブーランジェに師事したそうで
ピアノソナタは激しいリズムと響きの中にも、日本の荒野を吹き抜ける寂しい風を感じさせる。

そして武満徹とメシアンの曲は、

瞑想的な感じを受けた。

河村さんは後半で

「武満徹のレインツリーは木の葉から落ちる雨の水滴だけでなく香り、風の音なども感じられる。
メシアンの『計り知れない夢の音』 Les sons impalpables du rêve… のタイトルは日本語訳が難しいのだけれど、目に見えないけど確かにあって、でも触れない、キラキラした形のない細かい粉のようなもの」と仰っていた。

最後の盛り上がるラヴェルのあと、
アンコールは気持ちを落ち着かせていくような曲を弾かれた。

選曲も演奏も素晴らしかったけど、

トークも大変に面白く
「フランスの曲だけ集めたプログラムは集客が難しいのですが、沢山おいで下さって、ありがとうございます。
 今回はVol.1ですが、この音楽の旅が今後どこまで続くかは、皆さん次第です」などと仰っていました。