<日時>2024年3月23日(土) 19時30分~
<演奏>ピアノ
・丹野めぐみ
&ミヒャエル・ツァルカ(Michael Tsalka)
<会場>空音舎(東京都大田区)
<プログラム>
1.モーツァルト
【連弾のためのピアノ・ソナタヘ長調KV497】(丹野・ツァルカ)
2. ミヒャエル・ツァルカ博士のために
書かれた曲(日本初演)
・ジョアン・ジョゼフ・グレティス (Spain, 1957-):
前奏曲とフーガ (2019)
・ニコラス・スミス (U.K.):
7つの北京スケッチ(2023)
・ヴィオレッタ・ディネスク (Romania/Germany, b. 1953):
ヤマシギの後ろ姿(2023)
4.丹野さんソロ
・バルトーク
「子供のために」から「豚飼いの踊り」
・ラフマニノフ
前奏曲ト短調作品23-5
5.モーツァルト
【アンダンテと変奏曲ト長調KV501】(丹野・ツァルカ)
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東京都大田区の生まれ育ちで、ヨーロッパで活躍されていたピアニスト丹野めぐみさんの演奏を聞いたのは数年前、丹野さんの知人だった私の友人が紹介してくれたのだった。
その頃はフォルテピアノを中心にクラヴィコードなども弾かれる古楽系の鍵盤奏者として活躍されていて、帰国してコンサートをするたびに案内を頂くようになった。
コンサートは毎回テーマを決めた選曲で、小規模の親密な空間で演奏されることが多く、今回の会場も丹野さんの地元の町工場を改装防音した、2階分の高さの空間で30人も入れば満員になる空間だ。
メインのモーツアルトは天と地の間にあって両方の要素を持ち、モーツァルトの音楽には全てがあると言い、今回の摩天楼には高い所から俯瞰するという意味も込めたと言われる。
ヨーロッパにいた頃に連弾をしていて、現在は香港や中国の音楽大学教授のツァルカさんが来日するのに合わせて今回のコンサートを企画されたとのこと。
さて最初と最後はモーツァルトの連弾曲。
情熱的な丹野さんと、情熱を秘めながらもクールなツァルカさんの演奏で、4手が一つに溶け合っている感じがあまりしないのだけれど、ぶつかり合っているわけでもなく、一緒に天界のモーツァルトを目指している様子が伝わって来て素晴らしかった。
ツァルカさんのソロは3曲で15分くらい、どの曲もクールで現代的な響きもありつつ比較的聴きやすく感じた。
丹野さんのソロは、選曲のせいもあるのか情熱的な演奏で、ツァルカさんよりも男性的な印象だった。
久しぶりに小さな空間で親密な演奏に包まれた素敵な夜だった。大ホールの大オーケストラの演奏も良いけど、奏者のエネルギーがダイレクトに伝わるこんな演奏の方が自分は好きだなぁ。
<参考>
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【丹野めぐみオフィシャルYouTubeチャンネル】
丹野めぐみ【エッセンスオブピアノライフ】
自宅のクラヴィコードで日々発信されています
丹野さんとヴァイオリニストのアドリアナさんのPage
ミヒャエル・ツァルカさんプロフィール