話題のための話題といえばやはり天気の話でしょう。
それは他人との会話というものを立ち上げるきっかけとしての話題であり、その話題に深く切り込んで議論を温めて白熱化していくというような発展性をなかなか持ちえない話題であります。


しかし、天気という話題のための話題を深めてはいけないか、というと決してそうではないでしょう。
天気の話題を振られたときに、その天気によって他の天気の場合とどれほど風景が変化してしまうか、だとか、複雑かつ微細な反応を示す百葉箱としての自分の身体と天気の交わりについて話す場合、天気という話題は途端に白熱化することになるかもしれません。

 


穏やかなひだまりのような会話を求めて天気の話題を振った相手は、次第に加速していく暴風雨のような天気トークを前にしてポカンとした表情を浮かべることにもなるでしょうし、ともすると「気軽に天気の話題など振ってはいけなかったのだ」という後悔を感じさえするかもしれません。

 

 


会話には雨宿りする場所もなく、風は全身を打ち付けることにもなり……

 

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